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【7/24】穢れた血だと追放された魔力無限の精霊魔術士【コミックス第4巻発売】  作者: 冬月光輝
第2章『精霊魔術士の伝説再び』

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精霊魔術士、緊急招集に応じる

「国王陛下がリアナお姉様に直接のご用事があるというお手紙が来たのですか?」


「うん。ほら、エルトナ王家の紋章付きの手紙。オウルストラ三世からの勅命っていう特別な依頼があるって前にエルヴィンが言ってたから。多分、そうなんじゃないかなー」


 王宮から私宛に届いた手紙。それはオウルストラ三世からの緊急招集だった。

 つまり、国王陛下から直々の依頼なのである。

 エルヴィン曰く、超高難度の依頼が漏れなくこれに該当してて、Sランカーが複数パーティーを組むことが多いのだとか。


「多分、他のSランカーとパーティーを組むことになると思う。上手くやれるかなー? エルヴィンだと良いんだけど」


「お姉様は人当たりも良いですし誰とでも上手くいきますよ。それはわたくしが保証しますわ」


「あはは、ありがと。シオンって人には会ったことないけど、他の人とは顔を合わせたことあるし。仲良くなれるように頑張るよ」


 ティナもエルヴィンみたいに私なら誰とでも上手くやれると言ってくれた。

 正直言って、そんな自信はないんだけど……そう言ってくれる人がいるならその期待には応えたいかな。


「それでは、僭越ながらこのわたくしがリアナお姉様の着替えのお手伝いをさせて頂きましょう。まずは髪のお手入れからです。お姉様は直ぐにボサボサの頭で出ていきますので――」


 ティナに身だしなみのダメ出しをされながら、私は髪をきれいに整えてもらう。

 昔はよくこうして髪をとかして貰ってたな。母が生きていた時なんかは特に……。

 父は本気で私のことを嫌ってたもんなぁ。

 私とティナが一緒にいることも段々良しとしてくれなくて……今みたいに穏やかに過ごせるのって凄く幸せだ……。





 こうして、似合わないというか慣れない小綺麗な格好に変身した私はティナに送り出されて、私は国王陛下、オウルストラ三世が待つ王宮へと足を進めた。

 そういえば、一人で王宮に行くのは初めてだ……。そう考えると緊張するよ~~。


「これはこれは、リアナ様。ようこそエルトナ王宮へ。陛下の緊急招集に応じてくれたのですね。ありがとうございます」


 王宮に入るとジョンという名前の兵士長が、とても丁寧な応対をしてくれた。

 私なんて凄く年下なのに、そんなに腰を低くしなくても――。


「いやぁ、ウチの家内と娘がリアナ様とティナ様の大ファンでして。姉妹でエルトナの繁栄の為に活躍している姿が眩しく見えるのでしょうなぁ」


「あはは、私のファンなんて居たんだ。ビックリ……」


「知ってのとおり、リアナ様は既にSランカーとして王都中の人気者なのですから。ファンが居ないなんて謙遜をされないでください」


 えっと、謙遜なんて一ミリもしてないんだけど。

 人気者かぁ。じゃあ、この前……ケーキ屋さんで私の買ってたケーキが一番人気になったのもその影響。って、そんなわけないか……。



「さぁ、こちらの会議室にてお待ち下さい。陛下も三十分ほどでいらっしゃいますので」


「はーい。ここで待っていれば良いんだね?」


「左様でございます」


 ジョンが扉を開けて私は案内されるがままに会議室に入る。

 中にいたのは――


「なんだ、君か。共に仕事をするのはもう少し先かと思っていたが……思ったよりも早かったな」


「れ、レイス……かぁ」


「見るからにがっかりした顔をするな。失敬だな、君は」


 会議室で待っていたのはレイスだった。

 エルヴィンなら打ち解けてるしいいなーって、思っていたけどレイスかぁ。この人、気難しそうなんだよね……。

 ちょっとしたことで、怒りそうだし。上手くやれるかなぁ……。


「まぁいい。君らの活躍は聞いてるよ。エルロン姉妹か……。そこそこ強い姉妹なんて珍しいからな。実力以上の評価を受けてるんだろうが、調子には乗るなよ。君はSランカーの下っ端なんだからな」


「はーい」


「まぁ、いい機会だから見せてやるよ。僕と君の格の違いってやつを」


 クイッと眼鏡を指で上げながらレイスは格の違いを見せるというような最近では中々聞けないヒールっぽい台詞を残す。

 うう、なんかやっぱりSランクの人って絡み辛いなぁ……。


 私が気まずいとレイスから目を逸らそうとした、そのとき――会議室のドアが開いた。

 国王陛下はまだのはずなんだけど――


「おっ! リアナにレイスじゃん」


「「エルヴィン!」」


 何とエルヴィンも緊急招集で国王陛下に呼ばれていたらしい。

 ということは、私たちが三人でパーティーを組むってこと? うわー、エルヴィンと組むのも初めてだし、何よりもレイスと二人だけじゃコミュニケーション取れないだろうから助かったよ〜。


「そっか、そっか。緊急招集って聞いてたけど、Sランクを三人も集めるってことはアレだな」


「んっ? アレって何かな?」


「討伐難易度★★★★★、最高危険指定生物の討伐任務の可能性が高いってことだよ」


 エルヴィンは自信満々の表情で絶望の宣告をした。

 今度の依頼は本当に命がヤバいかもしれない――。

ついにエルヴィンと初めてパーティーを組みます。

テンポが遅くなるのを気にして投稿頻度を上げているのですが、大丈夫でしょうか?


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― 新着の感想 ―
[良い点] この作品は面白い!と言える作品かと私は思います。 最近やたらと多いチート&俺様系と違い、チートだけどお馬鹿でまだまだ未熟な主人公が頑張る姿が楽しくて、ストーリーの続きが気になります。 [気…
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