トラブルメーカー
2017/1126 更新しました。
「5レベル……!?」
「すごいじゃん久我!」
「めっちゃ頑張ったんだな!」
が、俺の考えとは裏腹に、クラスメイトたち久我を賞賛するように声を上げた。
これじゃ俺が18レベルだと言ったら……とんでもないことになりそうだ。
やはり黙っておいた方がいいだろう
「ここまで確認した限りでは、みんな2レベルか3レベルだったよね。
それを考えると、うちクラスでは久我くんが一番レベルが高いんじゃないかな?」
思っていたよりも、皆レベルが上がっていないらしい。
「ふっ、このくらいは当然さ」
当然と言いながら、どこか誇らしそうな久我だったが。
「偉そうに言ってんじゃねえよ!」
「そうそう。
久我のせいで俺たち、全然モンスターと戦えてないんだけど」
「三間くん、あたしはもう久我くんのパーティで探索したくないんだけど?」
久我と同じパーティだった生徒たちは不平不満を漏らした。
「モンスターの数は限られているんだから、早い者勝ちだろ?」
「それじゃパーティを組んでる意味がないじゃない!」
久我のパーティメンバーだった少女が怒りの篭った声を上げる。
だが、協力という考えは久我の頭にはないようだ。
少しは悪びれて見せればいいものを……。
(……意外なトラブルメーカーがいたものだ)
しかし、久我がトラブルメーカーだとしても、一人でモンスターに立ち向かい勝利したということになる。
「震えていたキミたちが、ぼくと共に戦えたとは思えないが?」
「なっ!?」
「だ、誰が震えてたってんだよ!」
「キミたちが震えていたのを、ぼくはこの目で見ているぞ?」
「テメェ、あまり調子に乗ってんじゃねえぞ!!」
一触即発。
今にも殴り合いでも始まりそうな雰囲気だ。
「み、みんな落ち着いて……! 喧嘩しても仕方ないよ!」
「それは彼らに言ってくれ。
まぁ、ぼくは3階層からは単独で探索してもいいが?」
売り言葉に買い言葉だ。
心の中で思うに留めておけばいいものを。
俺が言うのもなんだが、協調性がまるでない。
「……久我くん、申し訳ないが最低限の協力はしてもらいたい。
まだこの世界はわからないことばかりだ。
一人で行動するリスクは大きいよ」
「ふん……。
どうしてもこのぼくと組みたいという生徒がいるのなら、その時は考えさせてもらうよ」
「わかった。
パーティについては一度再検討させてほしい。
みんなも、それでいいかな?」
「……久我と一緒じゃなけりゃ、どこのチームでも構わねえよ」
「あたしも同じ。
二度と同じパーティを組みたいくないわ」
久我のパーティは初日にして決別……という結果を迎えそうだ。
(……三間あたりが、上手く制御してくれれば戦力になりそうだが……)
協調性はまるでなさそうなので、難しいだろう。
今のところ利用価値はなさそうだ。
「……わかった。
久我くんのパーティは解散。
別のパーティに加入してもらう形でまとめよう。
どのパーティに入るからは、この後で相談させてほしい」
「わかった」
「三間くん、無理言ってごめんね」
返事をする代わりに三間は微笑を浮かべた。
「さて、一度を話を戻そうか。
次で……最後だったよね。
九重さんたちのパーティはどうかな?」
「私たちのパーティは、みんな4レベルになったよ」
「全員が均等にレベルアップしたのかい?」
「そうみたい。
パーティ協力して戦闘したことが関係しているのかもしれない」
勇希が答えた。
(……俺は4レベルじゃないんだが……)
まぁ、最初から正直に答えるつもりはなかったからな。
とりえあず、4レベルということにしておこう。
「でも全員が4レベルというのは凄いね!
平均レベルなら1番じゃないか。
大峰くんと桜咲さんは、もう鍛冶系のスキルを獲得したかい?」
「まだ獲得していない」
「ミャーもだよ。
みんなと相談してからの方がいいかなって思ってたから」
「なら是非、獲得して実際にスキルを使用してみてほしい。
鍛冶スキルや武器生成スキルの効果を確かめておきたいからね」
「了解した」
「やってみるね!」
鍛冶屋組の活動もこれで本格的にスタートか。
最初から強力な武器を……というわけにはいかないと思うが、今後鍛冶スキルを上げていけば、ダンジョンを攻略する上で大きな力になってくれるだろう。
それから俺たち――主に勇希が、2階層の探索で得た情報などを三間に伝え……久我の件で少し揉めたものの大きな問題はなく、情報交換の時間は過ぎていった。
※
「みんなのレベルや獲得した魔法、スキル、2階層での状況はだいたい理解できたよ。
後は……パーティの再編成の件、久我くんたちは勿論だけど、三枝さんの所属するパーティも決めたい」
「あ、あたし……の、所属するパーティ?」
そう言って、三枝は俺を見た。
「あ、すまない。
少し説明不足だった。
1組ではダンジョンの探索は強制じゃないよ。
ただし探索班に所属しない生徒にも何かしら役割を持ってもらうことになっているんだ。
それで……一応確認しておきたいんだけど、三枝さんは探索班希望でいいのかな?」
「……え、えと……あたしは……」
だから俺を見るなと……。
俺は目を逸らした。
こういうのは、自分の意志で決めなくては意味がない。
「……あたしはマッピングスキルを持っているから、探索班に所属した方がいいと思う」
「わかった。
じゃあ、三枝さんにはどこかのパーティに所属してもらいたい。
現状では5つ……じゃないか、一つ解散してしまったから4つのパーティになるんだけど……」
三間は現状のパーティ状況を伝えていった。
そして、三枝が選んだのは……。
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