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探索終了、教室へ

2017/1109 本日二回目の更新


※20話と21話に同じエピソードが投稿されてしまっていたようです。

 削除ではなく、21話に本来のエピソードを上書きすることで対応しております。

 読者の皆様を混乱させてしまう事になり申し訳ありませんでした。

           ※




 念の為、他の部屋は調べたが全て同じ構造になっていた。

 此花からの情報――ここが、学生寮であるということを勇希たちとも共有する。


「なんか、それっぽい感じだと思ったよ!」


 正直な感想が勇希の口から洩れた。

 三間が寮に住んでいたという此花に案内を頼み、俺たちは建物の1階から5階――その施設を調べた。


 やはりモンスターはいない。 

 安全確保したとみて問題ないだろう。

 2~5階は生徒用の部屋。

 1階は最初に見た広いフロアを除くと、ほぼ空き部屋ばかりだった。

 それと風呂やトイレ、キッチンは一切なかった。

 水道もない為、飲み水すらどうにもならないのが現状だ。


「これである程度の調査は完了かな。

 教室に戻ろうと思うけど、みんなは大丈夫かい?」

「構わねえ。だがよ三間、前から思ってたんだが、オメーが仕切ってんじゃねえぞ」

「気に障ったら謝るよ。でも、こんな時だからこそ、誰かが率先して……」

「だから、そういう役目はリーダーがやるもんだろうがっ!

 ね、そうですよね! 宮真くん!」


 え? だからこのヤンキー、なんで俺に話を振るの?


「宮真くんがいるんだから、オメーが出しゃばんじゃねえよ」

「は?」


 なに言っちゃってんの、キミ?

 クラスリーダーはどう考えても三間がいいだろ。

 俺がクラスを纏めるような人間に見えるのか?


「……わかった。確かに宮真くんになら任せられると思う」

「は?」


 ちょ!? 三間までどうした!?

 気は確かか?


「んだよ。テメェもよくわかってんじゃねえか」

「……ちょっと、こっちに来てくれ」

「ど、どうしたんですか、宮真くん? しょんべんっすか?」


 ちげーよ。

 どっちかつ~と、喉からからだよ

 でも、考えてみればトイレが限界の子とかもいるのか?


「って、そうじゃない! なんで俺がリーダーなんだ?」


 勇希や三間、此花と距離をとり、俺は野島とこそこそ話す。


「当たり前じゃないっすか! 俺を庇ってモンスターのおとりになる男気!

 そしてダンジョンを生き抜く力――正に宮真くんは、男の中の男じゃねえっすか!」


 だからちげーっての!

 お前を助けた覚えなんてこれっぽちもねえよ。

 勝手に誤解して、俺に期待してるってことかこりゃ!!


(……いや、落ち着け。冷静になれ)


 まずはリーダーにならない方向で話を進めなくては……。

 こういう単純な奴を相手にするなら、


「野島……落ち着いて聞け」

「う、うっす!」


 俺が真剣な表情を作り、低い声が話し掛ける。

 野島が緊張したように固唾を呑んだ。


「俺はリーダーになるつりはない。

 クラスのリーダー……そりゃあ委員長ってことだ」

「委員長……?」

「そうだ。そんなもんはな、いい子ちゃんがやるもんだろ?」

「!? ……確かに、言われてみりゃあそうっすね」

「だろ? そういう面倒な仕事は三間に任せておけばいい」


 我ながら頭の悪そうな会話だが仕方ない。

 これもリーダーを回避する為だ。

 誰かに頼られるなんて、まっぴらごめんだからな。


「つまり、裏番ってことっすね! 流石は宮真くんだ!」

「うら……なに……」

「確かに裏から全部指示をするほうが、カッケーっすもんね」

「ま、まあ、そんな感じだな。

 だがな野島、俺が裏番ってのは他の奴には秘密にしろ」

「もちろんっすよ! 影から全てを操る裏番の正体を知られるわけにはいかねーっすもんね!」


 よし。とりあえず、これでいい。

 野島はそう簡単に俺のことは話さないだろう。

 そもそも、こいつには話すような友達もいないだろう。

 もしかしたら、ヤンキー仲間がいるのかもしれないが……。

 見るからに不良なのは野島くらいだしな。


「おお、三間! クラスの委員長はお前がやりやがれ!」

「え……ああ、でも宮真くんはそれでいいのかい?」

「おいテメェ三間! クラスのリーダーなんてもんは、宮真くんには似合わねえだろうがっ!」


 野島の発言が180度変わった。

 三間思わず苦笑を浮かべている。


「似合う似合わないはさておき、私も三間君がいいと思う。

 クラスのみんな、三間君も頼りにしてるのが伝わってくるから」

「ま、オレは宮真くんがリーダーにさえならなきゃ、それでいいからよ」


 改めて言わんでいい!

 怪しく思われるだろ。

 此花なんて「どうやって野島くんを懐柔したの?」と目で訴えてきた。

 俺は、目を逸らすことしか出来なかった。


「わかった。

 でも、もし反対意見が出た時は、候補者を募ってリーダーを決定しよう」


 仮に反対する奴はいても、投票となれば三間は過半数以上を集めるだろう。

 想定外の話をすることになったが、この後、俺たちは教室に戻ったのだった。

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こちらが書籍版です。
『ダンジョン・スクールデスゲーム』
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