第126話 全て
仮面野郎の命令が飛んだ瞬間、魔法少女たちがほぼ一斉に動き出した。
俺だけじゃなく、コメットも狙う動き。殺意の込められたコンビネーションだ。
全員、奴の命令を聞いている……てことは、狂禍の騎士は仮面野郎の魔法ってことか。
「ライス、やっぱり仮面野郎と倒さないとダメみたいです!」
「ッ……OK. 行くデス!」
前方から放たれる魔法の嵐を殴り弾く。コメットも星の防御魔法を展開する。
けど、重い。一撃一撃が必殺で、油断すると死ぬッ。
不意に、地面に影が落ちる。思わず上を見上げると……超巨大な、氷の塊があった。
「Icicle Catastrophe!!」
やばっ……!?
「ライス、前は任せました!」
返事を聞く間もなく、全身にオーラを纏い頭上に迫っていた氷塊を受け止めた。
おっっっっ……も……! ふんばれ、俺ェ……!
「ティナ!」
「だいっ……じょうぶ……!」
ぐぬぬぬぬっ……パワー系魔法少女の力、舐めるなよぉ……!!
氷塊に指を食い込ませ、地面に足をめり込ませて踏ん張る。同時に魔力を足裏から放出し、返って来た衝撃をそのまま氷塊に伝える。何度も、何度も、何度も。
ドンッ――ドンッ――ドンッ――!! 衝撃が氷塊に伝わるが、重すぎて止まらねぇ。これ本当に、ただの氷塊か……!?
くそっ、止まれ止まれ止まれッ……!
「ティナ、そのままお願いしマス!」
え、コメット……!?
何をしようとしているのかわからないが、言われた通り踏ん張るしか……でもなるべく早くお願いしますっ、もうもたねぇ……!
横にいたコメットが、バックステップでどこかに消える。直後、背後から青い光と圧が迸り──
「Strike of Celestial Light!!」
──大気を揺さぶった。
同時に、支えていた氷塊が粉々に砕け散り、散弾となって魔法少女たちに襲いかかる。
後方の魔法少女が防御魔法を展開するが、氷塊+コメットの魔法で何人かは吹き飛び、再起不能になった。
「ありがとうございます、ライス」
「No problem」
軽やかにウインクで返された。うーん、様になるなぁ。
辛うじて避けていた仮面野郎が周りを見渡し、最後にコメットへ目を向けた。
『コメット、本当に日本につくのか? 今ならまだ、謝れば折檻で赦してやるぞ』
「……長官、勘違いしてマス。ワタシ、Japanについた訳じゃありまセン」
『何……?』
仮面野郎の声が揺れる。
「ワタシ、ティナの……ツグミの味方デス。ティナが誰かと戦うなら、ティナを助けマス。もしJapanと敵対するなら、ワタシはティナと共に戦いマス」
真っ直ぐ、奴の目を見て言い切った。
まさかの言葉に、俺もつい押し黙る。え、うん。嬉しいけど恥ずかしい……。
『何故だ。その小娘のどこが、そこまでお前を惹き付ける』
「All」
「『…………は?』」
俺も、仮面野郎も、思わず唖然。
え、と……なんて??
「ワタシは、ティナを心から愛してマス。最初はただcuteな子だと思いまシタ。それがいつしか好きになって、ファンになって、最愛の推しになって……ワタシはただ、彼女を推す1人の有象無象でシタ。でも一緒にいて、一緒にご飯を食べて、一緒に笑って、一緒に戦って、彼女への想いが強くなりまシタ。彼女の笑顔を守りタイ。彼女を悲しませたくナイ。彼女が幸せでいて欲シイ。彼女と共にありタイ。……だからワタシは、ティナの味方になると決めまシタ。ティナがJapanにいるからじゃありまセン。ティナが戦うなら、ワタシも戦いマス」
コメット……。
「ごめんなさい、ちょっと重い」
「がーーーーんっ……!?」
それ、口にする人初めて見た。
ふふ……まったく、いつもぶっ飛んでるなぁ、この子は。
「……ありがとう、ライス。元気出ました」
「! よかったデスっ」
隣で笑うコメットに、俺も笑顔を返す。
が……仮面野郎から放たれま妙な圧が、体を叩いた。
『……るぃ……どぅし……ゎたしの方……』
……なんか、ぶつぶつ言ってるな。俺の聴覚でも聞き取れないくらい小さい声で。
でも、これだけは言える。……仮面野郎の戦闘のギアが、一段階上がった。
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