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クイーン・オブ・魔法少女 〜いや俺、男なんですが!?〜  作者: 赤金武蔵
第4章 異国の魔法少女

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126/126

第126話 全て

 仮面野郎の命令が飛んだ瞬間、魔法少女たちがほぼ一斉に動き出した。

 俺だけじゃなく、コメットも狙う動き。殺意の込められたコンビネーションだ。

 全員、奴の命令を聞いている……てことは、狂禍の騎士は仮面野郎の魔法ってことか。



「ライス、やっぱり仮面野郎と倒さないとダメみたいです!」

「ッ……OK. 行くデス!」



 前方から放たれる魔法の嵐を殴り弾く。コメットも星の防御魔法を展開する。

 けど、重い。一撃一撃が必殺で、油断すると死ぬッ。

 不意に、地面に影が落ちる。思わず上を見上げると……超巨大な、氷の塊があった。



Icicle Ca(氷槌)tastrophe(降臨)!!」



 やばっ……!?



「ライス、前は任せました!」



 返事を聞く間もなく、全身にオーラを纏い頭上に迫っていた氷塊を受け止めた。

 おっっっっ……も……! ふんばれ、俺ェ……!



「ティナ!」

「だいっ……じょうぶ……!」



 ぐぬぬぬぬっ……パワー系魔法少女の力、舐めるなよぉ……!!

 氷塊に指を食い込ませ、地面に足をめり込ませて踏ん張る。同時に魔力を足裏から放出し、返って来た衝撃をそのまま氷塊に伝える。何度も、何度も、何度も。

 ドンッ――ドンッ――ドンッ――!! 衝撃が氷塊に伝わるが、重すぎて止まらねぇ。これ本当に、ただの氷塊か……!?

 くそっ、止まれ止まれ止まれッ……!



「ティナ、そのままお願いしマス!」



 え、コメット……!?

 何をしようとしているのかわからないが、言われた通り踏ん張るしか……でもなるべく早くお願いしますっ、もうもたねぇ……!

 横にいたコメットが、バックステップでどこかに消える。直後、背後から青い光と圧が迸り──



Strike of (天光)Celestial (の一)Light()!!」



 ──大気を揺さぶった。

 同時に、支えていた氷塊が粉々に砕け散り、散弾となって魔法少女たちに襲いかかる。

 後方の魔法少女が防御魔法を展開するが、氷塊+コメットの魔法で何人かは吹き飛び、再起不能になった。



「ありがとうございます、ライス」

「No problem」



 軽やかにウインクで返された。うーん、様になるなぁ。

 辛うじて避けていた仮面野郎が周りを見渡し、最後にコメットへ目を向けた。



『コメット、本当に日本につくのか? 今ならまだ、謝れば折檻で赦してやるぞ』

「……長官、勘違いしてマス。ワタシ、Japanについた訳じゃありまセン」

『何……?』



 仮面野郎の声が揺れる。



「ワタシ、ティナの……ツグミの味方デス。ティナが誰かと戦うなら、ティナを助けマス。もしJapanと敵対するなら、ワタシはティナと共に戦いマス」



 真っ直ぐ、奴の目を見て言い切った。

 まさかの言葉に、俺もつい押し黙る。え、うん。嬉しいけど恥ずかしい……。



『何故だ。その小娘のどこが、そこまでお前を惹き付ける』






All(全て)






「『…………は?』」



 俺も、仮面野郎も、思わず唖然。

 え、と……なんて??



「ワタシは、ティナを心から愛してマス。最初はただcuteな子だと思いまシタ。それがいつしか好きになって、ファンになって、最愛の推しになって……ワタシはただ、彼女を推す1人の有象無象でシタ。でも一緒にいて、一緒にご飯を食べて、一緒に笑って、一緒に戦って、彼女への想いが強くなりまシタ。彼女の笑顔を守りタイ。彼女を悲しませたくナイ。彼女が幸せでいて欲シイ。彼女と共にありタイ。……だからワタシは、ティナの味方になると決めまシタ。ティナがJapanにいるからじゃありまセン。ティナが戦うなら、ワタシも戦いマス」



 コメット……。



「ごめんなさい、ちょっと重い」

「がーーーーんっ……!?」



 それ、口にする人初めて見た。

 ふふ……まったく、いつもぶっ飛んでるなぁ、この子は。



「……ありがとう、ライス。元気出ました」

「! よかったデスっ」



 隣で笑うコメットに、俺も笑顔を返す。

 が……仮面野郎から放たれま妙な圧が、体を叩いた。



『……るぃ……どぅし……ゎたしの方……』



 ……なんか、ぶつぶつ言ってるな。俺の聴覚でも聞き取れないくらい小さい声で。

 でも、これだけは言える。……仮面野郎の戦闘のギアが、一段階上がった。

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