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クイーン・オブ・魔法少女 〜いや俺、男なんですが!?〜  作者: 赤金武蔵
第4章 異国の魔法少女

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113/126

第113話 覚悟とは

 見た目はまんますずめだ。ただ異様にデカいだけ。いやだけって言っても、ここまでデカいと暴れた時の被害は計り知れないんだけどさ。

 今は自分の体を毛繕いしたり、日光を浴びて寝落ちしかけている。はっきり言って、めっちゃ可愛い。リーファやキルリさんは別として、魔物にもあんな可愛いのいるのか。いつも怪物みたいな奴としか戦ってなかったから、なんかほっこりする。

 コメットも同じことを考えているのか、頬を手で覆って巨大すずめを凝視していた。けど、このまま放置するわけにもいかないし……。



「仕方ない……やりますか」

「まっ、待つデス!」



 向かおうとすると、コメットに必死の顔で服を掴まれてしまった。



「本当にすずめを倒すんデスカ!? あんなにcuteなものを!?」

「ライス……気持ちはわかりますけど、あれは魔物なんです」

「でも……でも……!」



 コメットが俺と巨大すずめを交互に見て、目に涙を浮かべる。

 この子の気持ちもわかる。俺もリーファを保護した時、同じ気持ちだった。

 けど……リーファは人間だ。闇落ちしたダークエルフだとしても、人間だったんだ。感情があり、俺たちと意思疎通もできる。あの子と巨大すずめは、明確に違う。



「……ごめんなさい、ライス。やはりあれは倒します。普通のすずめは虫や穀物を食べますが、あれだけ大きいとなると、標的になるのは……人間です」

「ッ……」



 俺の言葉に、コメットは唇を噛む。

 俺も魔法少女の前に、一人の日本国民だ。目の前で国民が食べられるのを見逃すほど、馬鹿ではない。

 俺の服を離したコメットは袖で目元を拭い、真剣な表情になった。



「Sorry, ティナ。……ワタシが間違っていました」

「いいえ。それじゃあ、コメットはここで見ていてください。アレは私が……」

「NO. ワタシも人類の一人として、敵を倒します」

「……わかりました。それじゃあ、一体をお願いします。二体は私が倒しますから」

「OK」



 俺が全身からピンクのオーラを。コメットが青いオーラを迸らせ、巨大すずめに向かって突進していった――。






 無事巨大すずめを討伐した俺たちだったが……案の定、コメットは落ち込んでしまった。そりゃそうだ。可愛いものが好きなコメットが、自分の手で可愛いものを倒したんだから。

 陽ノ國屋に戻ってから、コメットは広縁のソファに座って庭園を眺めている。少しでも気持ちを落ち着かせたいのだろう。



「ライス、大丈夫ですか?」

「HAHA…ちょっと、大丈夫じゃないかもデス」

「無理もないですよ」



 コメットの前に、買って来た豆乳ドーナッツとコーヒーを置く。女将さんに頼んで、作ってもらった手作りドーナッツだ。



「辛い思いをさせてしまって、ごめんなさい。私一人でやればよかったですね」

「の、NO!! これはワタシの心の弱さが原因デス! ……いつも、周りから言われマス。ワタシの心は弱いッテ……」



 半ば自嘲気味に笑うコメットだが、やはり表情に覇気はない。

 ……仕方ない、よな。

 ブローチに着いていた隠しカメラの電源を切り、取り外す。コメットも俺の行動を見て……自分の胸についている勲章に手を添えて、それを取り外した。



「私も同じです。私も、心が弱いんです」

「そ、そんなことないデス! ティナはすごく強いデス!」



 あはは……そう言ってくれると嬉しいな。



「昨日の温泉でライスが私に、異世界人を守っていたって言っていたじゃないですか。あれ、当たってます。……周りは、異世界からこっちに来た人間は、人間ではなく魔物だと言っていました。全員、異世界人は殺すべきだと言っていて……私だけが、反対したんです。いくら異世界から来た人であろうと人間は人間で、殺すなんてできない。周りからしたら、めちゃくちゃ危険な橋だったと思います。いつ暴走して、周りの人間を殺すかもしれない。……でも私はあの子を……人間を殺すことはできません」



 リリーカさんやビリュウさんは、一瞬で殺すべきだと判断した。判断が早かった。多分……俺以上に、人類を守るという覚悟が決まっているから。

 今でも、あの判断は間違っていないと思っている。リーファが周りに迷惑を掛けるなら、俺が身を挺して止める。その覚悟が、あったから。

 あの時のことを思い出してほくそ笑んでいると、俺をジッと見つめていたコメットが立ち上がった。



「やっぱり、あなたはとても強いデス。尊敬しマス」

「そんな、私なんか……」

「本当デス。もしワタシがその現場にいたら……きっと上官命令で、その子を殺していたかもしれまセン」



 コメットが俺に背を向け、軍服から浴衣にフォルムチェンジした。

 温泉に行ってきマス、と言い残し、コメットは客室を出る。

 その後ろ姿を、ただ見つめるしかできなかった。

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