第111話 イチャイチャ in bed
定期連絡を入れて戻って来たコメットと一緒に、女将さんたちが用意してくれた夕飯を食べた。さすが京都の高級旅館。料理まで超一級品で、どれを食べても満足のいくものだった。
特にコメットは、日本のザ・和食に大興奮。見るもの全部を写真に撮り、何杯もご飯もお代わりしていた。さっきまで湯あたりで気絶していた人と同一人物とは思えない。
「はふ~……満足デス」
「本当。贅沢ですねぇ」
飯を食い終え、敷いてくれた布団に寝転ぶ。この布団もとんでもなく気持ちいい。気を抜くと、すぐ寝落ちしそうだ。
「ティナ、明日はどこ行きまショウ?」
「京都にはいろいろと見るところがありますからね。清水寺、金閣、銀閣、祇園、錦市場、映画村……まだまだ日にちもありますから、じっくり見て回りましょうか」
俺も京都については然程詳しくない。せいぜい、みんなが知っている知識や、ネットに載っている情報くらいだ。来るのも今回が初めてだし……いろんな場所を回るの、楽しみだな。
まだ見ぬ京都に思いを馳せているいると、隣の布団に寝ていたコメットが転がり、俺の布団に侵入してきた。
「その間も、ずっとティナと一緒デスネ」
「飽きました?」
「そんなことないデス。ずっと一緒にいたいデス」
じっと俺の目を見つめてくる。
純粋で綺麗な、星を思わせる瞳……吸い込まれそうな感覚になる。
なんとなくコメットの頬を手で包むと、くすぐったそうに身を捩った。
「あなたみたいな可愛い人に好かれるなんて、世界中の男から嫉妬されそうですね」
「ワタシだって同じデス。ティナのファン、世界中にいマス。もし今の関係を見られたら、ぶち殺されそうデス」
「そこまで私に熱狂的な人はいませんよ」
「NO. ワタシが逆の立場だったら、嫉妬で狂っちゃいマス」
怖い怖い怖い。冗談じゃなさそうで怖い。
え、俺殺されないよね。リリーカさんやビリュウさん、そこまで俺に想いを寄せてたりしないよね?
「ティナ、顔が青いデス?」
「だ、大丈夫、大丈夫です……」
いや、今はあの人たちのことを考えるのはやめておこう。いくら心配しても、人の心はわからないんだから。
そっと息を吐いて、目を閉じる。意外と疲れが溜まっているからか、油断すると一気に意識が持っていかれそうになるな。
「ティナ、眠いデスカ?」
「そうですね……疲れてはいないんですけど、なんだか眠気が……」
やっぱり和室やいぐさの匂いに安心するよう、日本人の遺伝子に組み込まれているのだろうか。この部屋にいると、ずーっと安心してしまう。
「明日も京都中を観光しますし、今日はもう寝まショウ。ワタシもお腹いっぱいで、眠くなってきマシタ」
「……そうしましょうか」
体の力を抜き、頭を空っぽにする。この意識の沈み方、あと数分で完全に寝落ちできるな。
眠気に逆らわず、じっと身を任せていると……まだ自分の布団に戻っていないコメットが、もぞもぞと近付いてきた。
「ライス……?」
「……もう少し、近くにいていいデスカ?」
布団の中で、もじもじしながら上目遣いで見てくる。可愛いなぁ。
「ふふ。ええ、いいですよ。おいで、ライス」
腕を広げて、コメットを誘う。彼女は少しキョドりながら、俺の腕に中にすっぽり収まって来た。
俺よりすこし小さく、線が細いから随分と幼く感じる。本当に16歳か? この線の細さ、14歳くらいじゃないか?
「Oh…ティナに抱っこされてマス……今日がワタシの命日デス……」
「大袈裟すぎますよ」
すっぽり収まっているコメットの背中に手を回し、熱や鼓動、息遣いを感じる。俺の胸に顔を埋めて、規則正しく深呼吸をしてきた。
「ライス、くすぐったいですよ」
「Sorry, ティナ。……でもティナの匂い……すごく、落ち着きます。おっぱいもすごく柔らかいデス……」
「やめて恥ずかしいから」
確かに俺の胸はめっちゃ柔らかいですよ。でもそれを人に言われると、言いようのない恥ずかしさがこみ上げてくる。
うぅっ。なんかめちゃくちゃ熱が上がってきた……も、もういいだろう。そろそろ離れてもらおう。
体に回していた手を肩に添えて、引き剥がそうとしたその時……コメットの目に、きらりと光るものが見えた。
「Mom…」
「…………」
Mom…つまり、お母さん、か……。誰がお母さんやねん、とツッコミを入れたいところだけど、こんな淋しそうな涙を見せられたら……引き剥がすなんて、できないよなぁ。
もう一度コメットの背中に腕を回し、寝つきがよくなるよう軽く叩きながら頭も撫でる。
やれやれ……俺も甘いよな。
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