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Episode-149 『しりとり・超清純派女優の場合』


『パンパラパンパ~ン♪ 百合神ミニゲーム♪』


「ん?」

「お?」


 いつも通りの一日。

 あえて違うところを挙げるとすれば、今日は週に一回のコンちゃんの休憩日なので部屋にいるのは私と紗凪ちゃんだけという初期スタイルであるという点。

 そんな中、ちょうど昼食と夕食の中間あたりの時間。私が紅茶でも淹れようかなと考えていたそんなときに、その声――いや音は耳に届いた。


 いつもの百合神様の声とは違う。

 どこか電子音の様な女の子の声。それが唐突に響いたかと思えばメインルームの天井が光り輝き、ゆっくりと箱の様なものと一枚の紙が降下してくる。


「お~、いつものやつですね」


「そうだね」


 その紙の方の認識は私も紗凪ちゃんも同じだったらしい。

 新しい部屋なりミッションなりが追加された時に振ってくるいつもの説明が書かれたあれだ。

 しかし、


「? 今回は…なんや箱がついてますね」


「そうだね。ミニゲームって言ってたよね?」


「ですね。まぁたぶんそれ関係でしょうね」


 箱については見覚えはない。何となくの予想がつく程度だ。

 まぁ、それもあの紙を読めばわかる話なんだろうけどね。


 チラリ、と紗凪ちゃんとアイコンタクトをとる。

 そして


「ほっ」

「よっと」

 

 正に阿吽の呼吸のような感じで、私が紙を紗凪ちゃんが箱をキャッチする。

 …我ながら凄くない? もう声を出さずに紗凪ちゃんと意思の疎通ができるっていう! これもうそこいらのカップルよりも通じ合ってるでしょう!!


 そう内心で自慢する相手がいる訳でもないのに声高々に自慢して、ニヤニヤしながら上機嫌に紙に目を通す。

 予想通りそこには先程電子音の様なアナウンスによって伝えられた『百合神』ミニゲームの概要が書かれていた………のだが、


「これはまたシンプルな…」


 そこに書かれていた内容は拍子抜け…とは違うが、何と言うかとにかく簡素なものだった。

 いや、ミニゲームなんだからこんなものなのかな?


「どんなんです?」


 そこで四角い箱を両手で抱えた紗凪ちゃんがそう聞いてくる。

 …可愛い。なんかこう、これはこれでマスコット的な可愛さがある。

 って、今はそこじゃないそこじゃない! 


「えーっと…じゃあ読むね」


「はいな」


 「ゴホン」、と咳払いを一つして気を取り直す。

 そして、私はその紙に書かれた『百合神ミニゲーム』の内容を紗凪ちゃんに伝えた。


 『百合神ミニゲーム』


 ・初回のミニゲーム題材はしりとり。

 ・ルールは三つ。

  ①:支給した箱の中からボールを一つ取り出してもらう。そこにはテーマが書かれており、そのテーマに従ってしりとりをしてもらう。

  ②:パスは二回のみ有効。一人一回ずつ使っても良いし、一人で二回使っても良い。パスが二回使用された時点でゲーム終了となる。

  ③:ゲーム開始から終了までの全てのやり取りをこちらで独自採点。それに応じた報酬が付与される。


 紙にはこのように概要が記されていた。


「………まぁ、要するに縛りのあるただのしりとりですかね」


「そんな感じだね」

 

 『やり取りを独自採点しそれに応じた報酬』と言う点は若干気になるが、まぁ概ね紗凪ちゃんの言う様な認識で基本的には間違ってはいないだろう。

 まぁ百合神様なりの暇つぶしのレクリエーションの様なものなのかもね。


「これはあれだね。深く考えずに軽い気持ちでやる感じかな」


「そですね。まぁ暇つぶしくらいにはなるやろし」


 どうやら紗凪ちゃんも同じようなことを思ったらしい。

 ふふっ、やっぱり私たちの息はピッタリだね♪

 ぶっちゃけ言って、それが再確認できて上機嫌になれただけでもうすでにこの『百合神ミニゲーム』が行われた価値は私の中ではある。

 ホントありがとうございます、百合神様! ゲーム、一生懸命やらさせてもらいます!!


「じゃあ、引きますね~」


「はいは~い」


「おっ、結構いっぱいボールあるな。う~ん、ほなこれで」


 躊躇なく紗凪ちゃんが箱に手を突っ込み、そして迷いなくボールを一つ取り出す。

 思い切りがいい! かっこいい!


 さぁ、後はそんな紗凪ちゃんとゆったりと気楽にしりとりをするだけ………とその時の私は呑気に思っていた。

 だが一秒後、その認識は崩れ去る。


「えーっと、『お互いの良いところ好きなところ』」


 紗凪ちゃんの読み上げたそんなテーマによって。


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