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Episode-145 『百合神サプライズ・超清純派女優の場合②』


「で、お二方の疑問に簡潔に答えるとですね――って、聞いてます? 虹白様」


「えっ、ああ…ごめんなさい。聞いてます聞いてます」


 っと、いけないいけない。私としたことが紗凪ちゃんというものがありながら『ものぐさ合法ロリ巨乳』というパワーワードに衝撃を受けてしまって少しポカンとしてしまった。

 まずはこちらに集中せねば。そう軽く弁解して、手で「続きをどうぞ」とジェスチャーを百合丘さんに送る。


「では改めましてですが、実はこの『ショッピングルーム』は二部屋で共通という仕様になっているのです」


「…まぁ、そうなんでしょうね」


 百合丘さんの簡潔過ぎる説明に頬を軽くかきながら七生さんが感想を漏らす。

 私としても同じ気持ちだ。複数の部屋での共有空間であるのは彼女と会った時点で察しがついていた。その複数が何人かという答え合わせを百合丘さんが今してくれたという訳だ。

 それにしても二部屋で共有か、流石に全員が同じ『ショッピングルーム』というのは多すぎるからないとは思っていたけど、共有人数はもうちょっと多いと予想していたんだけどね。


「理由はこちらも単純明快。ユーモアあふれる我が創造主の遊び心という訳です♪」


「ふふっ、納得の理由ですね」


「? ならなんで最初に説明しなかったんですか?」


 私はそれでアッサリと納得したが、七生さんの方はそうもいかなかったようでそう百合丘さんに問いかける。

 すると彼女は「ははっ」と愉快そうに笑い、


「だから言ったじゃないですか、遊び心だと。ゲームの隠し要素の様なものです。気付けるかどうかも当人同士次第、気づけば新たな交流が生まれるし仮に一年間気付けなくてもマイナスはない。ね、ユーモア満載の遊び心でしょう」

 

 そう答えた。

 楽しげだが、真面目な答え。要は合理的な理由ではなく、彼女の言う様なあくまで遊び心が生んだおまけ要素といったところなのだろう。

 私的にはありですね。面白いですし。


「…なるほど、了解した」


 その追加の説明でとりあえず納得はしたのか、そこで七生さんは質問を止めた。

 それでもなんというかいまいちピンときていないような感じだ。だっきまでの会話でなんとなくわかってはいたけれど結構真面目な人だね、七生さん。お姉さんとは本当にキャラが違うな~。


「とは言っても、初日にこの仕掛けに気付かれるとは全く予想していませんでしたよ。偶然『ショッピングルーム』内において同じ時間同じ場所で遭遇し、その上で相手が周囲に多数存在するほぼ人間と見分けのつかないエキストラではなく同じ人間であると気付く必要がありますからね。正直、ほとんどの人達がこの仕掛けに気付かないままに一年を終えると思いますよ」


 そこでどこか感心した様に百合丘さんがそう言った。

 

「それはそうでしょうね。そもそも私が気づけたのは相手があのテレビで見る有名な虹白夜さんだったからですしね」


「あぁ、それは確かに。虹白様は有名人ですしね」


「えへへ~…」


 美人二人から有名有名と言われると地味に照れてしまう。

 …まぁ、ぶっちゃけそこそこ有名な自覚はありますけどね。アイアム有名人。


「ですが気づくためのヒントはあったとはいえど、実際に邂逅したのは本当に偶然ですからね。持ってると思いますよ、お二方とも。…特に青葉様なんて特にですけれど」


「? 私が?」

「…?」


「ええ。ま、その意味はすぐに解りますよ」


 そう意味深なことを言って小さく笑うと、ゆっくりと百合丘さんは椅子から立ち上がった。

 

「あっ、そうだ。これは別に貴女方には必要はないと思うのですが、互いの存在に気づいて仮にその相手が嫌だった場合は未だ気づいてない他の組と『ショッピングルーム』共有の相手を交換することも可能です」


「へぇ~、しっかりしてますね。といってもうちは別に大丈夫…ですよね?」


「そうですね。交換の必要はないと思います」


 少し不安になりながらの問いだったが、当然の様な七生さんの返答に少しだけ胸を撫で下ろす。

 いやぁ~、せっかくこうして縁が繋がったわけだしね。これで『交換しましょう』とか言われたら流石に傷ついてしまうところでした。

 「りょうかいです♪」、百合丘さんは私達のその答えにニッと笑うと、


「では、今度こそ今日のところは失礼します。そしてまたのお越しをお待ちしております。百合ゆりぴょ~ん♪」


 そう今日だけでもう複数回聞いたその独特過ぎる転移の呪文と共に姿を消したのだった。

 そしてその姿を見送り、


「…なんというか、改めて変な場所ですよね。ここって」


「そうですね、――でも変ですけど、私はすんごく気に入ってたりもするんですよね。面白いし楽しいし」


「逞しいですね、虹白さんって」


「そうですか?」


「そうです。少なくとも少しテレビで見てたイメージとは違う方だなって今は思っていますね」


 そんな会話をしながら、私達もそれぞれの帰路へと戻っていった。

 私たちがお互いの相方、お互いの日々の過ごし方、お互いの相方との関係性。そんなことを知るのはもう少しだけ後のお話。


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