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café「R」〜料理とワインと、ちょっぴり恋愛!?〜  作者: 木村色吹 @yolu
第2章 café「R」〜カフェから巡る四季〜

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《第87話》Happy Halloween の日 #仕込み編

 アラームが朝7時を知らせる。

 今日の朝もやはり寒い。

 莉子は毛布を引きずりながらリビングまで移動すると、白湯を作りゆっくりと飲み込んだ。


 今日はハロウィンの日だ!

 この日のための料理の仕込み、さらに段取りは頭の中で整理してある。はず。


 飲み終わったと同時に席を立ち、いつもの仕事着に着替えると食品庫へと向かっていく。

 昨日の残りの固いパンをかじりながら、食材のピックアップを始めた。


 本日のメニューは、

・定番 パンプキンスープ

・野菜たっぷり豆サラダ

・ゾンビピザ

・ゾンビラザニア

・血みどろ唐揚げ

・おばけカナッペ

・針山フライドポテト

・脳みそカップケーキ


 ドリンクメニューは、

・サングリア

・ハウスワイン赤・白

・ウィスキー

・ビール(瓶)

・オレンジジュース

・ジンジャーエール(瓶)

・コーラ(瓶)


 となっている。


 飲み物はギリギリで間に合うので、今すべきことはピザの準備である。

 強力粉を準備し、ドライイースト、砂糖、ぬるま湯、オリーブオイルを入れてこねていき、生地が柔らかくまとまったら発酵させておく。ピザソースは在庫のミートソースで代用することにする。


 ちなみにゾンビと名のつくものは、肌色じみたウィンナーに切り込みを入れ、爪と関節に似せた部位をつくり差し込むという、簡単だが意外とグロい仕上がりなるトッピングである。


 二つのメニューで使うウィンナーの切り込みも終わり、ラザニアのホワイトソース、ミートソースも問題ない。

 次にとりかかるのはパンプキンスープにしようか。

 そう思い、カボチャを丸ごと用意してみるが、

「何人分作るのが正解なんでしょうか……」

 言いながらも親の仇のように皮をそぎ落とし、小さめに切り刻んでいく。それを電子レンジにかけ、柔らかくしている間、玉ねぎのみじん切りをバターで炒め、透き通ったところでミキサーにかける。

 カボチャも同じくミキサーにかけ、それらをコンソメと牛乳と一緒に鍋にいれて温めれば完成。

 手がかかるようだが意外と簡単。これはまた直前で温めればいいので、放置。

 唐揚げはいつも通りに下味をつけておく。揚げおわったあとに、ケチャップソースを血液のように撒き散らせば完成だ。

 おばけカナッペは、おばけの顔にくりぬいたチーズや海苔で絵を描けばいいので、パーツだけつくっておこう。


 ……とやってみると、意外とカナッペのパーツに時間がかかってしまった。

 もうお昼を過ぎているではないか。


「一旦休憩しよ」

 あと作るものとすると、脳みそカップケーキぐらいだろうか。

 カップケーキは市販で代用。

 その上にピンクのクリームで脳みそのようにウニウニっとクリームを絞り出せば完成である。


「意外と時間かかるなぁ……

 自分の衣装着替えるのもあるから、20時頃に完成目標にしておいて、

 あったかい系はオーブンにぶち込んでおこう」


 言いながらアラームをセットし、タイミングよく動けるように準備を整えていく。

 何事も初めてのものは時間がかかるものだ。

 手際よく動こうとも、どれかに時間が取られるもの。


「今日はどれぐらいのお客さんがくるかなぁ。

 余ったら明日のメニューに切り替えればいいから、足りないものがないようにしないと」


 再度確認をしながら、作業を進めていく。

 だが莉子の頬は緩みっぱなしだ。


 なぜなら昨日の連藤の格好を思い出していたからだ。


「……素敵すぎるわ…」

 目の保養以外の何物でもないようだ。



 莉子のモチベーションはどこまで持つのか!?

 次回、パーティ編!!

 ハロウィンの夜は、何かが起こるぞ!!!!


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