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café「R」〜料理とワインと、ちょっぴり恋愛!?〜  作者: 木村色吹 @yolu
第2章 café「R」〜カフェから巡る四季〜

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《第84話》薄曇りの日はメキシカン! 中編

 いつも食材は発注して届いているものだが、今日は定休日でありさらに発注もしていないため、近場のスーパーまで歩いていくことになる。

 ブーツに足を通しながら、久しぶりの買い物だ、なんて思いながらドアを開いた。


 風は少し冷えている。

 マフラーを巻いておいてよかった。

 このカフェから300mは並木道が続くため、赤や黄色の葉っぱが地面にところどころ積もり、それを眺めながらもう秋なんだな。莉子は思うが、そう気分は悪くはない。

 これから冬になるのは間違いないのだが、それでもこの秋という季節は嫌いになれない。

 なぜだろう?

 

 ……やっぱりご飯がおいしいからかな。


 スーパーの安売りのノボリを眺めながら、カゴを取り上げ、踏み込んだ。


 莉子はすぐにカバンを漁った。携帯のメモに買うものをリストアップしてあるからだ。


「……ないっ」


 大きめのトートバックの中には何もない。

 薄い携帯が見当たらないのだ。


 やっちまった。


 そう口の中で濁し思い出したのは、ブーツを履くときに靴箱の上に携帯をおき、その隣においてあった鍵を取り上げ扉を開けた光景だ。


 携帯と鍵を2つ持って出なかったのである。

 今頃携帯は靴箱の上で、ひとりブルブル震えているはずだ。


「……はぁ」


 そう思いながらも、作る順序はイメージをしたきたのでレシピもほぼ暗記できているハズ、…だ。

 このおぼろな記憶のとおりにピックアップしていこう。


 まずはトルティーヤを作る。小麦粉でできるため、小麦粉はあるから…ふくらし粉を買わなきゃ。

 まず、ここで1回目の挫折である。

 ベーキングパウダーとイースト菌がある。

 どちらも膨らませることに違いはないが、全く覚えていない。

 逆に膨らみ方を調べてみたらと思うが、検索をしたくても携帯がそばにないのだから、それすらできない。


「……携帯って結構すごいんだなぁ」


 ベーキングパウダーとイースト菌を見比べながら、どちらだっただろうかと悩んでみるが、確か時間をおいて発酵させるレシピだったはずだから……


「イースト菌にしてみよ」


 カゴに一つ放り込んだ。

 あとはチリコンカン。チリコンカンはトマト缶と豆缶を使った料理だ。缶詰類は在庫にあったので、あとはチリパウダーと合い挽き肉を買えば大丈夫。

 ナチョスはとうもろこしでできたチップスとアボカド、サルサソース用にトマトとピーマン、あと玉ねぎと酸味づけにレモン、アボカドとマジックソルトは在庫にあったので、チップスにトマトとピーマン、赤玉ねぎとレモンを1個買えば問題ない。ナチョス用のピザ用チーズもカゴに入れたので、これでどうにかなりそうだ。




 よいしょと玄関を開け、やはり思った通り靴箱の上に携帯が乗っている。

 ポケットに携帯を入れ、2階に上がっていく。

 材料をおき、在庫の食材も2階へ上げると、さっそくトルティーヤ作成にかかる。


 が、ここで衝撃の事実が!!!!


「ベーキングパウダーだと…!?」


 見ていたレシピはベーキングパウダーだったのだ。

 一瞬頭を抱えてみるが、グーグル先生に聞いてみるとどちらも膨らむとのことなので、開き直って入れてみる。今回イースト菌になるので、なんとなく菌のエサになりそうな砂糖と塩が入るレシピにし、さらにオリーブオイルと水を追加してまぜまぜとこねていく。艶が出るまでこねると書いてあるので、ひたすら力一杯混ぜていく。一つにまとまりしっとりと艶が出てきたので、これでいいかとラップに包んで常温に。30分は放置というので、様子を見てみることにする。


 次に取り掛かるのはナチョス用のサルサソースだ。

 トマトを粗みじんにし、赤玉ねぎもみじん切り、ピーマンもみじん切りにし、軽く混ぜて、すりおろしニンニクとレモン汁、マジックソルトと胡椒を加え、さらにタバスコを振り掛ければ完成!

 一口味見をし、もう少しだけタバスコを足して、容器に移すと冷蔵庫へとしまっておく。


 あとはチリコンカンである。

 オリーブオイルを熱した鍋にニンニクを加え、香りがでてきたところで玉ねぎを炒め、透き通ったところで合い挽き肉を加えて水分がでなくなってきたら火を止め、小麦粉を加えてしっかりと混ぜたあと、水を加えて再び火にかけていく。

 ここにカットトマト缶、豆缶、ケチャップに醤油、中濃ソース、みりん、コンソメ、チリパウダー、クミンパウダー、乾燥バジル、黒胡椒、カレー粉を加えてさらに煮詰めていく。

 だいたい30分くらい煮詰めなければならないので、これも弱火で放置。


 この時点で14時。

 まだまだ時間があるため、クッキーとコーヒーで一服である。


次はちょっと料理して食べるよ!

食べなくてごめんね……

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