表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
café「R」〜料理とワインと、ちょっぴり恋愛!?〜  作者: 木村色吹 @yolu
第3章 café「R」〜カフェから巡る四季 2巡目〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

162/218

《第161話》莉子の定休日

 冷え込んだ朝だが、今日は定休日だ。

 莉子はもぞもぞと布団からはいでると、素早い動きで電気ケトルに水を注ぎ、スイッチを入れ、再び布団の中へ。


「お湯が沸けるまでぇ……」


 体を温めなおしていると、スマホが震える。

 見れば連藤からだ。


「朝からなんでしょう……」


『おはよう。今日は午後から休みをとった。14時にはうかがう』


「……え? 夕方からって言ってたじゃん……」


 莉子ののんびり片付け予定が、ガラガラと崩れた瞬間だ。

 夕方から来てくれ、とは言いづらい……


「嬉しいけど、なんか、うぉぉぉおっ!」


 莉子は無理やり体を起こし、手早く着替え、顔を洗う。

 もうお湯が沸いているので、それでコーヒーを入れ、口をつけてから返信だ。


『今日は早めに鍋でも食べましょう』


 送れたのを確認し、莉子は立ち上がる。


「……よし、片付けるぞ……」


 床掃除からトイレにお風呂、洗濯をこなせば、もう11時……


「時間経つの、はや……」


 莉子はもう一度コーヒーをいれると、片付いた部屋のソファに腰を下ろす。


「まだ、時間あるから、どうしようかな……」


 適当な映画をつけると、お湯をわかしはじめた。


「今日のお昼は、カップ麺でいいや」


 このたまに食べるカップ麺のうまさ、わかるだろうか。

 ただのシーフードヌードルなのだが、うまい。


 このジャンク感が、うまい……!


 たまたま再生を押したのは、『がっこうぐらし』という映画だ。

 元は漫画でアニメ化もしているという。

 それの実写版があるのだ。


「ネットではキャベツが作画崩壊って見たから、それを楽しみにしようかなぁ……」


 ちゅるりとすする。


 意外と男先輩の演技がいい。

 一番演技がうまいっ──!


「……はやく、ゾンビ出てこないかなぁ……」


 回想シーンからの、ゾンビ演出に、ほほぉと思いながら、キャベツは普通のキャベツにちょっと残念になり……

 そうして見てる間に───


 ピンポンっ!


「うぎゃぁ!!!!!」


 階段を駆け上がってくる音が聞こえる。


「……莉子さん、どうかしたか! 今、悲鳴みたいな……」


「いや、なんでも……なんでもないです……なんでもないです……!」


 すばやくテレビは消したものの、ゾンビ映画を見ていたからだとは、ちょっと言いにくい。


「あー……連藤さん、コーヒーでもいれましょうか……」

「……ああ、うん…」


 腑に落ちていない連藤と、まだ心臓の鼓動が激しい莉子の、ふたりの時間が、これから始まる───!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ