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café「R」〜料理とワインと、ちょっぴり恋愛!?〜  作者: 木村色吹 @yolu
第3章 café「R」〜カフェから巡る四季 2巡目〜

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《第156話》今日は貸切! 2

 熱々の唐揚げを頬張り、莉子はおいしい顔を作る。


「自分で作ってなんだけど、今日のも衣さっくさくで美味しい!」


 連藤はポン酢と大根おろしで唐揚げを食べるが、美味しそうに頬張る莉子の音を聞き、小さく首を振った。


「あれだけ揚げ物をしていて、食べられるってよっぽどだな……」


「連藤さん、そんな顔しないでくださいよ。実は私、揚げ物が好きなんです」


 意外そうな顔をしたのは巧と瑞樹だ。


「莉子さんって野菜しか食べないイメージ」


 巧の言葉に連藤が大きく首を振った。


「違うぞ。莉子さんは肉食だ。野菜より、肉を食べるぞ。それほど健康に気を使わないから、いつも注意しなきゃいけない」


 4個目の唐揚げに手を伸ばした莉子だが、パチリと連藤に叩かれる。


「今日ぐらい、いいじゃないですか」

「もう少しサラダを食べてから」

「……やだ」

「やだじゃない」

「口のなかいっぱい唐揚げにしたい……」

「野菜食べてから!」


 しぶしぶと野菜を食みだした莉子だが、不服そうだ。

 新しいビールを開けながら、三井は笑う。


「連藤は、母ちゃんポジだよな」


 それに巧と瑞樹は納得だ。


「うん。こうるさいもんね」

「わかるわー。ほんと、そうだよな」


 連藤はふたりを睨むが何処吹く風だ。


「そうだ、莉子、明後日の祝日、そこの河原でバーベキューやんだわ。お前も来るだろ?」


 さも当たり前のように三井はいうが、明後日とは急な話だ。


「いきなりですね、それ」


 不審がる莉子に、三井は「やっぱダメか」とつぶやいた。

 連藤が莉子に向かい合うと、


「莉子さん、大変申し訳ないんだが、そのバーベキューにはどうしても出て欲しい」


 連藤が頭を小さく下げる。


「……どういうことですか……?」


 4人はお互いに肩をすくませながら、ため息をつく。


「実は、連藤、とある令嬢に見初められてさ……」


 三井はビールをあおぎ。

 連藤はじっと膝を。

 巧は明後日の方を。

 瑞樹は笑顔で唐揚げを頬張っている。



 どうも、連藤と巧に問題がありそうだ───



 莉子はそう読み取ると、改めて唐揚げを頬張り直した。

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