前へ目次 次へ 2/11 器 玻璃の中に集いさんざめく。 美しさの追及は、罪だろうか。 罪の申し子たちが泳いでいる、水の中。 突然変異から生まれて作られた。 美しくあれ。 美しくあれ。 狂気の沙汰かもしれない。 私は眠る。 私は呼びかける。貴方に。 いろはにほへとちりぬるを わかよたれそつねならむ うゐのおくやまけふこえて あさきゆめみしゑいもせす 花は咲く。散る為に。 魚は咲く。散る為に。 無音で美麗を軽やかに誇り、やがて。 器に張られた水に、いつか動かなくなる魚。 涙する人はいるだろうか。 涙する人でありたい。 いつかは私も沈むのだから。 魚のように浮きもせず。 けれどその時は、貴方の瞳で見つめられていたい。