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学校では地味な陰キャとバカにされている俺は実はボディーガード 〜地味に生きたいのに、以前助けた有名人の幼馴染が離してくれない〜  作者: 木嶋隆太


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第59話

『そうなんですよぉ、ストーカーの件は通りがかった人に助けてもらって、何とかなったんですよぉ』

『それは本当に良かったね! ……でも、ストーカーかぁ……私も一度だけされたことあるけど、あれは本当に怖いからね……みんなも、気を付けようね?』


 アンナがそういうと、友梨佳が声をあげた。


『アンナが言っているように、みんなもストーカーするときはバレないように気を付けよう』

『違うよ友梨佳ちゃん! しちゃだめなの!』


 わはは、と笑い声が聞こえてくる。スタッフの人たちの声だろう。


『そうですよまったく! される側は本当に怖いんですからね!』

『ごめんごめん』


 友梨佳がそういってから、三人の笑い声が響いた。

 ラジオを聞いていると、三人はそこそこ仲良いのがわかる。

 ……いや、友梨佳と美月は案外裏で喧嘩しているのかもしれないが、アンナがそこに加わることでいい感じの空気になっている。


「二人はアンナとは仲良いのか?」

「仲良いと思いますね、ね、友梨佳さん」

「うん、アンナは結構アニメのコスプレとかもするから、それでいくつか仕事場が同じときとかあったし。……ていうか、うちのマネージャーがコスプレ好きでよく一緒にやっている」

「あっ、私のマネージャーもそうですよ」


 そういや、二人のマネージャーはコスプレ大好きだったな……。


 ラジオはスムーズに進んでいく。

 今アンナ一押しのアニメが、ちょうど友梨佳と美月が出演している作品だそうで、今日のゲストとして呼んだそうだ。

 アニメのシーンを再現するような簡単なアフレコだったり、ちょっとふざけた笑い話や裏話などがメインで進んでいく。


 アニメを一応見ている俺としては、中々楽しめるものだな。


『それでは、二人にこの質問しちゃおうかな? ずばり、好きな異性のタイプについてぇ! わー、ぱちぱちー! って私一人で盛り上がってるぅ! 二人も盛り上げてぇ!』

『そろそろ帰る時間』

『そうですね! それではまたー』

『まってぇ……っ! 行かないでぇ!』


 友梨佳と美月の笑い声が遠くに聞こえるので、この二人本気で帰ろうとしたのかもしれない。


「……アンナが可愛そうだな」

「私たちを捌けるのはアンナと雄一くらい」

「そうですね……貴重な人材です」

「……」


 ……やめてあげてね。

 俺はアンナに同情してしまった。直接会って二人が迷惑をかけてすんません、と謝罪したいくらいだった。


『お、お二人は、アニメの中では主人公を取り合うヒロインの一人として演じていますが、ずばりそんな二人がリアルでは好きな異性を奪い合うようなことがあるのかどうかを知るため、好みの異性について聞いていきたいと思ってます!』

『それじゃあまずはアンナから』


 まさかの友梨佳のパスである。


『うえぇ!? 私!? 私はいいよぉ! 二人のことみんな気になっているはずだよぉ!』

『え? そんなことないんじゃないですか? 絶対、アンナさんのことも皆気になっているはずですよ』

『うん、きっとそう。それに、私たちはゲスト。あくまでメインの人を参考にして話を進めたい』


 友梨佳と美月がずいずいと話を進める。

 アンナは……恐らく困り果てた末に答えたのだろう。絞り出すような声が聞こえた。


『わ、私は……その、は、白馬に乗っているような人……かな?』

『はい』

『次行きましょうか』

『な、何その反応はぁ! 二人とも酷いよぉ!』


 アンナの悲鳴が聞こえ、けらけらという笑い声が聞こえる。


「ちなみに、このラジオが人気なのは、アンナがこうやっていじめられるところだから」

「私たちは別に、好きでいじめているわけではありませんから……勘違いしないでくださいね」

「いや、絶対ノリノリだろおまえら」


 二人は誇らしげにスマホの画面を見せてきた。そこには、このラジオに関してのコメントが書かれていた。


『今日もアンナたんがゲストにからかわれて可愛い!』

『今日は伝説の二人! アンナたん弄りに定評のある友梨佳さんと美月ちゃんペア!』

『アンナたんの泣き顔を想像して楽しんでいます!』


 ……コメント欄はそんな感じの感想で埋め尽くされていた。

 アンナはいじられキャラってのは本当らしいな。


『それで? 好きな異性のタイプ?』

『うん、そうだよ? どんな感じの人が好きなの?』

『……うーん』


 友梨佳が考えるようなそぶりの後、口を開いた。

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