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学校では地味な陰キャとバカにされている俺は実はボディーガード 〜地味に生きたいのに、以前助けた有名人の幼馴染が離してくれない〜  作者: 木嶋隆太


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第35話


 美月と一度ドリンクバーをとりに向かう。

 それから席について、再び話始めた。


「でも、やっぱりセンパイと一緒の学校に行きたかったです。色々な行事に参加したいですね。文化祭とか体育祭とか……一緒にごはんとか食べたかったです」

「別にそれはあれだ。今みたいなくらいでいいんじゃないか?」

「またちょっと違うじゃないですか」


 ……まあ、確かに美月の言いたいことはわかるな。


「そういえば、友梨佳とはどうなんだ? 確か、アニメ関係で結構一緒になること多くなかったか?」


 今度のアニメのオープニングを友梨佳が歌うそうだ。

 そのアニメのメインヒロインが、美月だったはずだ。


「……デート中に他の女の名前を出すとは、いい度胸ですねセンパイ」

「デートだったのかこれ?」

「……そ、そうですよ。……むぅ、まったく意識してくれなかったんですね」

「普通に友人同士で放課後に食事に来た程度だと思っていたんだがな」

「……むぅ」


 美月は頬を膨らましたあと、席を移動して俺の隣に並んだ。

 それでぎゅっと腕をつかんできた。


「ど、どうですか? 少し意識してくれましたか?」

「おまえ、無理するなって。顔真っ赤だぞ」

「ま、真っ赤じゃないです……」


 とはいえ、しばらくくっついていると美月は顔を真っ赤にして元の席に戻った。


「くっ……どうして友梨佳さんはあんなに当たり前のようにセンパイにくっつけるんですかね……羞恥心を持っていないんですかね」

「あいつも羞恥心は感じている……みたいなことは言っていたぞ?」

「そ、そうなんですね。でも、だいたいいつも平然としていますよね」

「まあな……そういうものなんだろう」


 俺がいうと美月はがくりと肩を落とした。


「それで、友梨佳さんとの仕事ですか?」

「ああ、どうなんだ?」

「そうですね。確かに最近は一緒になることが多いですが……そういえば、センパイ『天使の子』って知っていますか?」

「学校でも……話題になっていたな」

「あれの主題歌を歌っているのが、友梨佳さんなんですよ」

「……あれ? そうだったのか?」


 ……俺は特に興味なかったから見てないんだよな。


「まったくもう。それで私と友梨佳さんで一緒に宣伝のために会うことがありましたね。そのときのインタビューで幼馴染ということについても触れましたね」

「……そうなんだな。仕事のときはうまくいっているのか?」

「……そうですね。一緒に仕事をすると、友梨佳さんの凄さを見せつけられるので、中々大変なんですけどね」

「なんだ、友梨佳にライバル意識を持っているのか?」

「ライバル意識はずっと持っています。私と友梨佳さんは友であり、ライバルですからね」

「っていっても、歌手と声優だとまた色々違うだろ?」

「そっちはどうでもいいです」

「どうでもはよくないだろ……」

「私と友梨佳さんは、センパイを取り合っているんです……。そっちで負けたくないんです」

「……」


 真っ赤な顔でそう宣言する彼女に、俺は頬をかくしかなかった。


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