鉄血女帝アナスタシア 第二十二話
大日本帝国宇宙軍 第二巻 絶賛発売中!
イラストはもちろん湖川友謙先生です!
帯のコメントは湖川先生と紫電改三四三などを執筆されております須本壮一先生の御両名から頂きました。
ご購入頂けると嬉しいです!
ルスランの疑問も当然ね。未来に起こることを知っているってだけだと、良く当たる占い師と大差ないわ。私が「蒼龍はすごいのよ!」って言っても何が出来るのかわからないわよね。
「蒼龍の持っている科学技術は、人類を100万回滅ぼすことが出来るわ。この地球ですら粉々に破壊することができるの」
「えっ?人類を滅ぼす・・・?地球を破壊?」
「そう、使い方によってはね。そして、良い方向に使ったら食料生産を数年で10倍に増やして人類から永遠に飢餓を無くすことが出来るの」
「数年で食料が10倍・・・・・」
「そうよ。そしてあらゆる病気を治すことの出来る薬を作ってみんな90歳から100歳以上生きることが出来るようになるわ。人間は老衰か突然の事故以外で死ぬようなことは無くなるの」
「そんなことが・・」
「遺伝子・・・人間を作るための設計図を書き換えて、霊的に進化した新人類も蒼龍なら作ることができるのよ。それに、人間の役に立つ新しい動物や植物も作り出すわ」
「新しい“種”を・・・・」
「そして宇宙船を作って月どころか、光りの速度で何万年もかかる宇宙の果てまで行くことが出来るようになるの。そして地球のような別の星を見つけて、そこに移民も始まるわ。どう?蒼龍はすごいでしょ?」
ルスランは私と蒼龍を交互に見ながら信じられないというような顔をしている。まあ、そんな反応になっちゃうわね。
「そんな事が本当に?姫様、それが本当ならそれは“神”以外の何者でもないと思いますが・・・」
ん?冷静に反芻してみると確かにそうね。地球を破壊したり新しい“種”を生み出したり、新しい星を見つけて人類に与えることができるって、まさに“創世記”の“神”そのものだわ。高度に発達した科学は魔法と区別が付かないってやつね。
「あらルスラン、私の言うことを疑うの?」
「アナスタシア、俺の2032年までの人生ではそこまでは出来てなかったよ。それってアナスタシアの前世の事だろ?」
「でも、これからの90年でそれを成し遂げるわ。それに、天使リリエルと融合してるから転生したときの32歳で老化も止まっちゃうしね」
「えっ?姫様、今、何と?天使様と融合?」
「あ、これって言っても良かったのかしら?まあ良いわよね。蒼龍には天使リリエルの魂が宿ってるのよ。それで次に来るアルマゲドンで悪魔に勝つためにリリエルさんと一緒に頑張ってるのよね」
「天使様の魂が・・・・」
ルスランは慌てて蒼龍に向かって片膝をついた。そして頭を垂れる。
「聖人蒼龍様。数々のご無礼ご容赦ください。神が人類のために使わされた使徒様であったとはつゆ知らず」
あー、そういえば蒼龍がリリエルさんと融合しているって公開してから聖人認定する宗派が出てきたんだっけ。1900年代初頭の人間ならなおさらそう思っちゃうわよね。でもね、蒼龍の中身は普通のおっさんなのよ。
「ルスラン、そんな事しなくてもいいわよ。蒼龍は人類の科学技術を進歩させて神にも等しい力を手に入れることを目指してるの。そして人類をもっと幸福にするのよ。ね、蒼龍」
「そうですよ。俺はそのうち神様に失業してもらおうと思ってます。人間がちょっと堕落したからって大洪水や硫黄の炎で国ごと滅ぼしたりするのは自分勝手だと思うんですよね。それに、俺が知ってる歴史では1900年からの数十年だけで2億人以上が戦争や飢饉で死んでるんですよ。これを放置するのって職務放棄じゃないですか?もし意図してやってるんだったらとんだサイコパスですよ。だから神様には失業してもらって、余生をどこか静かなところで過ごしてもらうんですよ」
ぷぷ、相変わらず蒼龍のイヤミは面白いわね。まあでもこういう考え方って敬虔なキリスト教徒には受け入れられないのよね。
「そうですね・・・。蒼龍様の時間軸では姫様やご家族は無残に殺されているんですよね。神はそれをお救いにはならなかった・・・・」
あ、真に受けちゃった。こういう所はホントくそ真面目ね。大好きよ。
「あ、ルスラン、そんな深刻に受け止めなくて良いわよ。神様はね、人間が自らの力で成長することを望まれてるの。人間が未成熟だったからロシアで革命が起きたし何千万人も死んでしまったわ。でもね、神様は私たちを信じて温かく見守ってくれてるんだから、だから私たちの出来ることをしましょう。まずは第一次大戦とロシア革命の阻止よ!」
「はい!姫様!」




