ミルクティー
外はいつの間にか真っ暗になっていた。
車はみんなライトをつけている。
なぜ、晴人がここにいるんだよ。
あんなとこ聞かれたら晴人はなんて思うのだろうか。
修羅場見せられて、好きなままでいてくれる人がいるのだろうか。
絶対嫌われた。というか呆れられた。
「柚、帰ろっか」
晴人がわたしの手を握る。
「荷物取ってくるね」
荷物を取りにアパートに入る。
「はぁ」
一つのため息をつく。
「お待たせ」
「全然」
車の中は2人とも無言だった。
ぽつぽつぽつ。フロントガラスに雨粒が落ちる。
雨が降ってきた。
すぐに土砂降りになった。真っ暗闇の中に降る雨。
空も泣いている。
雷も鳴っている。怒っているのか。悲しんでいるのか。
「着いた」
晴人のマンションの駐車場は屋根付きだから、濡れずに部屋に行くことができた。
「おかえり。柚」
「ただいま」
「ミルクティーでも飲む?」
「飲みたい」
「りょーかい!」
晴人がミルクティーを作ってくれた。
「美味しい」
「それは良かった。ま、お湯注いだだけなんだけどな」
「さっきのことなんだけどさ、変なとこ見せちゃってごめんね。あの人ね、原田の女なんだって。私のこと憎くてわざわざアパートに来たみたい」
「やっぱそうか。なんか嫌なもの感じたんだよね。帰るってメッセージきてから、全然帰ってこないから、心配になって来たんだ」
今の時間は夜の8時。
夜はまだまだ始まったばかりだ。
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