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生きてる価値を探す日々  作者: 湯川田 美央
佐々木柚の過去
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ミルメーク

 こんなこともあった。


階段を歩いていたとき、上から何か降ってきた。


なんだろ。


よく見ると粉だった。


「あ、ごめーん。佐々木さん。当たっちゃった?」


階段の上から声がする。見ると、一軍のやつらだ。


手にはミルメーク。


「今日さー、給食で残しちゃったからさー。」


なんで、給食で残したミルメークを階段からまく必要があるのだろう。


いやがらせ。


わたしはそんなやつらの言葉を無視して、階段を登った。


「ごめんごめん。怒っちゃったー?」


ミルメークを上からまかれて、怒らないやつはいんだろうか。




教室に帰ると、私の机がなくなってた。


いや、あった。倒れていた。


誰かによって、私の机が倒され、中の教科書やノートが散らばっていた。


辺り一面に。


明らかに誰かがわざとやったのだ。


「佐々木さん、かわいそー。」


可哀想と言ってるわりには、誰も拾ってくれない。


仕方ない。1人で拾うか。


みんなが、冷ややかな目で見てる中、拾った。


そして、机を直した。


机を直すとき、隣の人が机を離した。


そんなに離さなくても、くっつけないから安心してくださいと思った。


わたしは、10センチくらい離しておいた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 「わたしは、10センチくらい離しておいた。」という最後の一文がとても心に刺さりました。それまで少しはあったクラスメイトへの期待や希望が、自分から距離を離すことで完全に失われたように思えて切…
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