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【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!  作者: O.T.I
後日談3 学園祭狂詩曲〈ラプソディー〉

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モンスター・メイズ(3)



 最初のダンジョンエリアを危なげなく突破した一行。

 続く第二のエリアは、鬱蒼と木々が生い茂る森林地帯であった。

 ダンジョンエリアですら、そこが教室の中であるとは到底思えないようなものだったが、それすらまだ序の口だったと思わせるほどの異様な光景である。


 しばし呆然と立ちすくんでいた一行だったが、何とか気を取り直す。

 しかし、ふとカティアは疑問を感じ、フローラに問う。




「たぶん、『緑の支配者(プラント・マスター)』の力を使ったんだろうけど……ねえフローラさん?これ、学園祭が終わったあとどうするの?後片付けとか」


「…………はて?どうするんですかね?」


「「「…………おい」」」


 カティアの質問にフローラはしばらく考え込んでから明後日の方を見て答えると、一斉にツッコミが入る。



「まあ、メリエルちゃんとリーゼ先生が何とかするんだろうけど……」


「どうかな?あの二人だと後先考えてない可能性も……」


「「う〜ん……」」


 きっと何か考えてるだろうという信頼と、しかし暴走したら止まらないという不安。

 相反する思いで唸り声を上げるカティアとレティシアである。



「すみません、私たちは途中から色々と感覚がマヒしてしまって……もはや後戻りはできませんでした。ガエルさんがいたら途中で止めていたかもしれませんね……」


「ガエルくんはメリエルちゃんのストッパーだったのか……」


 寡黙で真面目なガエルは、今ごろは主人であるエフィメラやシェラたちと共にグラナで頑張っているだろうか?

 そんな事がカティアの頭の中を過ったが、取り敢えず時間も限られるので、彼女は攻略に集中するため切り替えることにした。



「とにかく、先に進んでみようと思うんだけど……あそこに向かえば良いのかな?あれってウィラーの王樹がモデルっぽいね」


 その場からでも、取り分け目立って見える巨大な樹を指さしながら、カティアはフローラに聞く。

 流石にウィラー聖域の王樹とは比べものにはならないが、それを連想させる光景ではあった。



「はい、あそこに第三エリアに通じる道があります」


「うん。じゃあ行こうか」




 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆




 森林地帯は隠れる場所も多く、現れる魔物も少し強くなって第一エリアよりも難易度は上がったようだが……カティアたちの快進撃は続く。



「ここも何とかなりそうかな?」


「ああ。しかし剣が軽すぎてなかなか慣れないな」


 カイトが普段手にしている聖剣は、彼にとって程々の重量感で良く手に馴染んでいる。

 今持ってる模擬剣では軽すぎて戦い難いのはカティアも同じだ。



「私はこれくらいじゃないと、役に立てないと思います」


「私は魔法が使えないと完全なお荷物だよ。せめて薙刀ならカティアに習ってるから、まだ自衛くらいできそうだけど」


 リディーとレティシア、本職が魔導師の二人はそんな感じだ。



 ともあれ、一行は森林エリアも順調に進んでいくが、制限時間的にはあまり余裕はない。

 残された時間としては40分前後だろうか。


 魔物の襲撃を警戒しながらも、駆け足に近い早歩きで大樹を目指す。






 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆




「ふぅ……着いたね。残り時間もちょうど三分の一くらいかな?」


「ああ、大体そのくらいだろうな」


 やはり危なげなく森林地帯を突破してきたカティアたち一行は、ついに大樹を目前に望む広場に到着した。


 遠目に見えていたその大樹は、霞がかった空まで貫くほどのもの。

 本当に、後片付けはどうするのだろうか……とカティアたちは再び心配になった。



「あ、見て!!樹の根元の方が何か光ってるよ!!」


「ものすごい魔力の波動を感じるな……」



 レティシアが指差した先には大樹の根本に渦巻くような光が見え、リディーが言う通りそこから膨大な魔力が放たれているのが感じられた。


 一行がそこに近づいてみると……



「これ……王都ダンジョンにこんなのあったね。ここから次のエリアに転移するってこと?」


 王都ダンジョン深層の階層には物理的な繋がりがなく、このような光の渦から次の階層に転移したことをカティアは思い出していた。



「はい。[神帰回廊]の派生魔法で、[神帰門]という神代魔法らしいです」


「あぁ……確かシャハル様から教わった空間魔法の知識にあったね。私は使えないけど」


 フローラの解説を聞いて、その事も思い出すカティア。

 やはりメリエルは自重なしということだ。



 そして……



「さて……私が案内できるのはここまでです。最後のエリア、皆さん頑張ってくださいね」


「え?そうなの?……まあ、そういうことなら。ここまで案内してくれてありがとうね」


 そう言って、カティアたちはフローラと別れを告げて光の渦へと飛び込んだ。



 視界がぐにゃりと歪み、重力の感覚が失われ……

 そして一瞬の後、周りの風景が一変した。



 そこはモンスター・メイズの最終エリア。

 果たして何が待ち受けるのか…………!



















「ふははは!!よく来たな、勇者たちよ!!この大魔王メリエルが直々にお前たちの相手をしてやろう!!」


「「「「…………」」」」



 何か現れた。


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