表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!  作者: O.T.I
第十五幕 転生歌姫の最終決戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

601/685

第十五幕 2 『神威降臨〜豊穣神・武神』


ーー ウィラー王国アルマ地方 対グラナ戦線 ーー



 戦端が開かれて数時間が経過した。


 エメリナの助力があっても、戦況は五分と五分の状況。

 連合軍、グラナ軍の双方に少なくない損害が生じているが、戦闘は激化の一途を辿る。




 そんな中にあって、獅子奮迅の活躍を見せるもの達がいた。



 リュシアンは公爵家伝来の神槍を手に、自ら先陣を切って次から次へと敵軍の魔物たちを屠る。


 そして、リュシアンに付き従うケイトリンとオズマも、持てる力の限りを尽くし、目覚ましい活躍を見せる。

 彼らの主……カティアに再開した時、胸を張れるようにとの想いを込めて。



 そして、エフィメラとブレイグ将軍率いる部隊の活躍も瞠目に値する。


 符術を駆使して戦う皇女と、圧倒的な武威を誇る歴戦の将。

 彼らが率いる兵たちも士気高く、更には……エフィメラの説得に応じてグラナ軍から寝返った者達も加わり、連合軍にとって大きな力となっている。




 それでも。


 依然、厳しい戦いであることに変わりは無かった。





(お姉ちゃん、まだなの?このままだと犠牲者がどんどん増えちゃうよ……。早く来て!!)


 自らの力を持ってしても、消えゆく命を救えないもどかしさに、焦りの色を見せるエメリナ。


 もちろん、彼女の力無くしては、戦況はより厳しいものになっていたであろうことは、疑う余地もない。

 それは彼女の回りにいる将兵たちもよく分かっているので、エメリナを責めるものなどいない。


 それでも、自分達を神として慕ってくれる人間たちを、一人でも多く救いたいと彼女は思うのだ。




 そんな彼女の祈りが通じたのか……


 ついにその時がやって来た!



(来た!!)







『『神威降臨……!』』



 優しくも厳かな女性の声と、威厳あふれる男性の声が、天上より戦場に響き渡る。


 その時、誰もが戦いを忘れて天を見上げた。




 エメリナが降臨したときと同じように、雲の切れ間から差し込む光とともに、神々しいオーラを纏った豊穣神と武神が地上へと降り立つ。




「遅いよ!お姉ちゃん!ディザールさん!!」


 文句を言いながらも、二人に駆け寄ったエメリナの表情には喜色が浮かんでいた。



「ごめんなさい、リナ。座標の固定に手間取ってしまって……」


「我らの地上降臨を阻むような波動が、東の地より放たれ始めてるのだ」


「それって……邪神?」


「分からぬ。だが、徐々に強まっている。もう少し遅かったら、地上に降り立つのが困難になっていただろう」


 そのディザールの言葉を象徴するかのように……戦場の上空には暗雲が垂れ込め始めていた。



「カティアちゃん……大丈夫よね」


「カティアなら、きっと大丈夫。今は、あの娘との約束を守るため、全力を尽くしましょう」


「……うん!!二人が来てくれたから……これ以上の犠牲者は出さないよ!!」



 そして。



 伝説に語られた、三神の力が再び地上で振るわれる。




 エメリールは本陣近くに立ち、目を瞑り、祈りを捧げるように両手を組む。


 そして……その唇から、美しい歌声が紡がれ始めた。


 と、同時に彼女から金銀の光の波動が波紋のように広がっていく。



 その光を受けた連合軍の兵たちは、己の身体から活力が湧き出るのを感じた。




 最前線で戦っていたリュシアン達も、光を浴びて自身の力が著しく増大するのが分かった。



「これは……カティア様の[絶唱]と同じ……?」


「ええ!!まるで……カティア様が一緒に戦ってくれているかのようです!!」


「優しい歌声……これが、エメリール様の……」



 エメリールの支援を受けた連合軍は、少しずつグラナ軍を圧倒し始める。



 そして更に……!



 ドォォンッッ!!!!



「何だっ!?」



 凄まじい爆音が鳴り響き、グラナ軍の一角が纏めて吹き飛ばされるのが見えた。



「あれはまさか……ディザール様の攻撃か?」


「……どうやらそのようです」


「ひぇ〜……凄まじいですね……」


 どうやら、最前線に躍り出たディザールの剣閃が、衝撃波となって敵を吹き飛ばしたらしい。






 こうして、三神が降臨した事により……戦況は連合軍有利に大きく傾くのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ