表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万能「村づくり」チートでお手軽スローライフ ~村ですが何か?~  作者: 九頭七尾
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

451/465

第449話 軍師人生で間違いなく最大の失態

 ネオンの説得を受けて、ひとまず詳しい話を聞いてみることになった。

 衛兵をはじめ、村人たちには大いに心配されたけれど、警戒しつつも宮殿に招くことに。


「うふ、あれがルークちゃんやラウルちゃんのお父様ねぇ。話には聞いてたけど、相当な強さねぇ。それにとぉっても良い男♡」

「確かになかなか良い男じゃねぇか。ま、ダーリンには及ばねぇけどな」

「正直あまり戦いたくはないな」


 村最強のゴリちゃんに加えて、アマゾネスの戦士長でノエルくんの奥さんであるチェリュウさん、それにアレクさんたち冒険者パーティに同行をお願いした。


 ちなみに万一、父上たちが僕を人質にしようにも、この身体は影武者なので意味はない。

 僕が影武者を作り出す能力があるのは知っているはずなので、そもそもそんな真似はしないだろうけど。


「なんだ、この怪物のような男は……?」


 ゴリちゃんからウィンクを送られて、父上が珍しく困惑している。

 いいえ、父上、ゴリちゃんは女性ですよ。


「ふはははは! 貴様、素晴らしい筋肉の持ち主だな!」

「あらぁん、そういうアナタも、とぉっても素敵よぉん!」


 巨大な棍棒を方に担ぎ、豪快に笑ってゴリちゃんを称賛しているのはガイオンだ。


 四将の一人である彼は、『剛棍技』のギフトを持つ。

 ゴリちゃんに並ぶ筋骨隆々の肉体で、どうやら似た者同士、シンパシーを感じている様子。


「ほほほ、そのファッションも大変素晴らしいです」


 別の意味でシンパシーを感じているようなのは、魔法使いのメリベラ。

『黄魔法』のギフトを持つ彼は、いわゆるオネエ系だったりする。


「うふぅん、ありがとぉ♡ でも、アナタも負けず劣らずの素敵なファッションだと思うわぁ」

「ほほほ、褒めていただけて嬉しいですね」


 ゴリちゃんといきなり仲良くしている二人の配下に、父上は僅かに苦笑いしていた。


 一方、アレクさんのパーティの一員で狩人のディルさんと、四将の一人で『隠密』のギフトを有するピパネルが、明らかに互いを意識したようにチラチラ見合っている。


「「(……俺たちもしかして……キャラが……被ってる……?)」」


 そろって頭を抱えているのはなぜだろう?


「ふはははは! それにしても、まさかあの何もなかった荒野に、こんな巨大都市ができあがるとはな!」

「しかもルーク様が追放されてから、まだたったの三年ですよ? 大ハズレだと思われた『村づくり』に、これほどの力があったなんて、驚きですねぇ、ほほほ」


 とても三年前まで荒野だったとは思えない発展した都市の様子に、感心しているガイオンとメリベラ。


「三年前の時点で、あのギフトの有用性に気づいていたなら、今頃エデル様は……。くっ、軍師人生で間違いなく最大の失態……」


 そしてネオンは何やら悔しそうにブツブツ言っている。


 そうこうしているうちに宮殿へ。

 中層にある会議室を利用する。


「それで、僕へのお願いって何でしょう?」

「はい。しかしその前に、話さねばならないことがございます」


 父上ではどうしても威圧的になって先ほどのように一触即発の空気になるからか、代わりにネオンが説明してくれるようだ。

 父上はただ静かに押し黙っている。


「王都の牢獄を脱出してからずっと、エデル様と我々は世界各地を旅していました。目的はただ一つ。武を究めること。エデル様にはもはや再起して改めて国を盗るというような意志などありませんでした。ただひたすら己を鍛え上げて、最強の二文字を追い求める。それだけです。我ら四将もその野望に共感し、共に危険な魔境やダンジョンに挑んでは死線を潜り抜けてきたのです」


 ……なるほど。

 だから父上もこの四将たちも、以前より自信に漲っているように思えたんだ。


 実際、さらに強くなったのだろう。

 父上に至っては、あのゴリちゃんが、


「……うふぅん、この人に本気を出されちゃうと、アタシでもサシで相手するのは荷が重そうねぇ」


 などと言っているほどだ。


「ネオン、余計な話はいい。さっさと本題に入れ」

「は、はいっ」


 父上に咎められ、ネオンは慌てて話を続ける。


「その旅の途中、我々はとある情報を得てしまったのです。それは……史上最悪の災厄と言っても過言ではない存在……魔王の復活が近いということでした」

「ま、魔王……?」


 この世界にも魔王がいるんだ……。


 あれ、以前にもそんなことを思った気がする。

 そうだ、砂漠の国エンバラで、巨大な魔物ビヒモスが遺跡から復活してしまったときだ。


 あの魔物を魔王が従えていたとかなんとか、マリベル女王が言ってたんだっけ。


 それが正しい情報なのかも、ネオンが言う魔王と同じ魔王かどうかも分からないけど……。

 魔王は何人もいるのかもしれないし。


「当時その魔王の手によって、人類国家の半分以上が滅ぼされたらしいのです」

「え、そんなのが、復活しちゃうってこと……?」

「恐らく間違いありません。いえ、むしろすでに復活してしまった可能性が高いでしょう。現に今、世界各地で魔物が増大したり、狂暴化したりといった現象が発生しています」

「まさか……じゃあ、魔境の森で起こってる異変も、その魔王の仕業……?」


少しでも面白いと思っていただけたら、↓の☆で評価してもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生活無双
12月17日発売!!!
― 新着の感想 ―
つまり・・・魔王を生かしておけば上質なオーク肉食べ方題?(棒
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ