表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万能「村づくり」チートでお手軽スローライフ ~村ですが何か?~  作者: 九頭七尾
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

424/465

第422話 きっとこれはもう運命ねぇ

 三回戦の第一試合はアレクさん対マリンさん。


 開始から一進一退の激しい攻防が繰り広げられるも、両者なかなか決め手に欠く状況が続いた。

 だけど最後はやはりベテランの経験値がモノを言ったのか、アレクさんが勝利を収めた。


「ラウル様、申し訳ありません」

「いや、むしろ頑張った方だ。あの男、決して突出した強さというわけじゃねぇが、クレバーな戦い方をしやがる」


 敗退となって謝るマリンさんに、労いの言葉をかけるラウル。


「後は俺に任せておけ」


 これでラウル率いる王国軍の出場者は、ラウル一人を残すのみとなった。


 そして第二試合はゴリちゃんとセリウスくんとなった。

 実は前回の大会でも、準決勝でぶつかった二人だったりする。


「前回は手も足も出なかったけれど……今のぼくは一年前とは違う! 行くぞっ!」

「うふぅん、ということは、あのとき以上にアタシを熱くさせてくれるのねぇっ!」


 自ら宣言した通り、セリウスくんはこの一年の成長を証明するように、ゴリちゃん相手に一歩も引かない戦いを見せた。


 ただ、ゴリちゃんは攻撃を受ければ受けるほど、強くなるという特異体質(?)の持ち主だ。

 全身を覆う闘気が強さを増していくにつれ、次第にセリウスくんが劣勢に。


「イクぅぅぅぅぅぅぅぅううううううううううっ!」


 最後は恍惚な表情で絶叫するゴリちゃんの猛攻に耐え切れず、前回に続いてセリウスくんは敗れ去ってしまった。


「ハァハァ……うふふ、確かに去年より、ずぅっと強くなってたわぁん」


 第三試合はフィリアさん対ラウル。

 セリウスくんが負けたこともあって、自分こそはと意気込むフィリアさんは、試合開始から一気に勝負を決めにかかった。


 風を纏う猛烈な速度の矢を次々と放ち、接近することすら許さずに、ラウルを倒してしまおうとしたのである。


「……っ!? チィッ!」


 これにはさすがのラウルも驚いた様子だった。

 それでも迫りくる矢という矢を剣で斬り飛ばしながら、少しずつ距離を詰めていく。


 もちろんフィリアさんも移動して距離を取ろうとする。


「んなところで使いたくなかったが、仕方ねぇっ……奥の手だっ! 縮地っ!」

「っ!?」


 最後は突如として姿を消したラウルが、次の瞬間にはフィリアさんの目の前に出現し、そのまま強烈な斬撃一発で勝利をもぎ取った。


「い、今、一体何をしたのでしょうか!? まったく動きが見えませんでしたが……」

「……恐らくは……縮地……相手との距離を瞬間的に詰める、特殊な走法……だが、人間には不可能な芸当だと言われている……まさか、それをこうして、この目で拝めるとは……」


 解説のディルさんも驚愕する中、ラウルはベスト4に進出。


 そして最後の第四試合は、セレン対ララさん。

 獣人の高い身体能力を生かして戦うララさんは強敵だったけれど、セレンが快勝し、優勝候補の一角としての実力を見せつけた。


「さあ、これでベスト4が出そろったああああっ! いよいよ明日、準決勝、そして決勝が行われます! 果たして王国最強の称号は誰の手に!?」


 そして翌日。

 王国中がこの武闘会の話題で持ちきりとなる中、準決勝が始まった。


 第一試合はアレクさん対ゴリちゃん。

 実は前回大会の準々決勝でもあった対戦カードだ。


「またこうして戦えるなんて、きっとこれはもう運命ねぇ♡」

「……俺はもう二度と、やり合いたくなかったよ」


 嬉しそうにウィンクするゴリちゃんに対して、アレクさんは疲れたように返す。


 前回の対決では、ゴリちゃん相手に圧倒され、成す術もなくやられてしまったアレクさんだ。

 すでにベテランであるアレクさんが、この一年でその差を埋めるというのは難しい。


 案の定、まったく歯が立たずに敗れ去ってしまった。


「準決勝とは思えない、一方的な試合展開でした! アレク氏と同じパーティで活躍しているディルさん、残念ながらここで敗退ですね」

「アレクには悪いが……ベスト4まで残った者の中では……圧倒的に格下……これでも十分、善戦した方だ……」



少しでも面白いと思っていただけたら、↓の☆で評価してもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生活無双
12月17日発売!!!
― 新着の感想 ―
「美の伝道師」たるゴリちゃんの過去の伝道の旅の秘話( 恋話系 )とか、出ないもんかな。 各地を巡ってたらしいけど、見た目でどこでも拒絶されただろうにそれでも心が折れなかったルーツとかも。 実はゴリちゃ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ