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万能「村づくり」チートでお手軽スローライフ ~村ですが何か?~  作者: 九頭七尾
第五章

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第348話 中身まで素敵だなんて

 荒野の村の代表として、ダントとブルックリの二人は、ゴバルード共和国の政府高官たちと話し合いを行っていた。


「なるほど、そういうことでしたか……」

「道理で異常なほどの歓迎ぶりだと思っていたが」


 ゴバルードの歓迎に違和感を覚えていた彼らが、高官たちと問い詰めた結果、観念して詳しい事情を話してくれたのだった。


「心配せずとも、そのときになれば、ルーク様は必ず力を貸してくださるはずです」

「ほ、本当ですか?」

「ああ。なにせあの方は救世主なのだからな」

「救世主……?」


 首を傾げる政府高官たちの前で、二人はあるものを取り出した。

それはとある書物で。


「これは……?」

「ルーク様のこれまでの軌跡を書いた本です。お読みいただければ、あの方の素晴らしさがより一層理解できるでしょう」


 ダントとブルックリ。

 彼らもまた、ミリアによって深く教化された、筋金入りのルーク教信者たちなのだった。



   ◇ ◇ ◇



 ゴバルード共和国で大いに歓待され、当初の予定通りの日数を過ごした僕たちは、村に帰ることになった。


「鉄道の方はすでに完成していますので、いつでも簡単に行き来ができますよ」

「いやはや、あのようなものを本当にこの短期間に作ってしまわれるとは……。しかもご本人はずっと我々のもとにいらっしゃったはず……」


 驚愕しているのは、見送りに来てくれたペレサ首相だ。


「影武者に作らせましたので」

「……と、とにかく、この度は貴重な時間を割いていただいて、我が国にお越しくださり本当にありがとうございました」


 一国のトップとは思えないくらい、ペレサ首相は腰が低い。

 僕のことを王様か何かと勘違いしてるんじゃないだろうか……。


 ちなみにこの期間、ダントさんとブルックリさんは、高官たちと色々と話し合ってくれていたみたいだ。


「ルーク村長、実は村に移住したいという方たちがおりまして」


 そう切り出してきたのはダントさんだ。


「移住? 一応、来る人は拒まない方針ですけど……」


 遠く離れた荒野の村に、わざわざ移り住みたい人なんているのだろうかと思っていると、


「「「ルーク様! 私たちを連れていってください!」」」


〝舞媛〟の女の子たちだった。


「え? 何でまた……? もしかして国からの指示?」


 本人たちが望んでというならともかく、無理やり言わされているのだとしたら可哀そうだ。

 この世界では奇麗ごとかもしれないけど……。


「そうではありません!」

「もちろん私たち自身の意思です!」

「我が国の伝統芸能を、ぜひ異国に伝えていきたいと思っていたんです!」

「なるほど……」


 自分たちが誇る伝統を、異国の人にも知ってもらいたいという願望は自然なものだろう。

 そういうことならと頷こうとしたところへ、




「は? ダメに決まってるでしょ?」




 割り込んできたセレンが一蹴。

 結局、彼女たちを連れて帰るのはお断りすることになったのだった。


 ……のだけれど。


「「「ルーク様! ぜひこの村に住まわせてください!」」」

「何でいるの!?」


 村に戻ってから数日後。

 どういうわけか、彼女たちが村にやってきてしまった。


「テツドウというものを使ってやってまいりました」

「この村は移住者を受け入れておられるんですよね?」

「異国の人間でも移住できるって聞きました!」


 考えてみたら、この村とゴバルード共和国を鉄道で繋げたのだ。

 彼女たちがその気になれば、いつでも来ることができる。


 砂漠や東方からの移住者も受け入れているわけで、彼女たちだけを突っぱねるわけにもいかない。


「じゃあ、劇場で働いてもらおうかな……」

「ありがとうございます!」

「さすがルーク様! なんて男らしい性格なの!」

「かっこいいだけじゃなくて、中身まで素敵だなんて!」


 移住を認めると、口々に賞賛の声を上げながら喜ぶ彼女たち。

 ……うん、もしこれが全部お世辞なのだとしても、悪くないかもしれない。


「ただし、なるべくセレンには見つからないようにね?」


少しでも面白いと思っていただけたら、↓の☆で評価してもらえると嬉しいです。

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生活無双
12月17日発売!!!
― 新着の感想 ―
[気になる点] 危機管理がなってないねぇw 他人のプライバシーを覗くのは良くないとつっぱねるのは良いけど、相手が怪しいかどうか鑑定2でちゃんと必要な項目はチェックしとく癖つけんと。 悪意のない美人局に…
[一言] > 栽培チートで最強菜園 4 10/6発売 えっ!なろうで小説1年以上更新してないから、このまま絶筆かと残念に思ってたわ。
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