表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万能「村づくり」チートでお手軽スローライフ ~村ですが何か?~  作者: 九頭七尾
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

348/466

第346話 すごい歓迎っぷりね

 公園は空の上に待機させておき、湖岸と島を結ぶ砂州へ瞬間移動で降りる。


「ねぇ、この下、思ってたよりも硬いんだけど?」

「ほんとだ。もしかしてこれ、何か石のようなものの上に、砂が堆積してるような感じ……? って、あそこ、何か大きく盛り上がってるような?」


 どうやらここはただの砂州ではなさそうだ。


「その通りです、ルーク様。実はこの砂州の元となっているのは、かつてこの湖に生息していたとされる巨大な水竜の身体なのです」

「水竜の……?」


 軽く足元の砂を掘ってみると、現れたのは石などではなく、直径一メートルはあろうかという大きな鱗の数々だった。

 さらに盛り上がっているように見えたのは、どうやら巨大な骨らしい。


「なんていう大きさなんだ……」

「すごい」


 セリウスくんとノエルくんが、圧倒されたように呻く。


「頭部が失われているため、正確なサイズは定かではありませんが、少なくとも全長一キロは超えていたと推測されています」

「「「一キロ!?」」」


 さすがに規格外すぎる大きさだ。

 蛇のように細長い形状をしていたみたいだけれど、それでもこんな魔物が生息していたなんて……。


「推定では死後、五百年以上は経過していると言われています」


 五百年が経っても鱗が残っているのか。


「五百年となると、さすがに我々の中にも生きていた者はいないな」


 と、フィリアさん。

 ちなみにエルフたちの平均寿命は二百五十年ぐらいで、三百歳を少し超えたエルフが最長老である。







 水竜の死骸の上に砂が堆積していき、できあがったという砂州を進んで街に辿り着いた僕たちを待っていたのは、想像を遥かに超える歓待だった。


「ルーク様御一行っ! ようこそ、ゴバルード共和国へっ!」

「「「ようこそいらっしゃいませっ!」」」


 街の入り口にいたのは、軽く千人を超えるだろう人々。

 彼らの盛大で熱烈な拍手、そして空に花火が打ちあがると、音楽隊による壮大な生演奏が始まった。


 広げられた大きな横断幕には『ルーク様御一行! 大歓迎!!』と書かれてある。

 赤い絨毯の上を進んでいくと、


「よくぞお越しくださった、ルーク様御一行! 私はこの国の首相を務めるペレサと申します! なにとぞよろしくお願いいたします!」


 首相って、確かこの国のトップだよね?


「なんだかすごい歓迎っぷりね」

「う、うん」

「これはもはや他国の王をお迎えするようなレベルでしょう」

「え、そんなに?」


 ダントさんの指摘に、僕は面食らう。

 さらにブルックリさんが言った。


「街の入り口にまで一国の長が出迎えに来られるなど、普通はありませんよ。それだけルーク様の訪問を重要視しているということ」


 そこから僕たちは、怒涛の如く持て成された。


 まず案内されたのは、作られたばかりと思われる豪華な建物だった。

 僕が今の宮殿を作る前に住んでいた「家屋・大」を超える敷地面積があり、よく整えられた庭も美しい。


「こちら、皆様専用の宿泊施設となっております」

「もしかして貸し切りですか?」

「そうです。皆様のためにご用意いたしましたから」

「え? それって……」


 イアンさんに訊いてみると、なんと今回のためだけに新しく建てたらしい。

 もちろん僕のようにギフトで手軽に建設できるはずもなく。


「国中から選りすぐりの大工を集めさせました。設計もこの国随一の建築家によるものです」

「そ、そうなんですね……」

「敷地内にはレストランや大浴場はもちろん、劇場もご用意してあります。そちらではぜひ我が国の伝統芸能をご覧いただきたく存じます」


 寝室は一人一部屋が用意され、どれもスイートルームのような広さで、調度品も一級のものばかり。


 そしてこの施設に、次から次へと国の有力者たちの来訪があった。

 しかもそれぞれが競うように豪奢な贈り物を携えている。


「なんていうか、歓迎の勢いが凄すぎて、逆に窮屈な感じね……」


 自由に街中を散策できると思っていたセレンが、不満そうに言った。


少しでも面白いと思っていただけたら、↓の☆で評価してもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生活無双
12月17日発売!!!
― 新着の感想 ―
[一言] 歓迎のために領民に無理を強いてるんだったら、ルークのは良く思わなそうだねぇ。
[一言] そうよな 村長が宮殿に住んでる村やったな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ