表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

510/3014

誉編 スポット

今日も今日とて、(とどろき)(ほまれ)に挑んでいってた。


で、最終的にはやっぱり退けられてたな。(かく)を相手に<技>を極められたのはやっぱりまぐれだったようだ。


それに、(かく)相手ではおそらくちゃんと使えるようになってももう通用しないだろう。だから今後は、襲われる前に気付いて全速力で逃げてくれることを望むよ。




ところで、パパニアンの群れでは基本的にボスになれなかった雄は追い出されることが多いんだが、(ほまれ)は敢えてそれをしなかった。(ほまれ)より年上の雄は現在四人。


(とどろき)のような若手有望株も順調に育ってきてることから、今後、そいつらがボスになれる可能性は、限りなくゼロに近いだろう。


その中の一人(名前を仮に(ひいらぎ)とする)は、(ほまれ)よりかなり先に他所の群れからここに加わった<大先輩>である。


それなりに腕っぷしには自信があったであろう力自慢であったが、なぜか(らい)相手にはヘタレてしまい、からっきしいいところがなかった。


その所為か群れの中では万年四位で、しかも(らい)が群れを追われた時には肉体的なピークも過ぎており、その時点で既に(ほまれ)にも実力的に追い抜かれていたようだ。


ちなみに、三代前のボスの時に四位になったんだが、一位はボスなのは当然として、二位は(らい)、三位は腕力的なそれではなく当時のボスの寵愛を受けていたということで(しずか)だった。


で、(らい)が一時的にとはいえボスになった時点では、(しずか)の地位は急落したものの、二位には(らい)の次にボスになった雄、三位は(ほまれ)ということで、やっぱり四位だったんだよな。


さらに(らい)が追われて次のボスの時には、二位が(ほまれ)、三位はまた別の雄が座り、結局のところ四位だったという。


そして現在、一位はボスである(ほまれ)、二位は(あお)、三位は次のボスと目されている雄。(ひいらぎ)はまたも四位ということだ。


なお、(しずか)は明らかな衰えをみせるようになってからはもうその辺りの順位は関係なくなってしまっている。完全に静かに余生を送っているだけだな。


あと、(とどろき)はまだ若すぎるので、<若手有望株>ではあっても、はっきりとした順位をつけられる状態にはまだない。ないものの、実質的には五位か六位相当とは見られているようだ。


その(ひいらぎ)が最近、(しずか)と同じような姿を見せるようになった。年齢的には(しずか)よりは若いはずだが、結局、ボスには届かなかったということで、気力的に萎えてしまったのだろうか。


この辺り、運にも恵まれなかったであろう(ひいらぎ)の姿には、悲哀を感じずにはいられない。


こうなってようやくスポットが当たるという点でもな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ