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キャサリン編 コミュニティを維持できない

『個人個人が好き勝手なことばかりしてたらコミュニティを維持できない』


それも事実なのは俺も分かってる。<多様性>を盾にして自分達の価値観ばかりを押し付けようとするのがいるとそれこそ混乱しか生じないのを地球の歴史が証明してくれているし。


そもそも『自分達の価値観ばかりを押し付ける』という振る舞い自体が、


『多様性を否定している』


よなあ。『多様性を認めろ!』と声高に叫んで自分達の価値観を押し付けようとしてくる人間達はその矛盾に気付いているんだろうか。気付いてないんだろうなあ。


俺は<同性愛>自体は否定しない。『俺自身は基本的に異性愛者だ』というだけで、それは別に同性愛を否定する根拠にはならないんだ。だいたい異性愛者だからって、


『異性となら誰とでもセックスするわけじゃない』


だろう? 『好きです』と告白されて『異性だから』ですぐに受け入れるわけじゃないはずだし。俺だって誰でも受け入れるわけじゃない。『同性であること』は<告白を受け入れられない要因の一つ>には確かになる。しかしそれがそのまま、


<同性愛を否定する根拠>


にはならないんだよ。『異性だからで全員を受け入れるわけじゃない』以上は。


『相手を見て受け入れるかどうかを判断すればいい』


だけだと思う。


『同性から告白されたり言い寄られたりすんのが気持ち悪いだろ!』


と言うかもしれないが、いやいや、


『異性であっても見た目が好みじゃない時は気持ち悪いとさえ感じることもある』


みたいな話はよく聞くぞ? もうそれこそ<生理的嫌悪感>丸出しで嫌うのもいるのは目の当たりにしたことがある。


なるほど今の地球人社会だと<整形とまではいかない医学的なケア>も進歩したおかげで<美醜の差>は昔ほどじゃないとは聞いている。しかしそれでも<好みの見た目>というのはあるし<美醜の価値観>は今も存在してるんだ。しかもある程度見た目は整っていてもその中でなお<好みの差>は生じるわけで。


加えて、以前にも触れたと思うが今の地球人社会の医療技術なら<完全な性転換>も普通に行えるし。『見た目だけ異性になる』のとは違って『妊娠も可能』なんだよ。しかも『元の性別に戻す』ことさえ可能という。まあさすがに<疾病を伴う多少のリスク>はあるらしいし『さらにまた性別を変える』となるとさらにリスクは桁違いに跳ね上がるらしいが。それによって遺伝子に異常が生じ、<骨と皮だけの見た目>になってしまった例もある。


それも十年単位の時間を掛ければ治療は可能であるものの、負担は途轍もないものになるとも。



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