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陽編 家族とさえ穏当な関係を

俺一人じゃ『人類全体の意識を変える』なんてことはできるはずもない。まあまあ身近にいる他人の意識を変えることさえままならないだろう。そんなことは分かっている。でも、<自分の身内>くらいなら接し方次第で割と何とかなるんじゃないか? 


<相手を自分とは別の独立した存在>


として敬い慮ることができればそこまで関係が拗れることはないと思うんだよ。家族とさえ穏当な関係を築けていないと言うなら、それは相手を敬い慮ることができているのか? できていないのならどうしてそれができない? 相手が自分を敬い慮ってくれてないから自分もそうしたくないのか?


『相手が自分を敬い慮ってくれてないから自分もそうしたくない』


そうだな。他者を敬い慮るということをしたがらない人間が口にするのはたいていそういうことだ。


『相手が先に原因を作った!』


と言って自身の好ましくない振る舞いを正当化しようとする。だったらそうならないようにするにはどうすればいいか分かるんじゃないか? 親がまず自分の子供を敬い慮るようにすれば、子供の側は『相手が先に原因を作った!』と言い訳ができなくなる。


まあ、そもそもそんな言い訳をする必要もなくなるんだけどな。


改めて言うが、


『子供を敬い慮る』


というのは、『甘やかす』のとは違う。『甘やかす』のは<相手を自分に都合よく操るための手段>に過ぎない。暴力で威圧して都合よく操ろうとするのと本質は同じなんだよ。相手の人格を蔑ろにしてるという意味では。だから歪んでしまったりする。


『敬い慮るとか言われてもどうすればいいのか分からない』


と思ってしまう人間は、親からそうしてもらってないから分からないんだろうさ。そうしてもらえてた実感があれば感覚的に分かるだろうし。それが分からない人間がいるというのが俺には残念で仕方ない。だからこそ俺は自分の子供達や孫達がそれを理解できないままにしておきたくない。未熟なうちはピンとこないとしても実際に経験を積むにしたがって、


『こういうことか』


と実感できるようにきちんとヒントは示しておきたい。そしてそれが実ったのが今の(ひなた)(まどか)なんだ。


二人は一緒にいることで最も平穏でいられるんだよ。


『自分じゃない人間とずっと一緒にいる』


というのは実はなかなか難しいことなんだが、それができないとパートナーと人生を共にするのはただの夢物語だろうな。もしくは苦行か。


だからこそ地球人社会では離婚と再婚もごく普通になっていったんだろう。



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