表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2662/3014

陽編 些細な失敗を理由に誰かを

そうだな。人間の人生なんてのは『たまたま上手くいった』ことの連続だと思う。<意図して上手くいったこと>なんてのはそれこそ数えるほどしかないと思うんだよ。だって、


『いい会社に入ろうとしていい学校に入学した』


のは意図してできるかもしれないが、そこから入れた会社が果たして自分にとって<いい会社>だったのかどうかは、実際に入ってみて実際に働いてみないと分からないわけで。


それは今の地球人社会においても大きくは違わない。そこでもし『期待してたのと違った』となっても『また探せばいいや』と気持ちを切り替えやすい社会になれてるってだけだ。


『一度失敗しただけで人生が終わるなんてことはない』


ってのがはっきりしてる社会ってだけだ。何度も言うように『たまたま上手くいっただけ』の連続が人生ってもんなんだから狙って上手くいかせられることの方がずっと少ない。となれば『失敗だった』と感じた時には気軽にやり直せた方がいいだろう?


ここでの<失敗>はそれこそ命に関わるものであることが多いし。ゆえにその失敗が致命的にならないようにするセーフティネットとしてロボットが存在する。ロボットを何機犠牲にしても人間の命だけは守り切る。<やり直し>ができるように。


(ひなた)(まどか)も、何度も何度も失敗してきた。子供の頃には特に。結婚してからも何度か命の危険に曝されたこともある。あくまで深刻な事態になる前にロボットによってフォローしてきただけだ。これは(ひかり)(あかり)だって同じ。きちんと準備が整っていない状態で危険な外敵に鉢合わせる危険が高くなったのを、ロボットの方に引き付けて回避したこともあったんだよ。


どんなに気を付けてるつもりだってそんなもんだ。


だからこそ些細な失敗を理由に誰かを排除することを俺達はしない。その必要がないようにする。誰かを犠牲にすることでしか自分達を守れないならそれはロボットに負担してもらう。


それこそ行ったら決して生きて帰れないような危険なミッションが必要になった時にはロボットが行く。人間にできることはほぼすべてロボットにもできるようになったんだからそうなって当然だ。


<人柱>


なんてのが地球の歴史の中には存在したが、ただのオカルトとしてならそれこそ論外だし、物理的な意味で<人の手>が必要でそれが生きて帰れないものであっても、ロボットで代わりができないものなんてもう何もないんだ。


それこそ三千年もの長きに亘って惑星ハイシャインの観測を続けている<あさぎ2788TOS>のように。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ