表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2658/3014

陽編 危険な敵を容赦なく殺せる

だいたい、


『危険な敵を容赦なく殺せる』


なんてのは、ここじゃ<地球人のメンタル>を持ってる俺やシモーヌやシオやレックスやルイーゼ以外ならむしろ当たり前のことだ。


久利生(くりう)やビアンカは高度に訓練された選りすぐりの軍人だし、クロコディアの肉体を持って顕現したメイガスも肉体の方の影響を受けたのもあってすっかりその辺は順応しているし、元々<獣人>の形質を持つ(ひかり)(あかり)をはじめとした<朋群(ほうむ)人>はそんなもの狙って身に付けさせなくても最初から容赦なく殺せる。(ひかり)だってそれこそ幼い頃にグンタイ竜(グンタイ)の襲撃を受けた時に躊躇なく殺して見せたし、(あかり)も危険な外敵相手にはまったく臆することもない。元来備わってる性質なんだよ。だったらなにもわざわざそれをさらに先鋭化させる必要はないだろう?


錬慈(れんじ)はその辺り二の足を踏んでしまう様子は見られるが、なにも全員が全員、それができるようになる必要はないはずだ。地球人社会でも<役割分担>という形を取ってたしな。


<危険な外敵を躊躇なく殺せない者がその選択を迫られる状況>


なんてものに陥った時点でそれは『防衛体制が崩壊してる』って話だろう?


まあかつての地球人社会ではテロがそれこそ日常的に頻発していたりして<ただの一市民>がそういう状況に陥ったりもしていたらしいが、俺達の感覚からするとゾッとする話だよ。


つまりそれだけ状況は変わってるんだ。


テロリストは今でも存在するが、それに対処する時はロボットを前面に押し出してわざとテロリスト側に攻撃させることで戦力等を詳細に分析、波状攻撃を仕掛けて根負けさせるのが一般的なやり方らしいしな。その際にロボットがいくら破損しようがそんなのは弾薬を消耗するのと同じなわけで。


まあこの場合でも、


『ロボットにも人権がある』


と考える一部の者達が騒いだりするのが頭の痛い話だそうだが、ここでは最初から、


『ロボットはあくまで道具だ』


という認識が浸透してるから少なくとも今のところはそんな話も出てきていない。とはいえ、(あん)にとってのドーベルマンDK-a()号機やキャサリンにとってのドーベルマンMPM十六号機のような事例もあるから、二人にとってはそれぞれ<ただの道具>じゃないんだろうとは思ってるし、()号機や十六号機を捨て駒のように使うつもりはさすがにない。そこまでしなきゃいけない理由もないし。


この辺りは<臨機応変>ってヤツだな。俺も大事だと思ってるよ。<臨機応変>は。


それを言い訳にして自分にばかり都合のいい解釈を押し通そうとは思わないだけで。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ