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子供達の日常 その7

(そう)(かい)については、コーネリアス号のところを拠点にしてるしシモーヌがすごく気にかけてるし何だかんだと触れることになるだろうから、こちらも割愛させてもらうかな。


ただ、(かい)とカップルになった(せん)と、二人の子供の(えん)(けん)も元気だ。こちらは問題なくすくすく育ってる。(そう)とカップルになった(けい)も、仲良くやってる。あれ以来、オオカミ竜(オオカミ)の襲撃もない。幸い、大型の草食動物の群れがまた戻ってきたらしいんだ。そちらがいれば彼らも餌に困らないだろう。


とまあ、そういう訳で(そう)(かい)についてはこのくらいにしておいて、(めい)のことに触れるとしよう。


と言っても彼女も(じん)(じょう)と同じでステルス能力を発揮しまくってて、俺の意識の外に行ってしまってることが多かったから、正直、今まで語ったこと以外で印象に残ってることが殆どないという。


だから取り敢えず現状について触れておこうか。


彼女は、パートナーになった(かく)と仲良くやってる。(かく)と出会ってからは、俺達の<縄張り>にもあまり近付いてこなくなった。だから(ひかり)に絵本を読んでもらってる姿もすっかりご無沙汰だ。


ただ逆に、密林の奥に向かっては、元々(かく)の縄張りだったらしいところまで行動範囲を広げたらしく、実はそこには、以前、(ほまれ)の捜索に向かう時に見た、巨大な恐竜らしき生物の骨がそのままになっていたんだよな。


しかも、(かく)はそこを住処の一つにしていたようだ。地面に突っ伏して朽ちたそれの肋骨の一部が欠けてちょうど出入り口のようになってた。(かく)の留守中にドローンを侵入させてみると、なんとまあ上手い具合に空間ができてて、まるでテントのようだった。いいところを見付けたもんだ。


だがその時、ドローンの映像を受信していたエレクシアが反応した。


「二秒前の位置にカメラを戻し、映像解析」


「ん? どうしたエレクシア? なんか見付けたか?」


と問い掛けた俺に、思わぬ言葉を彼女は発した。


「メイトギアです」


「…な!? なんだと…!?」


慌てて俺も映像をよく見る。しかし俺が見る限りだと土だか何だかよく分からないものがごちゃっとなってるだけで、とてもメイトギアらしいものが見えない。するとエレクシアが受信した映像をスペクトル解析した画像に切り替えて画面に表示させた。


「って、これは…人間…な訳ないか。メイトギアだな、確かに…」


ただの土の塊に見えたそれは、うずくまった人間の姿にも見えて、しかし人間の肉体がその状態で形を保ってる筈がないので、紛れもなくメイトギアだと思われたのだった。



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