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子供達の日常 その1

順番的にはまず(ほまれ)のことから触れたかったんだが、どうも最近、(ほむら)(あらた)(さい)(りん)の様子で気になる部分があるので、先に触れておきたいと思う。


と言うのも、(ほむら)(さい)(あらた)(りん)の仲が『良すぎる』気がするんだ。


確かに(ほまれ)(しん)(かい)(しょう)も仲が良すぎるくらい仲が良かったんだが、(ほむら)達のそれは、(ほまれ)達のそれとはまた違う仲の良さという印象がある。


はっきり言えば、お互いに相手を異性として意識してる系の仲の良さってことだ。


とは言え、(ほまれ)達だってそういう風に見ようと思えば見られなくもなかったものの、それでも最終的にはそれぞれ普通に同種族((しん)の場合は近似種だが)のパートナーを見付けてカップルになったんだから一時的なものだと考えられなくもないんだがそれにしても、なんだ。


なにしろ、(ほむら)(さい)に至っては、日常的にキスを交わすし、それどころかお互いに体を撫でさすったりしてるくらいなんだよな。


正直、これはもう、ほぼほぼ<それ>だろう。


「<近親相姦>ですね。紛れもなく」


だーっ! はっきり言うな! せっかく俺がぼかしてるというのに!!


こういう時のエレクシアはほんっとに遠慮がないからなあ。


ああもう、だが、エレクシアの言うことはおそらく事実だと俺も思う。まだ最後まではいってないとしても、今のままじゃ遠からずそうなるだろうというくらいではある。


(あらた)(りん)の方はそれほどでもないが、とにかく(ほむら)(さい)の方はお互いに完全にそのつもりとしか思えない。


人間の場合なら当然、やめさせるべきことだろう。


とは言えこれも、自治権を行使してる植民惑星によっては二親等での婚姻も認めてるところもあるので、正直、微妙な話なんだ。


近親婚の場合、近すぎる遺伝子による悪影響が懸念されるから禁止されてきたという背景があるものの、現在では妊娠中に遺伝子疾患・遺伝子異常の診断を下して遺伝子治療が可能になってることもあり、そういう意味での禁則事項が果たして有効なのかどうかという議論が数世紀に渡って、一部では既に数千年前から行われてるということだった。


確かに、遺伝子疾患すら治療が可能になった現代ではダウン症といったものさえ遠い過去になっている。意図的に遺伝子コーディネートを行うことは禁忌とされていても、疾患として診断が下れば治療が行われるんだ。


となると、近親婚に伴う遺伝子異常があったところで治療できてしまうのだから、それを理由に禁止する意味があるのか?という話な訳だ。


しかしそれを認めてしまうと極端な話、一親等、つまり親子で子供を作ってもOKって話にもなりかねず、それはやはり倫理的にどうよ?ってことで、ギリギリ二親等の辺りで綱引きが行われてる状態らしいんだよな。


などという、いわゆる<センシティブな問題>が今まさに俺のところに降りかかっているんだよなあ。



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