第12話 妖精界の女王(2)
カナサ……。
だれかがわたしを失礼なあだ名で呼んだ気がした。
決まっている、あの男の子だ。
わたしは目の前にいる女王さまから事情をすべて聞き終えた。これが夢だとわかっていても、夢を受け入れたら現実になっちゃうってことくらい察せられる。
「どうかしら、香奈ちゃん? 妖精を捜し求めていたあなたなら、妖精界にもすぐ馴染めると思うのだけれど。なにより、あなたの妖精術への順応性は高く評価できるわ。女王の資質は充分よ」
「…………」
わたしは妖精とお友だちになれればよかったのに。
それがどうしてこんな、おお事になってしまったのだろう。
彼もわたしと同じように悩んでいるのかな。
夢を見ているのかな。
胸が苦しくなった。
「さあ、どうかしら?」
「あいつは?」
「あいつ?」
「リコスはなんて言ってるんですか? 妖精術でつながっているんでしょう?」
「あなたと同様に幻覚の妖精術『フィクション・ドリーム』を使っているわ。受けるかどうかは香奈ちゃん、あなた次第ってところかしら」
あいつもわたしと同じだった。
わたしは妖精と人間界で出逢えればよかった。お話ができるようになれたらしあわせだった。でも現実はもっとおおきな歯車で動かされていた。
あいつは人間になれればよかった。女王とか妖精界とかどうでもよかったはず。でも現実は……。
「わたしは……」
「おれは……」
えっ?
えっ?
「リコス?」
「カナサ?」
わたしの。
おれの。
「「夢がつながった」」




