第百二十四話、冒険者たちの進行
俺たちは舟に乗り、次の島へと向かう。さすがに五人搭乗は無理だったので、二人はバックパックの中に入れて宙に浮かべている。
次の島の黒い岩場へと上陸し、舟を畳んで二人を外に出した。ヒメトラいわく、この島からはもう、モンスターたちの気配を感じるらしい。つまり、俺たちの仕事だ。
「なーんか、この辺からぴりぴりすんなー」
金髪の少女ことキララさんは、周りを見渡しながらそう言っている。
鮮やかな金色の短い髪。彼女の髪は、肩の上の辺りで短く揃えられ、髪は緩く外にウェーブが掛かっている。透き通るような白い肌と、色鮮やかな金色の瞳もあって、彼女の見た目は大変に人目を惹く。まぁナンパを黙って受けるような、お淑やかな性格ではないのだが。
金色の髪に、彼女は体に黒いローブを纏っている。この世界ではそんな傾向もないが、見た目にはゲームの中の魔法使いっぽい。実際、彼女は腕っぷしは強いものの、能力の中で目を瞠るのは、その魔力と威力。彼女は強力な魔法を無尽蔵に使ってくる。
また、彼女の体は特異体質であり、俺たちのものよりも丈夫である。俺やツバキ、それにワカバさんは、いわゆる“冒険者”的な服、厚い生地で身を守っているが、彼女はその体の性質もあって服装が自由である。
「深度“9”だってー。人の世界だと一番危ないんでしょー? ぞくぞくするよねー」
と、若干緊張の欠ける声で話しているのがワカバさん。短く黒い髪だが、オチバほど髪に癖がない、髪はまっすぐ綺麗に撫で下ろされている。あるいはワカバさんはまっすぐに直しているのか。
あっさりした雰囲気のキララさんとは逆に、ワカバさんはおっとりとしていて、常に落ち着きがある。また、激しい動きをする役割の人間ではないため、冒険者にしては体が丸く、胸もお尻も大きい。輪郭は似ているが、オチバはもうちょっと筋肉質。ちなみにツバキは細身、ヒメトラ(人間)は普通。ヒメトラ(猫)はもちもち。
「構成はどうする? ここまで人数が膨らんだら、班を分割してもいいけど」
「あぁ? つまんねーこと言うなよ」
と、キララさん。俺は少し表情を崩す。
「確かに。みんな一緒の方が楽しいか。オチバはどうする? モンスターが来るかもしれないけど、外に出てる? 怖いなら、バッグの中に居てもいいけど」
「私も、出来れば外に出て、見て回りたいな。足手まといにならなければ、だけど」
「大丈夫。俺たちがしっかり守るよ。じゃあ一緒に行こう」
ワカバさんとキララさん、それから俺とツバキ。浮かぶバッグとオチバ。ネコは気に入ったのか、ワカバさんの肩に乗って離れない。
上陸した二つ目の島は大きく、また、俺たちが乗り上げた岩場の目の前には、岩の裂け目があり、どうやら島の内部に空洞が続いているようだった。
「じゃあ、こっからは危険な領域だよ。戦闘員は武器をいつでも出せるようにしておいてね。ヒメトラがモンスターの接近を教えてくれるはずだけど、漏れもあるから各自気を張っていること。今回の行程では、島の探索、鉱物資源の回収、モンスターとの戦闘と素材が目的になるよ。オチバとツバキ、それからワカバさんは近接の戦闘力が足りてないから、出来るだけみんなの中心近くに居てね」
俺はみんなを見渡して、最低限必要なことを言い含める。俺が言い終わった後、キララさんはにやっと笑って、俺を見てくる。
「おう。パーティーの進行は頼んだぞ、リーダー」
「リーダーはヒメトラだよ」
「嫌です!」




