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教科『異世界』の時間だよ! ~武器と魔法とスキルを学んで、仲間と共に異世界を歩き、モンスターを倒し強くなれ!~  作者: 藍染クロム
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フィールド探索“真珠の森[深度1~2]” ーII

「今日からみなさんには、こちらのエリアを解放します。ここのレベルは、街の近場より高いものになりますので、ある程度覚悟して挑戦してください。また、このエリアにはいくつかボス級に強い個体がうろついているので注意するように」


 教室後方の床に追加された、白い粉末で作られた魔法陣。それを踏むと景色は一変、飛んだ先の暗がりから出ると、そこは見晴らしのいい丘の上だった。


 高い丘の上から下に広がっていく森の景色がここからは一望できる。青空は、遮るものもなく広がっており、森は地平線まで続いている、ように見える。この場に居るのは、先生を除いて俺たちが七人。


「より高いレベルのモンスターは、より上質な素材を落とします、それらを倒せるようになれば、より、成長武器を強く、より効率的に育てることが出来るようになります。あなた方が強くなるには、より強いモンスターへと挑戦していくことは不可欠です。ここは、街の近辺よりもレベルの高い場所になりますので、みなさんはまず、この場所に慣れることを目指しましょう」


 必要なことを言って先生は帰った。先生が去って青空の下、丘の上、七人の少年少女が残される。俺はどう動くべきかと周りを見渡す。


「えっと、どうする……?」


 と、俺が聞くと、そこのモモモが答える。


「どうするって?」


「危ないらしいし、みんなで一緒に動く? ほら、初めての場所だし」


「ヒカリは一人でいい」


 と、低いところから声がする。そこには背丈の小さい女の子が居る。この中でも一番年下だろう、短い、レモンイエローの髪の少女。異世界だなぁ。


「え? でも危ないよ?」


「ヒカリは一人でいい」


「え、あ、ちょっ」


 と、薄黄色の髪の少女は、さっさと丘を下って森の中へと入っていく。


「ごめんだけど、私もいつも通りでいいと思うよ。先生はここ結構危ないよー、みたいな感じで脅してきてたけど、結局ここら辺の深度も“1”らしいし」


 清霜さんもそう言ってくる。


 “深度1”。ギルドでよく見る数字。“深度”は、その場所の龍脈の濃さを計る数値のようで、数字が大きいほど濃く、また龍脈の濃い場所ほど強力なモンスターが現れやすい。


 人間界の深度は“0”から“10”まで存在し、“1”から“5”が“上層”、“6”と“7”が“中層”、“8”から“10”まで、正確には“10”に満たないまでの深度が“下層”に分類される。“10”以降の深度も人間界の外には存在し、それらはまとめて“深層しんそう”と呼ばれる。


 このエリア“真珠の森”は、前情報によると深度“1~2”、なんならエリアのほとんどの区域が“1”であり、所によっては“2”の場所もある、くらいの場所。ここは龍脈の薄い上層の中でもさらに浅い場所であり、どう考えても初心者向け。彼女らが怯えすぎだと言っているのも分かる。


 でも、今までの、街の外壁近くは“0”だった。それが俺たちにとって簡単かどうかはまだ分からない。ちなみに、人間の街は深度”0”の場所を選んで作られているので、その付近が安全で易しいのは当然。しかし、ここはどこかも分からない森の中。


「で、でもあの子一人だよ?」


「さっきの子? ヒカリちゃんなら強いから大丈夫じゃない?」


「そうなの?」


 あの子強いんだ。


「少なくとも、私たちが一緒に居たとしてもー、って感じ」


「そーなんだ」


 俺は、彼女が一人消えていった森の行方を見る。


「じゃあ、私たちも行くね?」


 と、清霜の妹と兄も二人で丘を降りて行った。この場に残されたのは四人。俺と、ミナモさん、キララさん、ワカバさんの四人。


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