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教科『異世界』の じかん だよ! ~武器と魔法とスキルを学んで、仲間と共に異世界を歩き、モンスターを倒し強くなれ!~  作者: 藍染クロム
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第十九話、ダンジョン攻略

 向こうの曲がり角に、揺れる炎に照らされて、宙に浮かぶ妙な影が見えている。今までの、流線型のデフォルメをしたような宝石モンスターたちとは明らかに違う、異質な出で立ち。


 そいつが、角を曲がって姿を現した。


「“ギア・アーム”型だ」


 ここ“クリスタル・ダンジョン”では、他では見られない特異なモンスターを見ることが出来るが、それらは大きく三つに分類される。


 一つは、宝石の体で出来た“クリスタル・モンスター”。ダンジョン内で見られるモンスターは、ほとんどがこれである。


 一つは、“ギア・アーム”と呼ばれる特殊な種類のモンスター。そいつらは、今までの宝石たちとは違い、明らかに金属で出来た体をしている。金属鉱石、ではなく、歯車や、それに連結されて動く腕のようなアーム。それらが宙で浮かび、固定もなくくっ付き、繋がりながら、一つの個体を形作っている。今、俺たちの目の前に現れたのもその“ギア・アーム”である。


 ちなみにもう一つは、徘徊シンボルとか特殊個体とか呼ばれてるやつ。深い階層にて、そいつらはダンジョン内を徘徊しており、倒されない限り自然消滅することもない。


 ギア・アームは、宝石たちと違い、複数種類の金属で体を構成しており、ドロップはその中からランダムに落ちる。この構成金属にも“レア度”があり、下の階層に行くほど体を構成する部品は“レア度”の高い金属で埋まっていく。


「せせせ先生、お手本、お手本見せてください」


「おっけー?」


 ツバキは、怖かったのだろうか、青い顔して俺の後ろへと下がっていった。通路の向こうから、宙に浮く歯車や金属部品の塊が、飛んでくる。


 俺は剣を抜いて構える。そいつは、複数の歯車が噛み合った胴体と、両側にある二つの腕のようなアームで出来ているようだった。これらの構造は個体ごとに異なる。


 空中をスライドしつつ、そいつは近づいてくる。


 なんだろう、地上でも見たことのないタイプだ、動きが読めない。とりあえず殴るか。俺が剣を構えて近づくと、奴の中の何かが作動する。腕が動き出す、ぐるぐると回りだす。


 まるでおもちゃだな。俺は正面から近づき、回転する腕の間の胴体の集合部に直撃を入れる。集合体は一瞬衝撃に落ち、しかし何らかの力が働いて落ちず空中に留まった。


 宝石の体は脆かったが、こいつは意外と丈夫らしい。というか俺の攻撃は効いてんのか? 左右の腕にさらに剣で攻撃を入れていくが、かん、かんと、空中に浮いているそいつは叩くたびに弾けて少し移動するだけで、体の表面に傷が入らない。


 魔法が効くタイプかな。俺は手の平をそいつに掲げる。ツバキも真似しやすいよう“氷”で入れてみるか。


「“アイス・バレット”」


 俺の手から氷の礫が放たれ、金属部品の胴部を直撃、ぴきぴきと凍結が広がって部品を凍らせ、動きを止めていく。ぐぎぎと、奴の動きが明らかに鈍る。


 あった。集合体の胴部、いくつもの歯車の間に、ちらと赤い輝きが見えた。しかし、それは巡る歯車に隠れ、またどこにあるか分からなくなる。俺の“氷”も溶けていく。


 おそらく周囲の金属パーツは丈夫で、いくら叩いてもダメージはないな。コアを壊して倒すタイプだ。しかしコアは幾重にも重なるパーツに隠れている。有効なのは、装甲を貫通する攻撃、炎で囲んで焼き殺したり、難しそうだが雷ですり抜けて砕いたり、あるいは貫通する衝撃波を与える。


 俺は腰元に付けた宝石を掴んで引っ張り、その上部を向こうの機械へと向ける。


「あ!」


 宝石から赤い光弾が放たれた。光弾は放物線を描いて飛んでいき、奴の足元へ、そこで赤く光の球体が広がる。機械の体は赤い球体の内側に入っており、そして連鎖する爆発に巻き込まれる。


 爆発を受けて、機械の体がゆらゆらと揺れる、それは頼りげなく地面に落ちて、そして繋がりを失ってばらばらと部品が地面に散らばった。体が消えていき、そこには、いくつかの金属部品と砕けたコアだけが残っている。


「周囲の金属装甲に通常攻撃は通じづらいけど、なんとかしてコアにダメージ入れたら楽に倒せるね」


「先生! そっちの魔法は使わないって言った!」


「言ってない」


 まぁ、ツバキの手札でやるなら、“氷”で動きを鈍らせて、コアの見えた一瞬を狙って突く、あたりか。しかし俺の直剣でそれをやろうとすると、一点の槍先とは違い、幅の広い刃が邪魔をする。


 まぁちょっと倒すのが厄介ではあるが、その分敵が仕掛けてくる攻撃はちんけなものだったから、複数体で現れた時はどっかに弾いて後回し、数が少なくなってきたら丁寧に処理、そんなとこだろう。


 俺は落ちた部品を拾う。金属質の大きい歯車、小さな棒状のインゴッド、鈍い銀色をしているのは“アイアン”、赤い輝きの金属は“カッパー”なはず。


 “カッパー”の一つ上の“シルバー”は、“アイアン”にも似てるがそっちは白い銀色。落ちている部品は“アイアン”か“カッパー”のいずれかだ。ドロップ品の“レア度”が低い、今のがまだ低級の個体なのだろう。


 上級になって、攻撃が脅威になったら厄介だな。岩を砕くドリルとか付いてたら倒しづらさもあってやばいかも。


 ちなみに、“アイアン”や“カッパー”は、そういう呼び名であって、実際には鉄や銅とは異なる素材のようだ。これらの部品素材は、迷宮内で武器に変化しないが、買い取り額のランクはほかの宝石たちとそう変わらない。上の“レア度”のものはもちろん高く売れる。


 と、手こずったからかそれとも六層の接敵頻度か、もう向こうから新しいモンスターが来ている。


「ツバキ、やれる?」


「次はもちろん!」



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