閑話、神罰の四神
「この世界には、今も新たな神性が芽生え、各々で育っているのですが、その中で目を付けておくべき“神性”が四柱ほど居ます」
蟻の“神性”回収後、俺は神様に願い出て、休みを貰っている。一週間ほど部屋でごろごろとしていたが、暇つぶしにふらっと先生の部屋を訪れると、神様はいろいろ話してくれる。
「それが“武具”、“財”、“水流”、“盗み”の、四つの神ですね」
「それは、全員危ない奴らなんですか?」
前回のアリのやつみたいに。俺が聞くと、先生は答えてくれる。
「どうでしょうね。その四柱は前回処刑され、この世界に新たに生まれ変わっているものかと思われます。前回の記憶や性質をどれだけ引き継いでいるものかは分かりませんが、生まれ変わってもそのままだった場合、危ない思想を持っているので、目を離さず注意しておかなければなりません」
“武具”……“武器の神性”とは、また別のものなのか?
「“武具”……ってのは、先生が行方を追っているっていう、例の女神ですか?」
「そうですね。“武具”と“武器の神性”は、おそらく同一の存在だと思われています。確証はないので、前後でそれぞれ別の名称を与えられてはいますが」
「“武具”はその女神だとして、じゃあ他の三神は? どこに居るか分かっているんですか?」
「分かっていません。そもそも、もうこの世界に生まれ落ちているのかも分かっていませんし。ただ、この世界にすでに居る可能性があって、“武器の神性”のように、強大な力を持って現れ、この世界に多大な影響を及ぼす可能性はあります」
ふむ。よく分かってないが、まぁ可能性があるから覚えていた方がいいという話か。
「ちなみに、“財”の神に関しては、ワカナさんが捜索を申し出ていたので、彼女に任せています」
あいつ……絶対、金の匂いに……。
「“水流”に関しても、この世界の海に一部異常な海流を持つ海域があり、そこの中心に居るのではないかと思われていますね」
「なんだ、意外とほいほい居るんですね」
「そんなにほいほいは居ないですよ。私の視野が広いだけです。それに、“盗み”の神の転生先に関しては、一切の情報を掴めていません。正直、一番目を離していたくないのが、その“盗み”の神なのですが……」
“盗み”。背負う名前からして負の側面の単語。
「その四神は、一緒に処刑されたんですか? 前回知り合いだったのなら、今回も一人見つければ、そこから芋づる式に居場所が分かったりしません?」
「そうですね。その四神は同時期に、同じ手段で処刑されました。しかし、今回に関してはどうでしょうね。まぁ、接触している可能性はある、とだけ」
「そもそも、その四神は何をしたんですか?」
俺がそう聞くと、神様は、少しだけ答えを躊躇っていた。
「力ある神を殺し、その神の力を取り込み強大な神に成り代わる。そういう計画を画策していました。首謀者は“盗み”、協力者が他の三柱、計画は結局、未遂に終わりました」
……。知らない世界の話過ぎて頭が追い付かない。
「まぁ、今のキョウゲツさんにはあまり関係のない話です。頭の隅に留めておく、くらいにしておいてください」
神様は、どこか愁いを帯びた表情を浮かべて、俺に語った。




