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教科『異世界』の じかん だよ! ~武器と魔法とスキルを学んで、仲間と共に異世界を歩き、モンスターを倒し強くなれ!~  作者: 藍染クロム
Ep3.びっくり城(じょう)

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閑話、自己強化週間 ーII

 ギルドハウスに戻ってくると、そこにレモンイエローの短髪の少女を見つける。扉を開けた時には、彼女はごちゃごちゃとした部屋の中をうろうろと見回っていたようであり、俺が入って来た途端、彼女の視線がぱっとこちらを向いた。


「あ! キョウゲツ!」


「あれ、ヒカリちゃんいらっしゃーい。ヒカリちゃんは今日もおやすみー?」


 ヒカリちゃんは雑多に置かれた荷物をかき分けてこっちに来る。増えたな……。


「うん。ねぇ、ネコもう居ないの?」


「猫入れ……そこの木箱に居ない? だったら、今はどっかに出歩いてるのかもねぇ」


 ふーん、と、少女は空っぽの木箱を見下ろしている。「戻ってこい!」で呼び戻せたらいいが、うちのヒメトラにそんな機能はない。ヒメトラちゃんは、最近は自由に外に出回り、ご近所さんを中心に生活圏を広めていっている。


「あ、それよりヒカリちゃんはひま?」


「……? ヒカリに、なにかよう?」


「剣の練習相手を探しててね。ヒカリちゃんなら良い感じの強さだし、一緒にコロシアムに行って、俺の練習に付き合ってくれない? 退屈はさせないよ!」


 と、俺がそう言っても、ヒカリちゃんは微妙な反応である。


「……嫌なら、全然、大丈夫だよ」


 俺がそう言うと、ヒカリちゃんは言ってくる。


「あぁいや。嫌とかじゃなくて。ヒカリ、まだ簡単な魔法しか使えてなかったから、いまあたらしい魔法を覚えようと思ってて」


「ふーん。そうなんだ。何の魔法覚えるの?」


「今のところ、“フロスト・ボルト”っていう、双属性魔法を、覚えようと」


 “双属性魔法”。ここで出てきたか。ヒカリちゃんと一緒に、その魔法を覚えるところを見てみるのは全然ありだな。俺の“ライトニング”という魔法は、このヒカリちゃんが使っていた魔法を参考にしてそのまま覚えている。彼女が新たに覚えようとしている魔法なら興味がある。


 と、背後の扉がガチャリと開いた。振り向けば、知らない男が立っている。目つきが悪く顔が怖い……が、装い的に勇者か?


「どちらさま……?」


「お前が、キョウゲツ、か?」


 知らない彼は、俺の顔を見てそう言った。名前を知られている。何者だ。刺客か? 俺が疑いの視線を向けていると、その人は続ける。


「俺はイバラ。この“ことまつろわぬものども”というギルドの所属させてもらっている。ほかの九人の顔は確認したが、ギルドリーダーのキョウゲツは、いつもどこかに出かけているというとこで、なかなか挨拶が出来ていないでいた。君がそのキョウゲツか?」


「わ……このわたしがキョウゲツです。よしなに」


「“よしなに”……? まぁ、よろしく。挨拶が遅れてすまなかった」


 全然知らない人がギルドに居る! あと俺その九人全員見てない! ギルドハウスに知らない荷物も増えてる!


 さらさらとしたトゲトゲの灰色の髪、目つきは怖いが、今のところ人となりは礼儀正しそうな先輩だ。


「どーも・イバラ・サン。俺は流れの……冒険者? です」


「そうか。俺は、お前らの……キョウゲツはもう居ないようだが、学校の中の勇者としての先輩にあたる。俺もまだ就学中の身で、勇者としては見習いだ。勇者の授業の中で、後輩に魔法を教えるにあたって、ここのミナモと知り合った。俺は別に大したものじゃないし、気軽に扱ってくれ、リーダー」


 その青年は俺のいくつか年上のようだ。気軽に扱ってくれと言われても俺に何かの権限ないし。っていうか、この人がリーダーでよくないか? しっかりしてそうだし。あと人事権はやっぱりミナモさんが握ってんのか。


「ち……ちなみに、今日はどうしてこちらに?」


「今日? 今日は、そこのヒカリに、魔法を改めて教えて欲しいと乞われてな」


 と、イバラ先輩はそこのヒカリを指している。魔法……魔法! 双属性魔法!


「俺も一緒に習っていいですか! お金なら出します!」


「え? あ、おう。別に金なんて要らない。後輩の頼みだしな」

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