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教科『異世界』の時間だよ! ~武器と魔法とスキルを学んで、仲間と共に異世界を歩き、モンスターを倒し強くなれ!~  作者: 藍染クロム
ー10

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授業:属性判定

「今日からは魔法を使ってみましょう」


 魔法だー! 


 薄暗い教室の中、木製のタイルの上に少人数の机が並ぶ。教室の前方には、左右に長い緑の板があり、床が一段上がっていて、真ん中に先生の机。先生は今日も黒板の前に立ち、俺たちを広く見渡している。


「その前に、まずは各々の体内に流れる魔力の属性を調べていきましょうか」


 魔力の属性。確か、魔法と属性が同じだとエネルギーの効率がいいんだっけ。つまり魔力の属性がそのまま得意魔法。重要イベント……!


「はい先生。人間によって、体内に流れる魔力の属性が違うんですか?」


「そうですね。人間も、そしてモンスターたちも、です。“身体属性”は変質することもありますが、短い期間において体内を流れる魔力の属性はほぼ一定です」


「同じ人間で、どうして体内の属性が変わってくるんですか?」


 なんか遺伝子的なものがある? 普通、同じ場所で同じように育ったら、同じような属性になるんじゃないのかな。


「そう……ですね。たとえば、モンスターなどの属性は、その地に流れる龍脈の属性と一致することが多いです。“炎”の龍脈が流れる場所ならば、“炎”属性のモンスターが多いなど……ですね。人間に関しては……」


 先生は、何か戸惑っているように窓の外を見ている。


「……まぁ諸説あります」


「そうですか。関係ない質問してすみません」


「いえ……それでは、調べていきましょうか。教卓の上にこれを置くので、一人ずつ順番に来てください」


 先生が教卓の上に、まん丸の水晶(透明な結晶?)の玉を置く。最初にミナモさんが呼ばれ、彼女は席を立ち、教壇へと上がっていく。


「この玉に手を置いてください。玉の中で色が変わるので、それで身体属性を判別します。ごちゃごちゃしている場合は一番割合の多いものを伝えます」


 先生が教卓の前をどき、ミナモさんが出てきてそこに立つ。ミナモさんは特に臆することなく水晶玉の上に手を置いた。ふわっと、水槽に絵の具を一滴垂らしたかのように、色のついた半透明な煙が水晶玉の中で渦巻き、落ちていく。いくつかの水色が玉の中で混ざっていく。


「……」


 先生は水晶玉の中をじっと注視している。


「……“水”ですね」


「みず……ですか?」


 ミナモさんはおうむ返しに聞き返している。


「はい。水を出す魔法が得意な属性です」

「つよいんですか?」

「そうですね……直接的にダメージを与えるものではないですが……まぁ、使い様ですかね」

「そうですか」


 ミナモさんの表情は変わってない、落ち込んでる? のだろうか。分かんねぇ。


「まぁ、一番効率がいいのが“水”ってだけで、身体属性に関わらずいろいろな魔法は使えますよ。特殊な装備を使えば、魔力の出力の属性も変えられるようになりますし。深く考える必要はありません」


「そうなんですか」


 ミナモさんは、何を考えているのか分からない表情で席へと帰っていく。


「それでは、次の方来てください」

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