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68話 エルロンド帝国へ

エルフの里出立後、私達は今エルロンド帝国を目指していた

まだ休暇日数にも余裕があったのでエルフの里を出た後はどうするかという話になり、せっかくここまで来たということもあったので帝国に一度寄ってみようとなった

帰りは転移ですぐ戻ることが出来るし時間があるうちに行っておいた方が後々役に立つかもしれないしな

里から移動して既に1日が経過。フィオナが言うにはもうそろそろ着くはずだ



「なぁ、エルロンド帝国ってどんなところなんだ?」


「帝国は昔は軍事国として有名でしたが今はその技術を活かして色々とやっているみたいですよ。私もエルフの里にいた時に風の噂で少し聞いた程度ですが」



フィオナの話を聞く限り昔の帝国とは大分様変わりしているみたいだな

帝国か・・・懐かしいな。帝国は前世で2、3度訪れた程度だが、昔の仲間だったアレンの出身国だった場所だ

アレンは一般家庭に男の子として普通に暮らしていたが、母親が小さい時に流行病で亡くし父親は魔王軍討伐の隊に徴集されて戦死

幼くして両親を失い、以降は生き抜く為に盗みを働きながら貧民街で暮らしていた


そんな危険な生活を続けていたある日、アレンが衛兵に捕まりかけた

その時アレンは12歳、対して衛兵は4人。普通なら抵抗できず捕まって終わりだが、アレンは拳ひとつで捕らえようとしてきた4人をのしてしまった

毎日命懸けの生活を続けていたアレンはいつの間にか大人顔負けの我流の格闘技術を身につけていた

それをたまたま見ていた当時の軍隊長がアレンを軍に引き入れたらしい

最初はかなり荒れていて他の兵士としょっちゅう喧嘩もしていたみたいだが、訓練を受け続け戦場で経験と実績を積み重ねていったことで周囲からも信頼を得ていき、アレン自身も心体共にみるみると成長していって17にして武術の達人とまで呼ばれるようになっていた


アレンと私が出会ったのも戦場で、軍隊長等の推薦があって私の仲間に加入することとなった

200年経っているから流石にもう生きてはいないだろうが、私の死後どうなったか位は分かるといいな




「見えてきました!あれがエルロンド帝国ですよ」



そうしていると帝国に到着した。城門を抜け私の目に映ってきたのは昔の帝国とは全く異なる風景だった

まず始めに驚かされたのは馬を要さない四角い箱が独りでに動いていたこと

どういう構造をしているか分からないが魔力の反応があったということは魔力結晶か何かを用いて動かしているのだろう

馬と同等かそれ以上の速度を出せる上に疲労がない分移動距離がグンと伸びるはずだ


次に目にしたのは小さな箱の上に取っ手のようなのが付いた道具

利用していた人の様子を見ていて分かったことは、どうやらあれは離れている相手に連絡を取ることが出来る道具みたいだ

箱に定めた数字を押すと相手に繋がり、取っ手に話しかけることで会話をすることが出来る仕組みになっているのか


これらはまだ試作段階で帝国のみでしか造られていないので、ここでしか拝むことが出来ない代物らしい

けどこれが完成したらきっと流通や重要事項の連絡が今まで以上に迅速に行われることだろう

その他にもこの帝国には私の知らない未知の物がたくさん存在していて、王国とのギャップの差が激しくて目を奪われてしまった



「あっご主人様、あんな所にギルドがありますよ」



フレイヤに声をかけられてようやく気がついたが、珍しい物に釘づけになっていたらいつの間にか中央の通りまでやって来てしまっていたようだ

目の前に建つ帝国のギルド。せっかくだから中の様子でも軽く見ていくか

中に入ると雰囲気が王都やレジティアのギルドとは違ってここはなんだかピリピリしているように感じる

見慣れない集団が入ってきた事で視線は私達の方に自然と集まった

奥へ進んで行くと席に座っていた1人の男が私の前に足を出して道を塞いできた



「おいおい、ここは可愛いお嬢ちゃん達が来るような場所じゃないぜぇ」



ただ軽く中の様子を窺って帰るつもりだったのに変なのに絡まれてしまった

流石に帝国までは私の事は伝わっていないようで、こういうチンピラまがいの者に絡まれるのも久々だ

男を無視し足を避けて先に行こうとすると、男が私の腕を掴んで止めてきた



「離してくれますか?」


「釣れねぇな、ちょっと位じゃねぇか?」



あまりにしつこいので掴んできた手を強く振り払うと、相手の癇に障ったのかより激しく絡んできた

酒臭い・・・かなり酔っているようだ。にしても流石にそろそろ鬱陶しくなってきた



「おいおい何とか言ったらどうなんだ?」


「あぁもう・・・いい加減にしろ!」


「おわっ!」



男を少し強く突き飛ばしたらよろけてしまい、その拍子に他の席に座っていた冒険者のテーブルに置かれていた瓶を床に落として中の液体をぶちまけてしまった

それを見ていた冒険者パーティは発狂して私の方に掴みかかってきた



「あー!私達が節約し苦労して買った大事なエリクシルが!ちょっと!どうしてくれんだい!」



掴みかかってきたのは男かと思っていたが、よく見たら女性の冒険者パーティだったのか

全員が男に勝るとも劣らないその筋肉のせいで見間違えてしまった


私が突き飛ばして割ってしまったのは瀕死の状態でも一瞬で全快状態にさせる薬エリクシル。高額な物を誤って台無しにしてしまったようだ

元はと言えばこの男が突っかかってきたのが原因なのだからこの男に弁償させたいところだが、酔ってて話にならないしここは余所者の私が支払ってさっさとこの場を収めて退散するとしよう

エリクシルなら魔法で作れるしバレないようこっそり作って渡せば済むはず



「すみません、弁償するので」


「あんた・・・いや、そうだね。エリクシルの代金の代わりに頼み事を聞いてくれたら許してあげてもいいわよ」


「頼み事ですか?可能なことならできるだけ聞きますけど・・・」


「決まりね。じゃあちょっとあっちの部屋に移動しましょうか」



ムキムキ女性冒険者達に促され私達は個室の部屋へと移動することとなった

わざわざ個室に場所を移すなんて一体何を頼まれるんだろうか


読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など思っていただけたら幸いです

少しでも気に入ってくれた方ブクマ、評価、感想等々頂けると大変励みになります

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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