35話 遺跡の探索
「今回3人に行っていただく試験内容は地下遺跡の探索になります」
「地下遺跡の探索・・・ですか?この辺りに遺跡なんてありましたっけ?」
「以前他の冒険者が依頼で山に入った時に見つけたそうなんです。その山はギルドの方でも再三確認してあった場所なんですが今回突如現れた未探索の遺跡です」
未知の遺跡の探索か。未探索の遺跡には知らない魔物や様々なトラップが仕掛けられている
そのような場所での試験・・・合格する基準はなんなんだろうか
「試験の合格基準は遺跡の調査完了範囲と内容で決定させていただきます。何処にどのようなトラップがあるのかとかこの場所は危険区域等詳しく調べて下さい」
そう言うと受付のお姉さんは私達に遺跡の場所が示されている地図を渡してきた
つまりはマッピング作業か。試験という割には合格基準が随分と曖昧な気がするが・・・まぁ未探索の遺跡ということはお宝とかも手つかずということ。何かいいものが見つけられることを祈ろう
「分かりました。じゃあ行ってきますね」
「お気をつけて。健闘をお祈りしています」
私達は街を出て早速遺跡がある山へと向かった
竜の姿になってもらったフレイヤに乗せてもらい、通常半日はかかる道のりをものの数十分に短縮させて目的地付近に到着することができた
そこから暫く歩くと地図で記されている遺跡に辿り着いた
遺跡は崖沿いの場所にあった。この場所は私も以前来たことがあるが遺跡があったような痕跡はなかったはず
けど遺跡の様子を見る限りかなり昔からこの場に存在しているように見て取れる
突然現れたというより今まで隠してあったような感じだ。長年の間隠し通せることができるなんてかなり高位の魔法だろう
その魔法の効果がここ最近切れていきなり現れたような感じになったのだろう
「今明かりを灯しますね」
フィオナに周囲を照らす魔法を使ってもらい、私達は遺跡の奥へと進んでいった
今回は私が前線を担い真ん中にフィオナ、殿をフレイヤに任せることにした
遺跡の中はいくつものトラップが仕掛けてあったが、探知魔法を使って事前に仕掛けられている場所を把握してトラップを避けながら進んでいく
途中いくつもの分かれ道があった。今回は調査が合否に関わるので全ての道を確認した
他の冒険者ならひとたまりもないようなトラップも私達の手にかかればどうということはない
順調に探索は進んでいき夕暮れ時になる頃にはその階層の探索も済み、別の階層へと続く扉を見つける事もできた
その日はそこまでにして一度遺跡の外まで転移門で戻り、野営の準備をして明日へと持ち越しにした
翌朝、昨日の場所まで戻り、別階層へと続く扉を開けて探索を再開した
昨日探索した階層がトラップが張り巡らされている階層だとするならこの階層はまさに魔物が巣食う場所で、休む暇もなく次から次へと魔物が襲ってくる
「ひぇ〜!倒しても倒してもキリがないですよこれ〜」
「あむっ!ん〜・・・ここに出てくる魔物はあんまり美味しくないですね」
無闇矢鱈に魔物に齧り付くフレイヤをよそにこの場の打開策を考える
幸い魔物は数が多いだけで大した強さではない。しかしこちらも無尽蔵のスタミナを持ち合わせているわけではない
あとどれ位いるかも分からない魔物に限られている体力を使うのは控えておきたいところだ
フレイヤの火炎魔法なら一掃することもできるだろうがここは遺跡の中で密室空間。炎系統の魔法では酸素が失われるので得策ではないな
「よし、この機会にアレを使ってみよう」
暫くの間2人に戦闘を任せて私はある魔法の準備を始める
発動しようとしているのは召喚魔法。この魔法を使うのは初めてだが手順は分かっているので問題ないはず
召喚する為の詠唱を唱えていくと魔法陣が構築されていく
詠唱が終わり最後に自分の血を一滴垂らして発動条件が整う
「来い!ケルベロス!」
「アウォォォォォォォォン!」
私が呼び出したのは三つ首の召喚獣ケルベロス
かつての仲間であったセーニャが得意としていた召喚魔法
見様見真似だったが上手くいったようだ
「ケルベロス、この辺りの魔物を片付けて」
「アウォン!」
指示を出すとケルベロスは勢い良く魔物の群れへと突っ込んでいった
このケルベロスは1つの頭につき1属性の魔法が使える事ができ風、土、水の3種類を扱える
その魔法と巨大な体を駆使して次々と蹴散らしていき、魔物で溢れかえっていた空間はみるみるうちにサッパリしていった
暫く待っているとケルベロスが最後の1体を仕留めこちらへ戻ってくる
これでこの階層の魔物は殲滅できたようだ
「お疲れ様。助かったよありがとうね」
「クゥン」
あんなに凶暴に暴れ回っていた者とは別人のようだ
でもこうしてよく見ると結構可愛いかも
「むぅ・・・!羨ましい・・・」
ケルベロスを撫でているとフレイヤが嫉妬してきたので一緒に撫でてあげると満足気な顔を浮かべた。なんか似てるな・・・
ケルベロスを戻して奥へと進むと次の階層に繋がる扉を発見した
大分奥まで潜ってきたから恐らくこれが最後の階層になると思う
扉をゆっくりと開けて奥へと進む。この階層は今までの場所と違って遺跡の劣化が感じられない
ここだけ保存の魔法がかけられていたようだ
遺跡の場所を隠していたことを考えるとこの階層にきっと何かあるはずだ
暫く続いた一本道を抜けると広間のような場所に辿り着いた
魔物の気配は感じないが警戒しながら進んでいくとフィオナが突然声をあげた
「2人とも、あそこを見てください」
フィオナが指さす方に目を向けるとそこには台座のようなものがあり、その上に1人の女性が眠っていた
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