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212話 交渉決裂

魔族の介入によって足止めをくらいそうになったところをラミアスとシエルに助けてもらい、私達とフレイヤはリュミエールとセレーネの力を借りる為大急ぎで移動を始める

立ちはだかる幼い子供とその従魔、そしてメイドを前に2人の魔族は完全に気を緩めていた




「おいおい、ガキとメイドと獣だけで俺達を止められると思っているのか?舐められたもんだなぁ兄者よ」


「相手が雑魚に変わったのなら好都合だ。あいつに言われた通りこんな奴等さっさと殺してこの怪物の拘束を解くぞ弟よ」




兄と弟と呼び合う魔族2人はディアボロの指示によってインフェルノ・グラトニーの拘束を解きにやってきた。この2人は魔族の中でも神聖属性の魔法に耐性があるという理由から抜擢、エレナが発動した天使の鳥籠という拘束魔法は外から拘束を解除されないよう迎撃する効果がある。しかしその分中の拘束力が弱まっていってしまう、魔族はそれを逆手にとってあえて迎撃の効果を誘発させようと画策していた

しかし格下といえどラミアス達がいてはそれをこなすのは流石に難しい。一方の戦闘経験が浅いラミアスやシエルもまともに戦ったら分が悪い事は理解している。拳を鳴らしながら今にも襲い掛かってきそうな魔族をラミアスが言葉で制止させた




「おいお前達、私が誰だか分かっているのか?」


「はぁ?いきなり何言ってんだこのガキ、お前の事なんて知るわけねぇだろ。怖くなったんならさっさとパパとママのとこにでも帰って最後の時間を過ごしてな。どうせここはもうすぐこのバケモンに全部飲み込まれちまうんだからよ」




弟と呼ばれている方の魔族はラミアスを見ても気づく様子はない、しかし兄の方はラミアスを見て何かを感じ取ったようだった




「いや待て、あの角どこかで見覚えがあるような・・・まさか!」


「どうした兄者、あのガキのことを知っているのか?」


「そっちが気づいたようだな。そうだ!我は魔王の娘、ラミアス・ボルディゴスだ!」




疑念を抱いていた魔族にラミアスは自身の素性を魔族の前で高らかと宣言した。それを聞いた2人の魔族は目を見開く

元から魔族とは対話を試みようとはしていたがここであえてカミングアウトしたのはラミアスの作戦でもある。自身より格上である魔族相手に端から戦う気などはなく、エレナ達が戻ってくるまでの間の時間稼ぎを目的として発言をした。魔王に娘がいたという事実を魔族全員が知っていたわけではないがこれで相手が少しでも動揺、躊躇しあわよくばこちら側についてくれればと考えてのこと。幼い身でもそこまで都合よくいくとは思っていなかったが、ラミアスの作戦通り魔族は攻撃の動きを止めラミアスの話に乗ってきた




「はっ?魔王様の娘だぁ?適当なこと言ってんじゃねぇぞ。魔王様に子供がいたなんて聞いた事がねぇ」


「いや、一度だけだがたまたま魔王様がご息女を肩に乗せて城内を歩いているところを俺は見かけたことがあるから間違いない・・・恐らくディアボロも知っているはずだ」


「なに?今ディアボロと言ったか?ディアボロがここに来ているのか?」




ディアボロという名にラミアスは憶えがあった。ディアボロは僅かな期間ではあったがラミアスの世話係として傍にいた事がある人物、朧気ながらも自分に優しく接してくれていた記憶がある。ラミアスを知っている者がここに来ているのならきっと話をすることができるだろう




「なぁお前達、ディアボロと話をしたいから案内してくれないか。ここに来た他の魔族達も命だけは助けてもらえるよう我が取り計らってやるから」




悪事を働いた者だとしてもラミアスにとってはようやく再会することができた同族でもある。過去にどんな因縁があったか分からないが両者の立場を理解できる自分が間に入れば和解も出来るかもしれない

そんなラミアスの甘い考えを兄の方である魔族は見透かしたのか僅かな逡巡の後口を開いた




「いくら貴女が魔王様のご息女でもこればかりは従えません。我々はこの時の為に長い期間をかけて準備してきましたので。ここに来た時点でやるかやられるかの二択しかないのです」


「そうか・・・ようやく同族が見つかって嬉しかったんだがな。話して無理なら戦って決めるしかないな」




魔族との交渉は決裂、ラミアスの希望は相手に届くことはなかった。恐らく他の魔族も目の前にいる魔族と同じ考えなのだろう

魔族はこれ以上の対話は自分達の首を絞めると判断し再度攻撃の態勢に入った




「どうやら人間と暮らしているうちにそちら側の考えに染められてしまったようですね。申し訳ないがこちらももう時間がないので手加減はできません。一時痛い思いをしてもらうかもしれませんが貴女は無理矢理にでも我等の元に連れ帰らせていただく」




その言葉を皮切りに2人の魔族はラミアス達に襲いかかってきた。キューちゃんの背中に乗っている2人はキューちゃんが新たに覚えた風魔法エアリアルウォークで飛翔している魔族の攻撃を躱しながら反撃。接近戦を仕掛けつつラミアスを奪おうと試みる魔族だがシエルが銃撃でそれを許さない。見慣れない攻撃に魔族は防御壁を張って銃弾を防いだ




「ラミアス様には指一本触れさせません」


「あのメイド、奇妙な武器を使いやがるな。先にあいつを殺っちまおう兄貴」


「なんとかエレナ達が来るまで時間を稼いで皆を助けるぞ!」






読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれたいただけたら幸いです

次話投稿時間はTwitterの方で告知させて頂きます。よろしくお願いします!

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