環境面・公害問題
★環境面・公害問題→控えめに言っても超ヤバいマジでヤバい
近年、電気自動車を普及させることについて数多の批判が発生するが、その批判の一つに電気自動車はエコでも何でもないという物がある。これは電気自動車は製造過程において二酸化炭素を始めとした汚染物質を通常のガソリン自動車に比べて多く輩出する傾向が非常に強い事と、電気自動車が走行する為に消費する電力を巡って発電方法によっては結局は膨大な二酸化炭素を排出する為だ。
二酸化炭素に関して言えば確かに製造過程における二酸化炭素の排出量は多いかもしれないが、発電所の発電方法が二酸化炭素を自然界に放出しないタイプであったり、放出しても放出量が少ないタイプであったり等に今後、変えていけば、車が製造されてからスクラップになるまでの期間に排出する二酸化炭素の事を考えればガソリン車よりは軽微であると言えるだろう(原発増設とか核融合発電とか宇宙太陽光発電ができれば、解決できると思うよ?ただのソーラーだとか風力で賄うとか言い出さなければ)。しかし、それにも関わらず、何故、この種の批判が絶えないのか。それは単純かつ明快で、二酸化炭素とは別の汚染物質を製造過程及び製造後において排出するからだ。
先に製造後の事について言うと、それは消耗した電池の問題だ。電気自動車に搭載されている電池には寿命が存在する。電池の宿命とも言えるから寿命は仕方ないが、適切なリサイクル処置や廃棄処置を行わない場合、電気自動車の電池にはコバルト、ニッケル、マンガン等々のもしも流出すれば土壌や水を汚染する材料がふんだんに使用されている。これが環境を汚染する可能性が指摘されいる。なら、適切なリサイクル処置や廃棄処理をすれば良いじゃないかと思うかもしれないが、確かに技術的には可能なのだが、コストがバカにならないのが現状(2024年現在)である。この為、これに対して批判が出るのだ。
先に製造後の話をさせてもらったが、製造過程の方に話を移ろう。
先にも言った様に電気自動車は二酸化炭素とは別の汚染物質も排出する。そして、よく指摘される筆頭格に揚げられるのが電気自動車の製造過程において、電気自動車にとっては無くてはならない電池の原料の採掘作業や精錬作業においての話である。
電気自動車にはリチウムを筆頭としてニッケル、マンガン等々の様々な希少鉱物が使用されているが、これを採掘したり精錬を行う際に実は膨大な量の汚染物質を排出するのだ。しかも人体に超絶有害な物質である。でも、日本で暮らしててそんなの見たことないよ?という人も居るかもしれない。それもその筈。これらの汚染物質は全て原料採掘国において発生しているからだ。そして、私達、先進諸国の人々がエコを口にしながら、電気自動車を作る度に日夜、膨大な量の汚染物質が貯められていっているのだ。
これは批判が出ても当然と言えば当然であろう。多くの発展途上国の環境や住民が先進諸国の主張するエコによって犠牲になっていると言えるのだから。二酸化炭素は確かに地球温暖化を促進させる可能性はあるが、人体に対する影響は大量に吸いでもしない限り殆ど無い。一方でこれらの汚染物質は地球全体には影響はしないものの、人体に対しては二酸化炭素よりも遥かに効果的かつ、長期に渡って人体を蝕む効果のある有害性である。
と、ここまで電気自動車が抱える問題の一部について触れてきたが、これは今回の題材の前書きみたいなものである。電気自動車の様に先進諸国では安全に使われていても、製造過程において原料の製造等で原料の生産国で深刻な環境破壊や汚染を引き起こしているという例は世の中、探せば数多存在している。
例を挙げるとすると自動車からところ変わって医薬品の中に赤チンと呼ばれる薬がある。余り聞いた事の無い人も多いかもしれないが(作者もその一人)、赤チンとは昭和の時代における常備薬とさえ言れる代表的な薬である。この薬、2020年に日本では製造が終了したのだが、その理由は2013年に締結された水俣条約によって製造が禁止された為である。正式名称、マーキュロクロム液と呼ばれるこの薬は、原材料に水銀を加工して作られるメルブロミンという物を使用しており、2020年まで日本の製薬会社はこのメルブロミンを海外から輸入して製造を続けていた。しかし、水俣条約が定める期限に基づいて2020年にメルブロミンも禁止された為にこの薬は日本から姿を消した。
水銀と聞いて、あっ……(察し)となっている人も居るかもしれないが、そうである。水銀である。日本では高度経済成長期に水銀中毒を原因とする水俣病が大問題となったが、その水銀である。つまり、日本の製薬会社は構図としては危険な水銀の加工は海外に任せ、安全になった物を輸入して薬として加工して販売していたという事になる。
水銀に関しては日本が主導となって作られた国際条約である水俣条約によって世界の広い地域で禁止された為に、現在においては、日本が間接的に関わっている水銀汚染というのは少なくなってきている。
2013年時点において世界的に水銀による汚染や健康被害が増加し問題となっていた為に水俣病を経験した日本が主導となって、この条約は作られた。しかし、水銀に関しては禁止されたが、電気自動車の様な例もあるのが実情なのだ。
この他にもプラスチックゴミも挙げられる。これも多くの先進国がやっている事に当てはまる話ではあるが、日本は日本国内で出たプラスチックゴミの中からかなりの量を海外に輸出し、その処理を中国やその他の国に任せている。何故かと言えば、人件費削減やプラスチックゴミが環境に悪影響を与える事を防ぐため多対策コストなどを抑える為だ(日本で行うと日本の法律に定められた高いレベルの対策をしなければならない)。だが、これは簡単に言えば、日本で処理すると金掛かるけど、海外で処理すれば、環境汚染対策に費用とかそんなにかけなくて良いから海外で任せているという事である。実際、輸出先の国々では環境汚染に対する法律が日本ほど厳しくなく、その結果として輸出先の国々では対策があまあまで環境汚染や健康被害が発生している。この問題に関しては2018年に中国が海外からのプラスチックゴミの輸入を全面禁止した為、現在は日本のプラスチックゴミ輸出は東南アジア圏への国々への輸出に完全にシフトしているが、2024年現在、日本はプラスチックゴミの国内処理体制を強化し輸出総量は年々減少傾向にある。
この様に電気自動車や水銀、プラスチックゴミの例を見ても分かる通り、多くの先進国は危険な物質の加工や処理を発展途上国(一部先進国がやっている例も存在する)に任せている例が存在している。もっと調べれば電気自動車や水銀、プラスチックゴミ以外にも様々な例が出てくるだろう(プラスチックはそのままの状態では危険ではないけど、適切な管理を行わず野山で雨風の当たる環境で放置し過ぎたり粉砕したり適切な処理を行わずに燃やしたりすると危険になる)。この事はGGIKKを考える上で重要な点である。
というのもだ。異世界転移後は日本はそれまでの地球経済圏から寸断される事により、これまで海外に任せていた様な危険な物質の生産や加工という物を自分達で行わなければならなくなるのだ。炭鉱開発や鉱山開発はその筆頭例として挙げられるだろう。日本における鉱山開発での環境破壊や健康問題での有名事案とすれば明治時代の足尾鉱毒事件が有名だろう。
流石に現代日本において足尾鉱毒事件並の事件が発生したり、中国の様に汚染物質を川に垂れ流して七色の川の光景が見られる様な可能性は有害物質に対する知見が広まっている為に無いとは思うが、それでも日本中で再び炭鉱や鉱山の開発が行われた場合、大なり小なりの公害問題を引き起こす可能性は残念ながら十分にあり得ると言える。それに異世界転移日本はかなり切羽詰まっている為、公害に対する対策が不十分なまま工事や事業を行うという可能性もゼロとは言えない。その場合、公害問題は必然的に発生する恐れが高まるだろう。大なり小なりの健康問題が発生するかもしれないし、土壌汚染や水質汚染が起こるかもしれない(個人的意見としては異世界転移後に川の近くに住んでいる人は気をつけた方が良いかもしれない)。
また、公害は炭鉱や鉱山でなくても発生するリスクある。それは工場などでだ。例えば、先ほど電気自動車の例を紹介した際に採掘作業や精錬作業と紹介したが、採掘作業はまぁ、鉱山等での現場が主な訳だが、精錬作業は何かしらの工場で行う物である。つまり、鉱山で採掘した物や場合によっては、その他原料を工場に運んでそこで加工するという事だ。この際に汚染物質が発生する例が存在するという事だ。上記で挙げた例的に言えば水銀もその中の一つであると言えるだろう。そして、これも先ほど言ったが、異世界転移日本は切羽詰まっている為、工場に関しても公害対策が不十分なまま新しい工場などが稼働するという恐れは残念ながらあり得ると言えるだろう。
ここまでの話を簡単に纏めると、つまりだが、日本国内で扱う一歩間違えば深刻環境破壊や健康被害を及ぼす危険な物質の数が異世界転移後は増加するという事だ。そして、最悪の考えられる状況として異世界転移後の切羽詰まった状況によって、それら細心の注意を払わなければならない危険物質の対策が不十分な状況が生まれてしまう可能性があるという事だ。
ここまででもかなり、うへぇ~となる内容であるが、公害問題はこれでは収まらないかもしれない。それは異世界転移後には石炭自動車(木炭自動車)が普及する可能性が非常に高いという点だ。石炭自動車は走行時に燃料を燃やして走行する訳だが、この時の排気ガス&ススが尋常ではない。この点に関しては除去フィルターの性能がどの程度かによって色々変わって来るとは思うが、仮にモクモクと煙が出ている様なら、石炭自動車が大量に普及した場合、日本中が昔の中国や現在のインドやエジプトのレベルにまで大気汚染が深刻化するかもしれない。
この他、これは公害ではないのだが、有機栽培の拡大による寄生虫の蔓延も考えられるだろう(デデドン!!(絶望))。人間の経済活動による汚染と考えれば、これも一種の公害と呼べるかもしれない。
これ、どういう事かというと、異世界転移後、日本は場合によっては石油不足よりもピンチな状況である肥料不足問題に直面する事になる(肥料不足問題に関しては食料生産面・スリランカ参考になる説を参照)。この対処法の一つとして昔ながらの農法である人間や動物の糞尿を集めて肥料にするという方法があるのだが、この方法がもしも採用され、日本中で拡大していった場合に考えられるのが寄生虫の問題なのだ。人間や動物の糞尿を肥料にするという農法は昔であればポピュラーな方法であった。しかし、これが廃れたのには廃れたなりの理由がある。もちろん野菜や作物を育てるのに非常に効率の良い化学肥料の登場の影響が大半を占める訳だが、それ以外の問題として寄生虫が挙げられるのだ。人間や動物の糞尿には寄生虫やその卵が含まれる場合があり、それを肥料として育った野菜や作物には、それら寄生虫や卵が付着して私達、消費者の元へと届けられる事があるのだ。すると、当然の事ながら、その野菜や作物を食べた人が寄生虫に寄生されて拡大する。そしてそこからさらに……といった具合にだ。実際、昔の日本人は非常に多くの人々が寄生虫に感染していたとされている(現在は寄生虫の感染者はかなり減少し学校における、ぎょう虫卵検査(寄生虫の検査の事)も行われなくなった)。この様な健康問題が存在している点も糞尿を使った肥料が廃れた理由の一つである。
しかし、異世界転移後には場合によっては、この昔ながらの農法が復活する可能性があるのだ。そうなると現在では殆ど見られなくなった寄生虫に寄生される人の拡大はかなり高い確率でやってくる恐れがあると言えるだろう。
異世界転移後に生野菜や生煮えの野菜や作物を食べる事は止めた方が賢明かもしれない。寄生虫はしっかりと過熱を行えば、寄生される心配は無い為、寄生虫にかかりたくないという人は、この点を抑えて異世界ライフを慎重に送った方が良いかもしれない。あとは、その他の公害に関する最新の情報にしっかりと聞き耳と対策を行う事で、自分への健康被害を防ぐ事も異世界ライフには重要だろう。
この様な最悪は公害オンパレードの状況が発生する可能性がある訳だが、もしもその様な社会が到来した場合、その様な社会において情報弱者になる事は自分のその後の健康的な人生を左右する事にもなりかねない為、常に情報収集を行い出来る範囲で対策を行う事が重要だ。
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うーん、異世界ライフの単語をこんな夢も希望もない文脈で見る事ってなかなかないっすねぇ……(白目)
なお、危険な汚染物質の方の話ですが、この状況は異世界転移後から、かなりしばらくの時間がたって(たぶん少なくとも転移から10年以上は後)、日本工業界が異世界の地に本格的に進出し生産体制を日本本土から移転させれば、日本国内の状況は安全に近づくと言えます。これは地球に居た頃と同じで、危険な物質の生産や加工を海外に任せるという構図が再び出来上がる為です。この状況が倫理的に良いのか悪いのかは横に置いておいて、経済的に見れば日本国内の炭鉱や鉱山はコスパが悪すぎる状況には変わらない為(だから日本の炭鉱や鉱山の産業は壊滅した)、この炭鉱や鉱山の産地が日本本土からそれ以外の場所に移り変わるというのは、異世界の地において有望な炭鉱や鉱山が発見されれば、そちらの開発に移行されていくというのは当然の事と言えます(だって日本国内の炭鉱や鉱山はコスト高すぎなんだもん)。そして、産地が移動すれば、そちらに工場を置いて危険な物質を扱おうとするのも、産地に近い方が色々便利な訳ですから、当然と言えます。この為、経済的に見れば、この動きにシフトしていくのは必然と言えるでしょう。仮にこれが起こらない or 進まないとすれば、その理由は、異世界の地に有望な産地を発見できなかったか、産地はあってもインフラが整ってない為にまずはそっちの工事からやらなきゃいけないか、もしくは、国際情勢や地域情勢、政治的もしくは思想的な理由等が原因として考えられるでしょう。




