林業面・食料革命説
★林業面・食料革命説→できたら革命的。ひしぶりに明るいニュース!!!!!
今回、紹介する説は木材のとある利用方法に関する説だ。
近年、木材の利用方法を巡って日本が異世界転移した場合に日本の食料事情を巡って革命的な影響を与えうるとある超特大大発明がされた。
それは木の発酵技術の発明である。
日本の森林総合研究所が史上初めて木を発酵させて飲用アルコール、つまりは酒を作る技術を世界で初めて発明した。
これがどれだけ凄い事かというと、これまで、木を人間が摂取する場合、木には食物繊維の一種でもあるセルロース、ヘミセルロース、リグニン3つの成分が豊富に含まれており、木を人間が摂取しても体で消化吸収ができなかった。ましてやそれで酒を作るなど論外であった。
この3つの成分の内、セルロースとヘミセルロースは酵素や微生物によって分解されやすい成分だが、リグニンが硬い細胞壁を形成しているため、木を直接に酵素や微生物で分解することは困難だった。これがどういう事なのか簡単に説明すると、野菜や普通の食べ物は屋外に放置していれば、すぐに腐ってしまうが、山林の中に入ると倒れた木々が目に付き、腐らずに非常に長い期間残っている物が多いのが分かると思うが、これがリグニンの成分による影響なのだ。
リグニンは木の耐久性を高くしている効果がある。リグニンがあるから木は腐りにくく、建築材としても、様々な物を作るにしても重宝されている。だが、人間が摂取という事を考えると、これによって摂取が出来ない状態になってしまっているのだ。
しかし、今回、日本の山林総合研究所が発明した湿式ミリング処理と呼ばれる処理技術はこの問題を解決する事に成功し酒を作る事に成功した。
工程としてはまず、木材を粉砕して木の粉にし、それを飲料用水と、ある割合で混ぜてから、ビーズミル装置と呼ばれるカラーインク工場などで良く使用されているという微粉砕装置に入れて、1μm以下のサイズにまで粉砕。ビーズミル装置を利用する事により、それまでは不可能だった1μm以下のサイズの木材を作り出す(これによって難敵リグニンを木っ端微塵に粉砕する事に成功した)。ビーズミル装置から出てきた微粉砕された物は露出したセルロースが水分を吸収して木材スラリーと呼ばれるドロドロとした粘度のあるクリーム状の物体になる。あとは、それに市販の酵素( セルラーゼ )を投入する事によりブドウ糖に分解する事が可能となり、そしてできたブドウ糖は醸造用酵母によって発酵しアルコールとなり、これによってアルコール度数1~2度の醸造酒を精製する事ができ、さらにここから発酵もろみや蒸留を行う事によってアルコール度数30~40度の蒸留酒を作るという物である。
人類史上、恐らくは史上初めてとなる木で作る酒が誕生した。
この木の酒の精製方法は2018年に特許が出願され2021年にこれが認められ権利化されている。森林総合研究所単体で権利化することで、日本の様々な山村地域で木の酒の事業化を目指す民間企業、団体に幅広くライセンス提供することを目的としているのだという。そして2023年現在、木の酒は2022年に販売が始まり、販売が既に行われている。お酒に興味のある人は購入してみると面白いかもしれない。
これは間違いなく素晴らしい研究だ。間違いなく人類の酒の歴史に新たな1ページを築き上げた。大きな歴史的第一歩である。
そして、この技術の発明はGGIKKを考える上でも、もしかしたら異世界転移後の日本にとって、革命的な大きな発明であるかもしれない。どれだけ革命的かというと、もしかしたら、日本の食料不足を大幅に改善する可能性を秘めているかもしれない。
GGIKKを考える上で今回、重要なキーワードはブドウ糖と発酵だ。ブドウ糖と発酵は非常に重要なキーワードである。ブドウ糖、これは炭水化物を構成する物質である(炭水化物は糖質(ブドウ糖など)と食物繊維で構成される)。つまり、この技術によって木を使って炭水化物を構成する物質を人工的に作れるという事である。私達が普段よく食べている炭水化物はといえば?米やパンだ。
(なお、そもそも、全く無加工状態の普通の木の成分は半分程が炭水化物であると紹介されている資料もある。一方で逆に全く無加工状態の普通の木は炭水化物を含まないとする資料もある……。一体どっちなんだ……(困惑)。ただ、どちらにせよ、人間が木を摂取するにあたっての最大級の難壁はいずれの場合でもリグニンなのは共通している)
これはこの技術を使って、どれだけの量のブドウ糖を精製できるかにもよるものの、この技術を応用すれば、何らかの米やパンに相当する様な新たな炭水化物食品(主食)の開発が可能であるかもしれないと言う事である。
どの様な物になるかは想像もつかないが、木の発酵に関して、どうやら酒用の酵母以外にもパン用の酵母でも発酵するという話なので、もしかしたら、そのまだ見ぬ新たな炭水化物食品の姿はパンなのかもしれない。もしも、パンの製造が可能な場合、木材スラリー自体を酵素投入後に発酵させる事ができる事から、小麦粉や大麦粉、米粉など一切不使用の完全100%木粉のパンが生まれる可能性もあるかもしれない。
古代エジプトではパンを使ってビールを作っていたと考えられている。パンとビールは表裏一体の関係性がある為、酒が作れるならば、その逆も、もしかしたらあり得るかもしれない。如何せん、木で酒を作ると言う話が出てきたのが本当に最近の話で、これを書いている作者もほんの数日前(今回のコラム?エッセイ?を執筆するほんの数日前。なお、本コラム?エッセイ?の執筆は投稿日の凡そ1カ月半前に書き始めた)に偶然「木 発酵」で検索!検索!した時に知ったレベルの最近の話である為、まだ詳細が良く分からない。
新たな炭水化物食品を作れるとして、それがフワフワのパンなのか、はたまたフラットブレッド系のパンなのか(フラットブレットにも色々ある。ナンみたいだとか、ロティみたいだとか、トルティーアみたいだとか、はたまた縄文パンみたいだとかetc……)、もしくはパンなのではなく麵なのか、クスクスなのか、甘酒の原料でもある酒粕をそのまま焼いて作る焼き酒粕と似た様な感じの食べ物なのか、餅系なのか、はたまた小麦粉粥の様な食べ物なのかもしれない(木材スラリーの様子から想像)。もしくは全てか。
ただ、やはり木材が原料である為、米や小麦などに比べると栄養に偏りが生まれる可能性もあるだろう。しかし、発酵するという事は、ある物の様な物の製造が可能になるかもしれない。それは、イギリスで広く国民的に愛されパンに塗ったりスープに入れたりなどされている伝説の万能食品兼、健康食品……マーマイト!(デデドン!!)
マーマイトはイギリスで広く食べられている伝説の発酵食品だ。ビタミンBを多く含み、ビールの酒粕を主原料とし、イギリスやニュージーランドなどで生産されている。多くの国々ではその味と匂い故に不評だが、栄養満点で非常に優れた健康食品として有名だ。
さて、木でアルコールを作ると当然、酒粕が発生する可能性がある。多くの酒は造る過程で酒粕が発生する為、木も同じである可能性がある。これを使ってマーマイトとは言わないまでも、栄養豊富な何らかの発酵食品の開発が行える可能性があるだろう。不足する栄養素を補填できる可能性がある。
さらに、ブドウ糖を精製できると言う事は、ブドウ糖は砂糖の一種でもある事から量産体制次第ではブドウ糖のみを抽出し砂糖の代用品としての用途活用も期待できるかもしれない。
もしも、これらの食品の開発と大量生産が可能な場合、材料となる木々は日本国内には大量に存在している為、ほぼ主食に関してだけ言えば、もはや心配がいらないレベルでの大量の供給が可能となるかもしれない。主食には木で作った炭水化物食品、それと一緒に木で作った発酵食品をセットに食べる光景が広くみられる可能性があるだろう(味は分からないが……)。また、日頃食べる甘い物にも木から作られたブドウ糖が使用されている可能性もある。
この様に上手く事を進められれば、食料問題を一気に好転させる可能性がある。
もしも、これらの食品が技術的に製造が可能であり、なおかつ大量生産が可能で、新たな炭水化物食品がパンみたいな食品で、発酵食品がマーマイトみたいだったとしたら、もしかしたら、状況次第では異世界転移後の日本人の朝食はイギリス人みたいにマーマイトの様な発酵食品をパンに塗って食べたり、イギリス人みたいにスープにマーマイトを溶かして飲んだりしているのと似た様な生活に変貌を遂げるかもしれない。そして、日本人が一般的に飲む酒リストの一覧も木の酒が加わっている変貌を遂げているかもしれない。
木で酒を作る技術……この技術はもしかしたら、異世界転移後の日本の命運すらも左右する非常に重要な大きな意味を秘めている技術なのかもしれない。
ひとつだけ確かな事はこの技術の存在によって、もしかしたら異世界転移後、食料の問題が解決するまでの間は、少なくともアルコール類の製造はこの技術を使って作られる物が主流になる可能性が出てきたという事だ。
日本酒、ワイン、ビール、ウイスキーなどこれらの酒類の材料は米、小麦、大麦、果実、芋などが使用されている。しかし、異世界転移後の日本は深刻な食糧問題を抱えた状態である為、この様な状況の中、重要な食料品である米、小麦、大麦、果実、芋などを酒類に変えるというのは国民から反発を受ける可能性がある。少なくとも生産量の大幅な縮小は避けられないだろう。
しかし、木で作る酒ならば、反発を受ける可能性は低いと言える。まず、木で新たな炭水化物食品が作られない場合は、単に食用としては微妙な立ち位置の木を使うという訳だから食べても栄養の摂れない物を幾ら使おうとも、そこまでの反発は恐らくは少ないだろう。一方で新たな炭水化物食品や発酵食品が作られる場合でも木で酒を作るという行為は国民向けの食料品を作る過程でできる物なので、こちらも反発は少ないだろう。
また、消毒用などのアルコールを大量生産する場合にはその用途でも、理由付け可能である。消毒用などのアルコール面で言うと、消毒用のアルコールや工業用のアルコールはナフサと呼ばれる原油由来の物質から作られる為、異世界転移後の石油不足の状況を考えると、石油以外から作られるアルコールの生産というのは、代替手段としてはかなり注目される可能性がある。
原油由来の物質を使用しないアルコール類の生産となれば、従来通りの手段では植物由来の成分から作る方法に頼るしかないが、植物由来となると米、小麦、大麦、果実、芋、トウモロコシ、サトウキビなどが原料として使用される事が多いが、問題はこれら全てが食料であると言う事である。日本が深刻な食糧問題を抱えている事を考えると、これら従来の材料でのアルコールの大量生産の確立は現実的ではない可能性が高いと言わざるを得ないだろう。これら従来の物でアルコール類の生産が可能になるには日本の食糧問題が解決していなければいけない。そこで残る選択肢が木という訳だ。木ならば大量に存在している為、困らないのである。
この為、木で作られるアルコール類はもしかしたら異世界転移後、少なくとも日本の食料の問題が解決するまでの間は日本の社会を様々な面で支える重要な基盤となっているかもしれない。
今回の一連の話の簡単まとめ。
つまり、木を加工して人間が摂取しても体に吸収する事ができる技術が近年発明された。木の利用方法としては今回の話は酒以外にも食料品にまでその幅を広げる事ができれば、異世界転移後の日本の食糧事情が一気に好転する可能性がある。木を摂取して栄養として体に吸収する事ができるという点において、前回の林業面のコラム?エッセイ?で紹介した木を使ったグルメはいずれも(昆虫食以外)、ただ食べ物の量を木を使って、かさ増ししているだけで、栄養には一切ならずに木は身体から排泄されてしまう為、今回紹介した内容はそれとは大きく一線を画す。
☆参考資料
〈 木そのものを発酵して造る香り豊かな新しいお酒 山村地域の振興 〉
〈 木から香り豊かなお酒を造る | July 2021 | Highlighting Japan 〉
〈 木材の発酵技術:木から生まれたアルコール 〉←↑日本の研究
〈 木から食品へ。木材を動物飼料用タンパク質に変換 〉←↓フランスの研究
〈 代替タンパクの新しい原料は木材? 〉
以上、今回の説を書くに当たって参考にした参考資料一覧。上3つは木から酒を作る日本の研究に関する資料で、4つ目以降はフランスで行われている木から動物飼料を作る別の研究の資料。日本の研究は既に必要な物などコスト面がはっきりしてきており、事業化も既にしている為、参考資料として申し分ないが、フランスの研究に関しては、動物飼料の開発には成功したようだが、製造に必要な物などのコスト面の情報が大幅に不足(このフランス企業が開発した技術の製造コストが異世界転移後の日本にとって高すぎる場合はこのフランスの研究資料に記載されている技術内容に関しては参考にできない可能性がある)。しかし、このフランスの研究内容の存在は、木を原料に動物が消化できる食品の開発が可能であるという事を示している為、その点は非常に重要である。
☆おまけ 木製食品のデメリット
今回の説で紹介した様な技術などを使って、人間が栄養摂取可能な木製食品の開発と大量供給が行えた場合の大きなデメリットは殆ど無いと言って良いだろう。下手をすれば肥料不足でただでさえ少ない自給率が生産量激減で飢餓まで発生してもおかしくない状況である事を考えると、その状況を一転させる可能性があるのだから当然だ。
しかし、あえてデメリットを上げるとするならば、伐採面、食文化面、外交面だろう。伐採面は非常に深刻であると言え、しっかりと政府が伐採する量と植林の量を徹底管理せずに、無作為に伐採が拡大すれば日本は十数年の間には、あっという間に禿山ばかりになって色んな意味で詰んでしまうだろう。
食文化面的なデメリットで言えば、ハッキリ言って食料不足の状況下を一変する可能性を秘めているが、それは裏を返せば広く食べられる可能性があるという訳で、日本の食文化が大きな変化を迎えてしまうかもしれない。もしかしたら、地球においてはイギリス料理が世界で一番不味いなどと言われる事がよくあるが、今度は異世界においては、日本の食事が世界で一番不味いなどと言われてしまう様な事態も可能性としてはあり得るだろう。
そうでなくても、上手く木製食品の開発が出来た場合、日本は酒や新たな炭水化物食品の他、発酵食品、ブドウ糖(砂糖の代用)などの大量供給を得る事ができる可能性があるが、そうだとすると、異世界転移後には様々な調味料(ごま油や香辛料など)が輸入先が途絶える事によって深刻な品不足している事を考えると、これら調味料は流石に木では代用できない為、食卓の味が調味料不足により、かなり変な方向に傾いてしまうという可能性が出てくるだろう。
どういう事なのかというと、国産品で作れる調味料、砂糖、塩など、これらがあるのは分かると思うが、木製食品が開発されずに、これしか存在しないなら、まだ全般的にあらゆる調味料が不足している傾向となる為、変な偏り方というのはしないかもしれない(調味料の何もかもが最低限以上の水準の量を市場に供給する事が出来る程、豊富にはないから。ちなみに恐ろしい事に日本は大豆の9割を外国から輸入してるんだけど、大豆は醤油の原料としても使われている。日本で使われている醤油は凡そ97%が外国産の大豆を使用している。という事は異世界転移したら……デデドン!(絶望)さらに恐ろしい事を言うと、味噌も現在流通している物は90%が大豆を使用している。つまり味噌も異世界転移したら……(戦慄)ただし、味噌に関して言えば朗報があって味噌は大豆を使用しなくても作る事が可能である。ただし、米を使わなくてはいけないが……。あれ?ただでさえ、食料問題が叫ばれる中、米を味噌にする事なんて満足にできるのだろうか……)。しかし、もしもそんな状態で、木製炭水化物、木製酒、木製砂糖、木製発酵食品のみが急速に大量流通出来る様になったらどうなるだろうか。多くの人々が一気にそれらを使いだすだろう。
この状況は例えるなら、何か料理をしようとしたとして食材はあるが、使える調味料は、貴重であまり沢山使いたくない種類の調味料の他には、沢山使える物として塩、砂糖、酒、発酵食品しかないみたいな状態である。この様な状況で料理がどうなってしまうかなど想像に難くない。もしも、この様な状態が長期間続けば、もしかしたら最悪、日本人の味覚は明後日の方向へと突き進んでしまうかもしれない。
(あり得るかもしれない例・寸劇、日本の朝の日常風景壊れちゃった……:しまった!寝過ごした!いけない!早く朝ごはんを食べて学校に行く支度しなくちゃ!お母さん!今日の私の朝食は!?え?もうとっくに準備してあるって?じゃあ早く食べて学校に行くね!いただきまーす!木のパンにマーマイトみたいな味がする木製発酵食品を塗って食べて、あとはマーマイトみたいな味がする木製発酵食品と塩で味付けした野菜スープを飲んで、木製ブドウ糖で甘くした木のお茶を飲んで……よし!これで準備完了!それじゃあ、行ってきまーす!)
外交面的なデメリットで言えば、異世界の国に誤解を与えてしまう可能性がある。例えば異世界の国から外交官なりが日本にやって来て日本人は今、何を食べてるのかと聞かれた時に木を加工して食べてるんだと言えば、その場に居る外交官は木が食べられるのかと半信半疑となりながらも、実際に日本に居るのだから木を使った食品を食べてみるなどして、本当に食べられると驚くかもしれないが、外交官なのだから当然、この話を本国の方に持っていくだろう。日本人は木を食べていると。しかし、本国の人間は、日本を直接見た事がある訳では無い為、日本は木を食べる程、貧乏で貧困に喘いでいる国だと誤解を与えてしまう可能性がある。日本人は木を食べている。このフレーズは間違ってはいないが、意味が間違って伝わってしまう可能性がある。
さらに日本と外交関係を持った国を通じて日本と直接的な交流を持たない国が日本の情報を仕入れた場合にも、日本人は木を食べているという情報が勝手に一人歩きし、日本に対して誤った認識を異世界に広めてしまう恐れがあるかもしれない。




