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科学技術面・安全保障面・半導体問題!!!!!

 

★科学技術面・安全保障面・すっごくタイムリーな話題、半導体問題!!!!!→!?!?!?!?!?!?!?


ものすっごくタイムリーな話題。


最近(2021年11月現在)、台湾の世界的半導体大手企業のTSMCが熊本に建設する工場の情報がいくつか出てきた。

その情報のおかげで、現在の日本の半導体を巡る悲惨な現状が露になった。


これは、GGIKKを考える上で非常に重大な事実なので解説させてもらう。


まず、半導体とは何かを分からない人に向けて軽く説明させてもらうが、半導体とはコンピューターの処理に無くてはならない部品の事である。コンピューターの脳みその重要な一部と考えてもらって良いだろう。では本題に移ろう。


日本における半導体の状況についてだ。

かつて日本の半導体は世界を席巻していた。1980年代から2000年代にかけてである。

この時代、日本の半導体は世界シェアの50%に達していた。


しかし、その後、日本の半導体産業は他国の半導体企業にしだいに負けていき、国際市場バトルで完全に敗北。2021年現在では世界シェアは僅か10%にまで低下してしまった。


この間を半導体業界では失われた30年と呼んでいるのだそうだ。

この30年間、半導体業界や政府は何も指を加えてシェアが下がる状況を見ていた訳ではない。様々な対策を講じてきた。しかし、対策はすべて失敗。現状になってしまった訳だ。


さて、GGIKKを考える上でここで大きな疑問が現れる。

現在の日本が作れる半導体とはどれくらいの物なのかという事である。この疑問はGGIKKを考える上で非常に重要な疑問だろう。


ここで、それに触れる前にTSMCの報道が出てくるまで、私が思っていた、これに対する私の認識を伝えておこう。


私は言うても、日本企業は最新技術を保持しその気になれば世界に通用する物が作れると思っていた。


しかし、それは残念ながら幻想であった。


それを露にしたのが今回の台湾の半導体大手TSMCの半導体工場を日本が必死のアピールで熊本に誘致した半導体工場の話でである。


この誘致された半導体工場、日本からの数千億円規模の補助金によって建設される。

計画はもちろんTSMCが主体だが、ソニーグループのほか、デンソーも協力するそうだ。


日本の半導体業界からは誘致成功で歓喜の声が各地で上がっている。


さて、この工場で作られる半導体であるが、工場の誘致に尽力してくれたまさに日本の半導体業界にとって英雄級の人物の一角である黒田忠広教授が報道で語った事によると、工場が設置されれば、この工場で生産される半導体は日本国内で文字通りの最先端の物となるのだそうだ。


すばらしい!とここまで聞けば思うかもしれない。

だが喜ぶのはちょっと待って欲しい。この後が重要なのである。


黒田忠広教授によると確かにこの工場は日本国内では最先端の工場になるという。しかし、その工場で生産される半導体はなんと世界最先端の半導体ではなく、10年前の技術水準の半導体なのだそうだ。


…………。


世界から見て10年前の技術が日本国内では最先端技術……?


…………。


いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!そりゃあ世界シェア持ってかれますわ!!もう衰退しきってるじゃないですか!!!!!!


だてに世界シェアが50%から10%に減った訳じゃないって事っすね……。


もちろん、日本企業も技術開発とか頑張ってたんでしょうし、実際、日本の半導体技術関連のニュースを見ると日本も世界から一目置かれている様な半導体技術もあるんですけど、この現状を見るに全体規模で見ればダメだったって事なんでしょうかね恐らく……。


では、この熊本工場で生産される半導体の概要を見てみましょう。

この工場では22~28nmプロセスの半導体が生産されるそうです。


現在、世界最先端をゆくTSMCが作っている最新の半導体は5nmプロセスの半導体なのだそうで。この技術はiPhoneやMacBookに使われるAppleシリコンのうち、最新のM1やA15 Bionicがこのプロセスの技術で製造されているそうです。その次の7nmは、PlayStatino5やXbox Series Xで使われていることで有名なのだそうです。


では日本に作られる工場の22~28nmプロセスの半導体はというと、上記の最先端の技術から見れば明らかに何世代も前の技術ということになります。そして実際に現時点での報道を見るとそうなのだそうです。PC向けで22nmが最新技術だった時代は、だいたい10年くらい前の話なのです。


10年前というと、2021年現在から見て2011年ごろのPCですね。


この工場で生産される半導体は自動車や家電向けに生産されるのだそうです。


なお、ちなみにですが、半導体の国際市場バトルで敗北した日本メーカーが現在生産できる半導体は40nmプロセスの半導体を作るのが限界なのだそうです。これらは自動車や家電に使用されているそうですが、まぁ……ね?これが残念ながら日本の現状という事です。


なぜ数千億円もかけてTSMCが古い規格の技術の工場を作るのか、ですが、これにはTSMCなりの世界の半導体市場を巡る話があるので、興味のある人はぜひ自分で調べてみて下さい。ここで現在(2021年11月20日現在)分かっている範囲の解説をしても良いんですが、それをすると本題から脱線しまくってしまうので今回はしません。


さて話を戻します。


この衝撃の事実はGGIKKを考える上で非常に重大な事実となります。

なぜなら、この熊本工場が国内最先端技術という事実は、異世界転移後、日本国内の半導体技術が10年は後退してしまう事を示しているからです。


つまりですが、異世界転移後に日本がスマホを製造した場合、そのスマホの性能は現在のスマホと重さも大きさも同じだったと仮定するとその性能は、とてもじゃありませんが、現在の最新スマホには遠く及ばない性能となってしまうという事です。


間違いありませんが、現在最新のiPhoneは作れません。


現在と同じ性能のスマホをこの技術で作ろうとすれば、スマホの重さであったりサイズが大きくなってしまう可能性が高いのではないでしょうか。


よく、発展途上国が先進国から工場を誘致して技術の習得や国内の産業の強化を狙う事が世の中にはあります。日本は基本的にはそれを相手の求めや現地の人件費の安さを見てそれをする立場の国です。自動車工場だとか、その他の産業の製造工場が、日本から海外進出をする様子を見ればそれは理解できるでしょう。しかし、半導体に関して残念ながら、まったく逆の立場となってしまったという事です。


30年間で日本の半導体業界は衰退しきり、逆に海外から誘致しなければならない事態に陥ってしまったのです。それが現在の日本の半導体を巡る状況の様です。


次に半導体を巡って重大な出来事がもうひとつあったのでそちらも解説します。


現在、東南アジアではコロナによって経済活動が大幅に制限されています。その結果、日本にも大きな影響を与えています。


給湯器で使われているコイルや半導体が製造国であるベトナムから必要な数が手に入らなくなった事で日本国内で深刻な供給不足の状況となっているのです。この為、ちまたでは給湯器が故障した家の中には最悪、1ヶ月はお風呂が使えないなんていう家も出ている様です。


どうやら、日本の給湯器のメーカーの部品製造工場が海外にあったようです。

これは、日本を支える産業の工場がやはり人件費を安く抑える為に海外に多くある事を示している良い例でしょう。


コロナはやっぱりGGIKKを考える上では非常に良いサンプルです。


2020年から2021年現在までに起こった事は異世界転移した日本にとって非常に密接に関わってきます。


では、半導体を含めてIT関連機器で発生した問題を軽く列挙してみましょう。


・2020年、中国経済がコロナの影響によって停止し、中国からIT関連機器の部品が入らなくなった事で、日本国内において電子機器の部品不足や値段の高騰が起きた。

・2020年から2021年、世界的な半導体不足によって製造している電子機器が市場の需要に対して不足し値段が高騰した。

・2021年、東南アジアでコロナが蔓延した結果、日本国内において給湯器の部品が不足した。


これだけを見ても現代日本の産業や生活は、やはり、日本企業が海外に置いている工場や、海外企業からの輸入によって密接につながっている事が分かります。


日本が異世界転移した場合、これら海外からの繋がりが一切切れるという事を考えると、日本国内において深刻な事態となるでしょう。


個人的に非常に問題点だと思うのは、日本の持つ半導体技術が10年以上も遅れている点と、給湯器の問題です。


まず、異世界転移前と同じ規格の最新鋭の電子端末が作れなくなる点と、最新鋭ではないにしても、民間で広く使われている生活に非常に直結した給湯器の様な家電の部品が確実に深刻な不足を起こすという点です。


最新の電子端末が作れなくなるというのも大きな問題ではありますが、生活に直結して使われている家電の半導体や部品が不足するというのも非常に大きな問題でしょう。


例えばですが、給湯器の場合、異世界転移後に冬の到来が来た時に深刻な事態の発生を迎える可能性もあるでしょう。給湯器の様な家電に使用する低い性能の半導体は技術自体は日本メーカーも持っていますので、いずれは生産体制が整えられるとは思いますが、それまでは深刻な不足が続く事となります。


お湯難民が発生する可能性があるでしょう。

田舎ならば、給湯器が故障しても、木や木炭や物を燃してお湯を得るという選択肢があるかもしれませんが、都市部においてはそれは難しいでしょう。燃やす場所がなかなかありませんし、燃やすものを用意するのも民間人だけでは一苦労です。場合によっては自治体や自衛隊がお湯を提供する為に動かなければならないかもしれません。


また、給湯器以外にも電気ストーブ、ヒーター、エアコン、床暖房などetc様々な家電で半導体や部品が不足する事で故障した場合に修理が困難になる事例が増加する事も予想されます。これは今回のコロナによる給湯器問題ではベトナムがコロナ対策を他の東南アジア諸国に比べて厳しめにやって経済活動が鈍化している為に、ベトナム工場製の半導体や部品の不足が露になっていますが、実はそれ以外の国にも家電向けの部品や半導体の生産工場は人件費の安さから東南アジアに広く置かれているのです。そして実際に、給湯器ほど問題にはなっていませんが、これらの国々でもコロナは蔓延している為、部品や半導体の供給量が減っている様です。つまり、異世界転移後はこれら海外の日本メーカーや海外メーカーの海外工場からの供給が寸断されます。日本の転移先の気候に冬がある場合、そして転移前の気候と転移後の気候が変わらなかった場合、冬の厳しい北海道や東北地方においてこれは重大な問題になる可能性があるでしょう。これも場合によっては自治体や自衛隊が動かなければならない様な事態になる可能性もあります。


例えば、寒冷地にお風呂を設置したり、燃やす物を届けたり、毛布などを届けたり、体育館など広い場所に暖房をいれて寝泊りができる簡易避難所の様なものを作ったりする必要性がでてくる可能性もあるかもしれません。


これは私の予想ですが、半導体や部品の不足による故障した暖房や給湯器関連の修理が滞る事で大問題となるのは異世界転移後1年目以降かもしれません。


というのも、私の家の給湯器や暖房は運が良いのか何年も壊れてはいません。

ですが、世の中には故障は年間にしてかなりの件数がある事は容易に予想できます。ですが、私の家の例を見ても分かる様に、すべてが故障する訳ではないので、転移1年目程度では、まだ何とかなると思います。ですが、故障件数は時間経過と共に積み重なっていくので、その数の増大と共に社会問題となっていく可能性があるのではないでしょうか。


この状況が改善されるには国内の半導体の生産体制が異世界転移による諸問題を乗り越えて再構築されてからではないとダメでしょう。


次に安全保障について。


ここまで読んでいる人の中には、こう思っている人ももしかしたら居るかもしれません。


ミサイルとかレーダーとか自衛隊の装備ヤバイんじゃない……?っと。


正直、私もこれは思いました。

なので調べてみました。


結論から言うと分かりません。


2017年時点の報道では自衛隊の装備向けの半導体は東芝などの国内企業が生産している事が分かっていますが、2021年現在もそうなのかはよく分かりませんでした。


ただ、東芝は衰退した現在でも半導体事業を維持しており、レーダーやセンサーなどの分野で強いそうですので、今でも防衛装備向けに提供しているかもしれません。安全保障の事を考えると自衛隊装備で使われる半導体のすべてを海外企業に外注しているとも思えません。


あくまで私の予想ではありますが、少なくとも2017年時点で、すでに自衛隊で現役であった装備は国内で半導体を供給ができる体制なのではないかと思います。


ただし、2017年以降に導入された装備に関しては不明です。それ以降の装備に関してはもしかしたら、アメリカや台湾の企業から最新鋭の半導体を供給されているという可能性もあるかもしれません。何せ、日本が製造できる半導体技術は10年以上も前の水準なのです。あり得ないとは言えません。その場合、最新鋭の半導体を使用している装備は予備の部品のストックが無くなったらすぐには利用ができなくなるという可能性が出てくるでしょう。


次に、異世界転移後10年は衰退した半導体技術を現代水準にまで取り戻す事ができるのかについて。


恐らくですが、これは可能であると思います。

ただし、10年もしくは10年よりもそれ以上の時間が必要でしょうが。


どういう事かというと、異世界転移後、日本に取り残された海外の大手半導体メーカー(TSMC以外。TSMCは工場が存在する為)の目線で見ればこれは分かるのです。


異世界転移後、地球と寸断された海外の大手半導体メーカーは当然の事ながら大打撃を受けます。地球の工場や開発チームや経営陣と寸断されるからです。これらの企業がてっとりばやく日本国内で利益を上げる方法として、日本企業と契約して、設計図や技術を公開し製造を依頼する、もしくは知的財産(設計図や技術)を売る、もしくは貸し出す、リバースエンジニアリングを許可するなどなどetcという方法があるのです。


海外半導体メーカーはこれによって日本に工場が無い場合でも定期的な収入が得られるでしょう。

日本企業からすれば半導体技術獲得の面もありますが国内の深刻な半導体状況を改善する手立てになるでしょう。


ただし、技術が公開されたり、技術が売られたり、貸し出されたり、リバースエンジニアリングであったりをしても、すぐには最新の半導体技術を取得できる訳ではありません。


なぜならば、国内に製造設備が無い為、製造設備を研究開発するところから始めなければならないからです。さらには異世界転移によるその他の問題(資源や燃料などetc)も悪魔合体してきますので、10年以上の時間は確実にかかるわけです。


恐らくですがTSMCは国内最先端の半導体製造技術を持つがゆえに、中心的な役割を負う企業になるかもしれません。


なお、ちなみにですが、ここまでの話でTSMCが工場をすでに日本国内に設置している前提で話をしましたが、2021年現在、TSMCの熊本工場は設置が決定しているだけの話で、工場はまだ存在しません。TSMCの工場は2024年に稼動予定です。


ですので、日本が異世界転移する場合、今この時(2021年現在)、転移するとTSMCの工場は当然国内にありませんので、その場合の日本は半導体面では超超超ハードモード人生となります。なぜならば、半導体技術の衰退のレベルがTSMCの工場がある場合は10年後退ですみますが、TSMCの工場ができる前に転移すれば半導体技術の後退のレベルは10年程度ではすまないからです。


日本にできるTSMCの工場で生産される半導体は日本国内では最先端の技術ですが、世界の半導体技術でみれば10年前の水準の技術なのです。


日本が異世界転移するならば、少なくともTSMCの日本工場が設置された後の方が絶対に良いでしょう。


懐かしきガラケー時代に戻りたいのならばTSMCの工場ができる前に転移するのも良いかもしれませんが。


ちなみにTSMC日本工場ができる前に転移した場合の日本が半導体技術を転移前の水準にまで戻すにはですが、私の予想ではありますが、最低でも15年から20年以上の時間は確実に必要になるかもしれません。


少なくともTSMC日本工場がある場合に比べれば遥かに時間がかかるでしょう。


…………。


と、まぁ、ここまでかなり悲観的な内容となりましたが、希望的な事を言うと、もしかしたらですが、異世界転移はガチで日本存続の危機なので、日本が一丸となって死ぬ気で頑張れば、異世界転移前の最新技術の半導体でも一般市場向けの供給には到底無理でしょうが、公的機関であったり公共性の高い企業などに対しては異世界転移後10年も掛からずに数年程度でも最新の半導体が生産ができるようになるという可能性も微粒子レベルで存在するかもしれません。


希望的観測すぎるかもしれませんが、私としてはこうなってくれた方が嬉しいですね。

今は昔と比べれば見る影もないかもしれませんが、仮にも物作り大国と呼ばれていたのですから、その威信を信じたい気持ちが私としては強いです。


2022年12月12日追記。

TSMCの熊本工場で生産される半導体は16nm、22nm、28nmの製品などである事が報道から判明。工場の生産能力は毎月5万5000枚を生産する能力があるという。16nmの半導体が生産できる意義は異世界転移日本にとっては非常に大きい。異世界転移日本にとって22nmから28nmが生産されるだけの状態よりはまだマシになったと言える。

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― 新着の感想 ―
[一言] そういや近々、トヨタやNECとかが共同出資してラピダスという半導体企業を立ち上げましたね。エルピーダメモリの反省を活かしつつ、半導体不足とクオリティ向上を目指すそうですが…これで転移後の半導…
2022/12/19 10:53 退会済み
管理
[一言] 原材料は作る技術はあるからそれでまだ世界に半導体面での影響力はあるけど今回は作れるかだから関係ない 半導体は致命的なまでに作れないけど、時間経てばいずれ作れる様になるけどやっぱり国内で作れな…
[一言] 難しい事を避けるならば、台湾込みで転移するという安直な方法(なのか)が。
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