安全保障面・垂直離着陸航空機、大活躍するかも説
★安全保障面・垂直離着陸ジェット航空機、大活躍するかも説。
異世界転移後、自衛隊が新しいジェット航空戦力を導入する場合(※例えば既存の航空戦力の機体の更新とか、新たな航空戦力の導入とか)、垂直離着陸ジェット航空機はかなり重宝されるという可能性があるかもしれない。
あっ重宝というのは、垂直離着陸ジェット航空機がそれなりの数、自衛隊に採用されるという可能性があるかもしれないという事です。
どういう事なのかというと、異世界転移後、日本が異世界の勢力と戦争をした場合ですが、日本はある問題に頭を悩ます可能性があります。
それは滑走路問題です。
日本が転移した異世界の文明度や脅威度が古代から中世程度であった場合、その国にはまともな空港や空港に転用できるインフラが無い可能性が非常に高いです。
その場合、日本は空港を1から作らなければなりません。
さらにその空港建設にも、下手をすれば空港を建設する部隊が資材を運搬する為の道路等がしっかりと整備されていない可能性があります。
空港建設以前に道路を作らなければならないなんていう可能性もあります。
また、異世界転移した日本は金欠です。なるべく、金のかかる事はしたくはないでしょう。
これらを考えると、作られる空港は小規模な物になる、もしくはそうならざるを得ない状況になるという可能性があります。少なくとも、完全な機能を持った空港の建設には莫大なコストがかかる可能性があります。
その様な状況で重宝される可能性があるのが垂直離着陸ジェット航空機なのではないか。
というのが私の今回の説です。
そして垂直離着陸ジェット航空機の中でも、F35‐Bの様な超高級高性能な戦闘機ではなく、ハリアーⅡやホーカー・シドレー ハリアー程度の調達価格と性能の垂直離着陸ジェット航空機が採用される可能性があるのではないかという説です。
ハリアーⅡを例に説明すると、ハリアーⅡは軽空母や強襲揚陸艦、小規模な飛行場など、他機の活動が制約される環境下で近接航空支援や戦場航空阻止をこなせるジェット航空機です。この汎用性の為、アメリカ等、複数の国家で運用されています。
もっとも、アメリカのハリアーⅡはF35‐Bなどの後継機に置き換わる予定だそうですが。
ただこれが垂直離着陸機の利点な訳ですよ。
この利点を前提に異世界転移した日本の状況を考えるとハリアーⅡやホーカー・シドレー ハリアーの様な垂直離着陸ジェット航空機が運用される可能性はかなりあり得る話なのではないかと思います。
これなら小規模な飛行場でも運用できますし、なんでしたら必要に応じて、戦争などが起きた場合に、イギリスがかつてフォークランド紛争で導入したアトランティック・コンベアーの様な船での運用も可能です。
飛び立つ時の燃費は非常に悪いですが(垂直離陸は燃費が非常に悪いと言われている)。
アトランティック・コンベアーとは、イギリスがフォークランド紛争で民間のコンテナ船を徴用して、その甲板上にVTOL機用の耐熱シートを敷いて発着艦が可能な様にした仮設の航空機運搬船です。
異世界の勢力と戦争になった場合、やろうと思えば航空機運用の為にわざわざ全通甲板を持つ空母でなくても、コンテナ船などを利用する事ができます。これは異世界転移後、金欠の日本にとってはかなり大きい点だと思います。
例えば戦時に臨時で新たな空母が必要になったとします。その時に新しく空母を作ったり、何かの船を大改造して空母にしたりするよりも、ほぼそのままのコンテナ船を利用する方が遥かにコストを安く抑えられます。
さらに戦争が終わればその徴用したコンテナ船空母は、民間に戻す事で、自衛隊から手放す事ができます。コンテナ船空母は戦争が終わり晴れてコンテナ船に戻り、自衛隊はコンテナ船空母を手放す事で、維持費やその他諸々の問題から解放される訳です。
そして戦争になったら必要に応じて、また徴用してコンテナ空母として運用する事ができる訳です。これは防衛費のかなりの節約になると思います。
または、アトランティック・コンベアーの様な、ここまで簡素なものではなくても、イギリス補助艦隊のアーガス(※昔のやつではなく今のやつ)の様なタイプの、航空補助艦や空母を正式採用するという手もできるでしょう。
飛び立つ時の燃費は非常に悪いですが(大事なことなので二回言いました)。
話をまとめると、インフラの整っていない異世界の地域での戦争や活動を想定した場合、飛行場建設に莫大なコストがかかる可能性があり空港の能力が限定される可能性がある事から、小規模な飛行場でも運用が可能で、かつ、やろうと思えば民間のコンテナ船などを簡易的な空母や航空機運搬船としても運用する事もできる垂直離着陸ジェット航空機がそれなりの機数採用される様になるかもしれない考えた訳です。
ちなみにですが、F35‐Bではなくなぜ、ハリアーⅡやホーカー・シドレー ハリアーなのかですが、これは単純に調達価格の問題です。
古代から中世程度の脅威度の相手に最新鋭のF35‐Bの攻撃性能や防御性能は過剰すぎますし価格が高すぎます。その為、ハリアーⅡやホーカー・シドレー ハリアー程度なのではないかという事です。
よく日本が異世界へ転移する小説でドラゴンとかも出てきますが、そのドラゴンも第一次世界大戦から第二次世界大戦中のレシプロ戦闘機程度位の性能ならば、これくらいの性能で充分に対処可能でしょう。
ちなみにハリアーⅡの1機辺りの価格は2400万ドル、日本円で大体20億円。F35‐Bは150億円です。
ただ、この価格は異世界転移後の日本においては全く参考にならないので注意が必要です。
というのも、この価格は、地球での価格だからです。
日本が異世界転移した場合、日本は航空機を国内の力だけで作らなければなりません。
それは戦闘機においてもです。
これは非常に深刻な問題でしょう。
日本で運用されている航空機の多くもそうですが、垂直離着陸ジェット航空機の技術は欧米の技術です。日本もF35‐Bの整備拠点に選ばれているので三菱重工業が整備を行っている為に、知識や技術自体は持っているとは思いますが、異世界転移の影響で海外からの協力も得られない状況下で作るコストは予測のしようがありません。
それに加えて、そもそも垂直離着陸ジェット航空機の製造コストは普通のジェット航空機のコストよりも高い傾向がある事も忘れてはいけません。
異世界転移後の日本において、垂直離着陸ジェット航空機の導入コストが地球に居た頃よりも、高くなるのか、同じくらいで収められるのか。はたまた、安くできるのか、それは日本の努力次第でしょう。
導入コストが高くなりすぎれば、金欠日本で新たな垂直離着陸ジェット航空機が採用される可能性は低くなりますが、導入コストが許容値であれば、採用される可能性が出てくる訳です。




