番外編 異世界転移しても大丈夫な国&夏企画!
★異世界転移してもさほど問題が起きない国ランキング
読者による提供企画!その記念すべき第1回目の内容はこちら!
上にも書いてありますが、異世界転移してもさほど問題が起きない国ランキング!
という事で、ここからは私の個人的な考えにより、異世界転移しても問題が起きなそうな国のランキングを作っていこうと思います。異論は認める(※恐らくランキングのできは通常投稿している日本よりもかなり低いです。日本の考察はそれなりに資料を集めて各種問題を考察しているのですが、他の国となると資料がまず全然集まらないので、私がなんとか見られた資料の中、つまりは非常に限られた資料から考察しているので、結構ガバガバな事に留意してください)。
今回、このランキングを作るに当たって、考えたのが、「異世界転移してもさほど問題が起きない」をどう解釈するかです。そこで、今回はこの項目を以下の様に仮定します。
異世界転移後も五体満足で国家として存続できる可能性、です。
ランキング順位が下がれば下がる程、異世界転移後、五体満足で存続できる可能性が減少していきます。今回はベスト16を発表します。以下の国々の中から選びました。
☆★☆★☆エントリーカントリー☆★☆★☆
アイスランド
アイルランド
イギリス
イタリア
エストニア
オーストリア
オランダ
ギリシャ
キプロス
サンマリノ
スイス
スウェーデン
スペイン
スロバキア
スロベニア
チェコ
デンマーク
ドイツ
ノルウェー
フィンランド
フランス
ベルギー
ポルトガル
マルタ
ラトビア
リトアニア
ルクセンブルク
アメリカ
カナダ
イスラエル
韓国
シンガポール
日本
台湾
オーストラリア
ニュージーランド
北朝鮮
イラン
トルコ
サウジアラビア
UAE
アラブ首長国連邦
オマーン
イエメン
エジプト
南アフリカ
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
ランキングの発表の前に、今回、各国家を見る上で、この様な項目別の評価をしました。
食料自給率、工業力、鉱物資源、石油、軍事力、政治的安定度の6項目です。評価基準は以下の通りです。また、獲得文明は異世界転移時点でその国家が獲得している文明度を表し、政治的安定度はその評価が必ずしも民主主義の度合いを表しているものではなく、独裁国家も含まれる事に留意。軍事力は国際基準でどれぐらい持っているかとする。
-D 全く無い。
D
+D
-DD
DD
+DD
-C 不足している。
C
+C
-CC
CC
+CC
-B 獲得文明に若干の後退を及ぼす。
B
+B
-BB
BB
+BB
-A 獲得文明の維持に最低限必要。
A
+A
-AA
AA
+AA
-S 獲得文明の維持が充分に可能。
S
+S
-SS
SS
+SS 最強。
ランキングを始める前に、ここでの異世界転移も、これまでの他の解説と同じ様に、転移先の惑星は人類を含めた地球生命が充分に生存可能な惑星環境とする。また、そこにある異世界の文明度も中世ヨーロッパのレベルを想定。
第1位:アメリカ合衆国
食料:SS 工業:SS 鉱物:S 石油:S 軍事:+SS 政治:S
コメント:1位はやはり、我らがアメリカ。すべての項目において、文句は無し。圧倒的な科学技術、資本、食料、エネルギー、軍事力を持っている。なんなら、科学技術、資源、エネルギーだけで言えば、転移後2年以内に宇宙ステーションだって作ろうと思えば作れるレベルだし、人工衛星なら本気出せば百機以上、千機未満を転移して2ヶ月以内に打ち上げられる。異世界転移したのに異世界の国と交流しなくても生きていこうと思えばできるし、やろうと思えば、中世レベルの文明世界相手なら、世界支配も夢ではない。
第2位:中華人民共和国
食料:A 工業:+SS鉱物:S 石油:-A 軍事:SS 政治:+SS
コメント:資本主義と現代科学が生み出した究極のフランケンシュタイン。圧倒的な工業力とアメリカに次ぐ資本と科学技術を保持している。さらに石油も国内需要の4割は自前で用意できる。軍事力もアメリカ程ではないが非常に大きな規模を有している。食料自給率も95%超え。さらにグローバル経済から寸断され国内経済が悪化する等で失業者等が続出し反政府運動などが、発生したとしても、SF小説顔向けのディストピアの様な防犯カメラと人工知能を駆使した圧倒的国民への監視システムによって抑えこめられるだろう。正直言って中国が転移する先の世界は中世レベルの文明世界相手なら、最終的には究極のSFディストピア世界となるのではないかと思う。それは現在の中国の領土拡大主義、言論統制、国民監視、強制収容所等を見ていても、そうなってしまうだろう事は容易に予想がつく。こんな国を生み出した日本を含めた全世界の大企業、反省して。
第3位:ロシア連邦
食料:A 工業:+S 鉱物:SS石油:SS 軍事:SS 政治:-SS
コメント:食料自給率も高く、軍需産業を含めた様々な産業もロシア政府の保護政策で、多種多様。科学技術のレベルも非常に高いし、石油も天然ガスも有余る程出る。軍事力は中国よりも技術面で優れた戦力を保有している。というか、経済レベルが人口1億弱で、韓国よりも若干強いレベルしかないのにアメリカと欧州に対抗できるとか、軍事力がありすぎる……戦闘民族ですか?(震え声)軍事製品に関してはほぼ完全に自国のみで自給自足ができるレベル。そしてロシア軍の特筆すべき点として、世界最強レベルの世界最先端核兵器を幾つも所有している。転移後に対外的な脅威で負けるシナリオが見当たらない。政治に関しては、経済不況などで、国内で不満が爆発しデモや暴動が起きる可能性はあるが、ロシア政府は民主主義の皮を被った熊。政権批判者がある日突然、不幸な事故や不幸な事件に巻き込まれて死亡してしまう事は少なくない。国際社会の目を気にする必要が無くなった時、弾圧だってしようと思えばできる。中国程ではないが、ある程度の国内の混乱は鎮められるだろう。なお、転移後に選挙で、もしも与党の統一ロシアが負けてロシア共産党が政権を取った場合は、ソ連復活というルートも考えられる。
第4位:カナダ連邦
食料:+SS工業:-AA鉱物:+SS石油:+AA軍事:-AA 政治:A
コメント:圧倒的な食料自給率と鉱物資源で国民の餓死する未来が見えない圧倒的食料大国。石油も世界第三位の規模の大規模油田を国内に抱えている為、エネルギーの心配は殆どいらないだろう。軍事力もそれなりの規模を誇っており、中世レベルの文明世界相手ならば、問題ないだろう。異世界転移後は経済不況を脱する事ができたら、将来的には超大国の地位に上れるのではないだろうか。
第5位:オーストラリア連邦
食料:+SS工業:-A 鉱物:+SS石油:+A 軍事:-A 政治:A
コメント:圧倒的な食料自給率と鉱物資源で国民が餓死する未来が見えない圧倒的食料大国。工業力に若干の難があるが、それでも必要最低限の多種多様な産業は持っており、文明度の維持は充分に可能。原油も増産等をすれば、国内経済を回すだけの量は安定的に得られる。例え鎖国しても生き残ろうと思えばできるだろう。唯一の不安材料は軍事力が先進諸国の中では若干低い点であるが、中世レベルの文明世界相手なら、本土防衛が目的ならば、必要最低限の装備は揃っていると言える。また、豊富な資源によって将来的な戦力の増強も可能だろう。オーストラリアは異世界転移後、将来的には超大国の地位に上れるのではないだろうか。ただし、上記の国々よりも全体的な工業力が低い為に転移後すぐに国内の産業を防衛する積極的な政策を取らなければ文明度の低下は免れない。
第6位:イラン・イスラム共和国
食料:+A 工業:+A 鉱物:+A 石油:+SS軍事:-AA 政治:A
コメント:圧倒的な石油油田を誇る世界的な原油産出国。エネルギーで困ることはまず無いと考えて良い。食料、工業、軍事のすべてをとっても、国家機能が充分に維持できるだけの最低限の規模を有している。その理由はアメリカによる経済制裁であり、経済制裁下でも、国家経済が最低限は回せる様に内需が重視されている傾向にある。独裁政権である為、転移後にデモや暴動が起きても鎮圧はしやすいだろう。しかし、中国や北朝鮮の様な完璧に近い独裁システムを有している訳では無い為、デモや暴動がイラン政府の対応力を超えれば、たちまち国内が大混乱の状態に陥る可能性がある。最悪の場合は内戦入りしてしまう可能性もあるだろう。しかし、内戦を何とか起こさなければ、異世界転移後のイランは異世界の大国となれるのではないだろうか。場合によっては世界史のイスラム帝国の再来が起きるかもしれない。
第7位:朝鮮民主主義人民共和国
食料:+D 工業:+A 鉱物:S 石油:-D 軍事:-AA 政治:S
工業は経済制裁下でも自国で新兵器開発ができるだけの自給自足が可能な工業力を有している。また、世界有数の鉱物資源大国である為、鉱物資源に困る事は無い。軍事力は単純火力で韓国軍を倒せるだけの圧倒的な軍事力を有している。極東アジアに住んでいると、北朝鮮の軍事力(核兵器を除く)が過小評価しがちだが、北朝鮮程の軍事力を持った国は世界の国をみてもそうそうない。もしも北朝鮮がアフリカにあってアフリカの国と戦ったとしたならば、大半の国は北朝鮮に勝つ事はできないだろう。これだけの軍事力ならば、異世界転移しても、国土面積からして国家防衛は充分に可能だ。さらに防衛に関して言えば、北朝鮮は長年、国土の要塞化政策を実施し、国中に地下要塞陣地を構築している為に、中世レベルの文明世界相手では攻めきる事は不可能と考えて良いだろう。これは例え自動車や戦車を使わない歩兵、野砲、ロケット砲のみの戦いになったとしても、そうだろうと思う。外征も、もし、海から、行かなければならないならば、海軍の輸送能力が脆弱が故に、上陸するまでが一苦労そうだが、一度上陸できてしまえば、勝ち戦にはなれるだろう。転移先でもしも陸続きで繋がっていれば、もっと充分な戦いが展開できるはずだ。しかし、食料が不足し、燃料が絶望的に不足しているのが最大の難点。異世界転移後は恐らく対外進出して積極的に入手先を見つけなければ、文明レベルが一気に後退するレベル。恐らく石油に関しては1年もてば、良い方なのではないだろうか。ただ、石油は根拠がある話ではなくあくまで、私の感みたいなもの。石油に関しては北朝鮮の備蓄石油なんてものは情報公開されていないので、一切不明。政治の安定に関しては、北朝鮮は自国が食糧難なのを逆に利用して、政府に協力的ではないと判断した地方の集落に意図的に食料を回さずに飢え死にさせようとする悪い意味で柔軟な思考を持った独裁政治体制を持っているので、ちょっとやそっとでは、北朝鮮の独裁政治体制は崩壊しないと考えられる。その他にも独裁体制維持の為に様々なおぞましい事をしているだろう。日本に住んでいる我々からすれば理解しがたい異次元の様な国だが、北朝鮮の体制はこの様に理解すれば、分りやすいのではないかと思う。平壌以外の地方は全て平壌の植民地!地方は平壌に住むエリートと富裕層の為の搾取の場所。この様な認識が北朝鮮の現状に近いのではないかと考えます。もしも平壌が食糧難になるような事態になれば、北朝鮮の政権を支えているエリート層や富裕層を政権が敵に回す事になるので、国家崩壊の可能性が高まりますが、逆を言えば平壌の食糧難さえ回避できれば、北朝鮮は国家存続の可能性は高くなるでしょう。
第8位:グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
食料:+B 工業:+AA鉱物:C 石油:AA 軍事:+AA 政治:A
コメント:我らが紅茶の国、大英帝国。食料自給率には若干の難があるが、G7の名に恥じぬ工業力と科学技術を持ち、さらに北海油田がある事から、石油の自給が可能。軍事力も強力な海軍力を有している事から中世レベルの文明世界相手では充分無双できるだろう。ただし、心配な点は鉱物資源の少なさと、一部の工業系産業が海外に流出しているのが問題。工業の流出に関しては欧州の全ての国に言える。製造拠点やそもそもの企業がアメリカや中国等の海外企業に買われてしまい国内産業に空白を与えてしまっているのだ。ある種、グローバル化の弊害とも言える。以前、日本の川崎重工がイギリス海軍向けにタービンを輸出したが、実はこれ、当時、イギリスではかなり問題になっており、イギリス国内ではなぜ国産で作らないのかと議論を呼んだが、その理由が国産で作らないのではなく、できなくなっていたというのが実態だった。この様に流出や市場競争に負けるなどで、一部の産業の空洞化が起きている為に転移後のイギリス政府は獲得文明を維持する為に、何とか国内の空洞化してしまった産業の穴埋めを考えなければならない。できなければ、一部の獲得文明度が下がってしまうだろう。しかし、イギリスのもつ科学力ならば、よっぽどのヘマをしなければ乗り切れる筈だ。
第9位:ノルウェー王国
食料:C 工業:A 鉱物:A 石油:AA 軍事:A 政治:A
コメント:食料自給率が半分程とイギリスよりも不足し、軍事力も国家規模としては充分な規模ではあるがイギリスには背伸びしても追いつけないレベル。しかし、それ以外の面では工業はもちろん多角化しているのだが、欧州国家の問題である産業の空洞化という面ではあまり、他の欧州諸国に比べれば空洞化はそこまで進んでいないのが強みだろう。もしもEUに入っていれば、もっと空洞化していたかもいれないが、異世界転移という面で見ればEUに加盟していなかった事がプラスに働いているのではないか。また、豊富な鉱物資源や北海油田の豊富な石油資源がある事から、食料の問題さえ解決できれば、うまく行けば、鎖国できるレベル。イギリスより順位が下になったのは食料自給率の低さとイギリスより低い軍事力によるものだ。しかし、軍は国防目的ならば充分な規模であるし、その他の面を見ても鉱物資源が豊富な事はイギリスには無い強みだ。イギリスが転移後に文明国として生きていくには鉱物資源が足りない為に対外進出をしなければならない訳だが、ノルウェーは食糧問題だけさえ解決できれば、引きこもりさえ可能なのだ。つまり、ノルウェーは多少は動きがルーズになっても問題が無い国家なのだ。これはつまり、政府があわてて外に出るのではなく、充分な戦略を立てる時間を稼ぐ事が充分に可能なのである。この時間の差はかなり大きいだろう。
第10位:トルコ共和国
食料:+A 工業:+A 鉱物:A 石油:A 軍事:AA 政治:B
コメント:東地中海の暴れん坊将軍のスーパートルコ君。食料自給率も工業も鉱業も石油も全てが中東の中では上位クラスの大国級。ただし石油はそこまで有名でもなければ規模も有名ではない。軍事力は海軍力では戦力不足感があるが、陸軍力は世界有数の規模。ただし、その能力はシリアでドイツ製の自慢の戦車を大量投入してテロリスト相手に粉砕された痛い目を見ているので、少々悩ましい所。でも、中世レベルの文明世界相手では充分無双できるだろう。政治に関しては2020年現在、エルドアン政権が独裁色を強めているが、それでもまだ、完全な独裁国家には成りきれていないので、国内にはクルド人問題や、その他にも野党を含めた反政府の動きも燻っている事から、異世界転移後に立ち振る舞いを間違えればたちまち政情不安に陥るだろう。下手をすれば内戦だ。…………てかトルコ君さぁ~最近全方位で暴れすぎだよぉ~……まさかだけどオスマン帝国君でも復活させる野望抱いちゃってる?因果応報って知ってる?そんなに自分の欲望に忠実だと近いうち絶対に痛い目みちゃうよ。
第11位:インド共和国
食料:+A 工業:+S 鉱物:-SS石油:-C 軍事:SS 政治:C
コメント:中国に次ぐ人口を誇り世界最大の民主主義国家!将来の超大国最有力候補インド!。食料自給率は概ね良好。軍事力も世界有数。工業は人口規模からすれば低いかもしれないが、並の国なら対抗が難しいレベルの工業力は備えている。インドは政策で内需を大切に保護している国であり、重要産業を含めて多種多様な産業を有している。さらに資源も豊富で世界有数規模の鉱物資源鉱山を抱えており、ある程度の鉱物資源は自給が可能。石油も出る。ただ石油は、抱えている人口と経済をまわすには国内油田の産出量では圧倒的に足りない。IEAの資料によると、インドの石油消費量は中国、米国に次いで世界第3位。需要の80%以上を輸入に頼っている。国内油田の増産も可能だろうが精々、必要としている需要の30%~多くても40%程度までの増産が限界ではないだろうか。経済発展の足かせを外すには国外で油田を探すしかないだろう。あとは政治だが、正直言って、あまりにも多くの人口を抱えており、異世界転移後に経済がどん底に落ちる事を考えると、インドは世界最大の民主主義国家と言われるだけあって、議会や選挙などで、かなりの政情不安に陥る可能性がある。政情不安に陥った場合、何をするにも遅くなってしまうという嫌な展開が起きる可能性がある。この政情不安化をどのように防ぐ事ができるかが、重要な鍵だろう。また、余りにも多くの人口を抱えている為に、あまり問題が深刻になりすぎると、内戦に陥ってしまう可能性も否定できない。インドにとっての生命線は政治の手腕と石油の発見や増産だろう。
第12位:ニュージーランド
食料:+SS工業:-CC鉱物:-B 石油:-A 軍事:+B 政治:A
コメント:圧倒的食料自給率を有した世界有数の農業大国。国民が餓死する事は無いだろう。国内には油田も存在する。石油は2011年の古い資料ではあるが、47%の原油を輸入に頼っているとされ、この数字は恐らく現在も似た様な状況なのではないだろうか。ニュージーランド政府は環境保護の観点から2018年以降、国内の新たな油田の開発を認めていない。また、石油の自給率が50%を下回っているとは私的には思えなかったので(2011年以降の明確な資料を見つけられませんでした)。石油自給率の増減は余り変化は無いのではないかと考える。異世界転移後は、環境保護なんて甘ったるい事は言ってられないので、国内の製油所の産出量を増産したり開発していない国内油田の開発を推し進める事になる。ただ、ニュージーランドが消費している石油は主に燃料であり、国内の電力等は80%を自然エネルギーにしているので電力には困らないだろう。しかし、懸念事項として鉱物資源と工業力と軍事力が上げられ、調査によれば国内には複数の種類の鉱物資源があるとされるが、ニュージーランドのGDPに占める鉱物資源の割合は僅か1%であり、その殆ども金とアルミニウム等の鉄鋼の採掘によるものだとされる。現代文明を維持しようとするならば、もっと多くの種類の鉱物の採掘も必要である為、新たな開発活動もしていかなければならないだろう。しかし必要全品目の鉱物資源採掘にはコストがかかりすぎ、中には採算が合わない品目も多いであろうと考えられる為、経済発展を目指すなら、海外からの輸入が必要だろう。また、国内の鉱物資源の開発問題にも関連する事なのだが、開発に必要な工業力に関して、ニュージーランドの工業力は国の主要産業が農業や畜産業である為に本格的に発展している工業系産業と言えるものが非常に少なく産業全体が錆びついていると言っても過言は無いはずだ。その為、異世界転移後に技術力や科学力の低下は避けられないと思われる。ニュージーランドの異世界転移における最大の問題は工業力の圧倒的不足となるだろう。一方で軍事力は兵力7000人で、装備も周辺国に脅威となる国が無い事から、非常に控えめである。ただ島国ではある為、海軍は小規模ながら一定の能力を持っている様だが、仲世レベルの文明世界相手とはいえ、この兵力では、万が一、圧倒的な数で攻められたら攻めきられてしまう恐れがあるだろう。さらに工業力不足から、この軍事力はさらに低下を招く可能性もある。ニュージーランドが異世界転移後、国家存続の確率をどれだけ高められるかは、獲得文明度の低下をどれだけ抑えられるかが最大の焦点となるだろう。もしもニュージーランドが異世界転移に耐えられずに崩壊するような事があるとすれば、国内問題ではなく、対外的な要因(侵攻される等)が原因になるのではないだろうか。
第13位:日本国
食料:-C 工業:+S 鉱物:-C 石油:D 軍事:-S 政治:B
コメント:我らが日の昇る国、日本!。世界第三位の経済大国の強みを生かした多種多様な産業と世界第4位の海軍規模を有する海上自衛隊を持つ強力な海洋国家。中世レベルの文明相手ならば、対外的な要因では滅びるビジョンは中々見当たらない。しかし、人口に比べて圧倒的に不足している食料自給率と、その経済を支えるには心もとなさ過ぎる鉱物資源、さらに石油は出るが、経済を回すには圧倒的に足り無すぎる等、問題が上位の国々に比べれば多く山積している。食糧不足と資源不足がダブルパンチになっている感はいなめない。異世界転移において、国家が生き残る確率を確実に上げる最重要な要素は食料自給率と資源だと思うのだが、上位の国々に比べて日本はそのどちらも足り無すぎる。さらに日本が抱える特殊な問題として世界一の規模の対外資産をすべて地球に落としてきた事も日本経済にとっては大きな打撃となっているだろう。正直、残念ながら、日本に関しては、これまでも述べた様々な問題を見てもらえば分かる通り、余りにも多くの問題を抱えている為に、私の推測としては、異世界転移後に日本が五体満足で生き残れる確率は上位の国々が50%を超えているとしたら、恐らく日本は30%ほどにまで低くなってしまうのではないだろうかと考える。異世界転移に日本が耐えられないとするならば、それは対外的な要因ではなく、あくまで内部の問題が要因であると私は予測する。
第14位:スペイン王国
食料:A 工業:+A 鉱物:C 石油:D 軍事:+A 政治:C
コメント:太陽の沈まない国(元)のスペインは、日本とかなり似た状況の国家と言える。日本と違う点は食糧自給率が8割に達しているという事だ。ただしこの食料自給率は1日の消費カロリーベースで計算されており、スペイン人はかなりの大食いである事から、全国民が食べる量を減らせばもう少しは上昇が見込めるかもしれない。ただし、スペインは日本と違い、工業力が日本に比べれば低く、軍事力も日本に比べれは低い。しかし、それはあくまで世界第三位の経済大国である日本と比べたらでの事であって、大国である事には変わらない。中世レベルの文明世界では充分な力を持っている筈だ。この様に総合評価ではスペインの状況は日本と似た状況と言える。しかし、日本には無い問題と日本よりも深刻な問題がある。それは、独立問題、外国人難民、経済不況である。スペインはカタルーニャ州をはじめ、幾つかの州において根強いスペインからの独立運動が発生している地域が存在している。異世界転移は国の体力を最も奪う災害だ。これらの独立問題地域の情勢が異世界転移によって現在よりもさらに悪化するという可能性が充分にあるだろう。そして、外国人観光客だが、スペインは1年間に8千万人が訪れる一大観光国家だ。日本も近年、観光国家の名乗りを上げてはいるが、スペインの前では貧弱だ。日本の年間観光客数は3千万人。スペインは日本の倍以上の差があるのだ。つまりは、日本の異世界転移でも問題になっている外国人観光客の難民問題が日本よりも遥かに深刻であるという事を示しているのだ。さらに経済不況はスペインはもうかれこれ10年以上も不況に困っている。2012年の失業率は脅威の25%、2019年は改善がされたものの14.2%だ。そしてコロナでまた25%に戻ってしまっている。つまり、スペインが異世界転移する場合は、今後10年間は国内の経済が増減はあるにしても決して良いと言える状況で転移する訳ではないのだ。ただでさえ、経済が悪いのに、異世界転移によって、そこに海外市場の喪失と、石油不足、外国人難民問題、資源不足etcと大量の問題を抱えるのだ。スペインも日本と同じく、異世界転移に国が耐えられなかったならば、それは対外的な要因ではなく内部の問題が原因となるだろう。
第15位:フランス共和国
食料:S 工業:+AA鉱物:C 石油:D 軍事:+AA 政治:B
コメント:ボンジュールな美食の国フランス(ボンジュールな美食の国ってなんぞ?)。高い食料自給率と高い工業力、軍事力を有している。しかし、フランスは日本と同じ、もしくはより深刻な圧倒的燃料不足と世界1位の観光立国であった為に年間、9000万人近い人々が訪れている。異世界転移したら……怖いね?ただ、国内電力の7割以上を原子力で賄っている原子力大国。国民が使う分の電力には困らないだろう。でも、電気はあっても、フランスもスペインと同じ、いや、似ている問題があって、経済状況が厳しい。スペインよりはマシだけど。国民の生活が厳しすぎて第二次世界大戦以後に起きたフランスのデモ活動の中で、もっとも長い期間に渡る黄色いベスト運動っていうデモとか暴動が起きてる。現状でもそれなのに転移してとんでもない数の外国人難民を抱えて、燃料とかその他諸々の問題を抱える事になるから、転移後は国内の情勢が心配な所。フランス君もスペインや日本と同じく、異世界転移に国が耐えられなかったならば、それは対外的な要因ではなく内部の問題が原因となるだろう。
第16位:ポーランド共和国
食料:A 工業:A 鉱物:C 石油:-D 軍事:AA 政治:B
コメント:え?ドイツとソ連に分割されそう?なにをおっしゃるうさぎさん!そんなポーランドはもう今は昔ですよ!正直、今のポーランドは純粋な軍事力で見れば、欧州でフランスに次ぐ大国級です。海軍力はそこまでありませんが。ポーランドはその苦難の歴史から、安全保障には欧州で人一倍努力をしていました。その結果、すぐ近くのロシア君から国を守る為に軍事力に日夜増強している訳です。その為、軍事力においては特段、問題はありません。また、その軍事力を支えるだけの軍需産業も豊富に存在しています。非常に発展した工業国のひとつです。食料自給率も良いです。しかし、それだけに如何せん、残念なのが、経済が脆弱なのです。どれくらい脆弱なのかと言うと、GDPはEU加盟国の中で著しくEU平均以下。失業率はEU平均以上という状況……。さらに、石油が出ないのも痛い。さらに、ポーランドは日本ほどの観光立国ではないけど、1962万人も観光客が来るから、難民も当然でてしまう。日本より難民の数は大幅に少ないだろうが、国内経済の悪化、燃料不足、難民でつらい状況。ポーランドが生き残るには積極的に対外進出して油田を採掘し、鉱物を掘る必要がありそうだ。軍事と工業極振り国家といった所か。
★まとめ
独裁レベルが高い国ほど生き残る確立が上がるのはなんというか残念な気持ち。
まぁ、国民の不満を全て黙らせる事ができれば、国内が不安定化する事はないのでそうなのでしょうが……なんかねぇ?
でも、今回のコロナ見てても独裁国家の方がちゃんと対策できてるのはやっぱり、国民に自由が無いから成せる技なんでしょうね……。
独裁国家ランキングを作ったら確実に1位か2位になれるだろう中国と北朝鮮。
方やSFディストピア独裁、方やこれまで存在した独裁国家の失敗から学んでしまった独裁濃縮スープ。
異世界転移もコロナと同じ自然災害ですから、民主主義国家よりも独裁国家の方が正直、迅速な対策が打てるのではないかと思います。でも、異世界転移で困るのは精々30年から50年位。独裁国家は危機を乗り越えても、その後もずっと独裁で自由も人権も無いんでしょうけど、民主主義国家の我々には自由があります。この自由は何物にも変えがたい大切な物だと思います。
もしかしたら、異世界転移後、転移した国の中には民主主義国家であっても、その後の対応次第で軍事政権化したり独裁政権になたりする国があるかもしれません。ですが、自由と民主主義は絶対に手放してはいけないものだと私は思いますね。銀河英雄伝説で自由と民主主義の大切さを学びました。
独裁の程度にもよるとは思いますが、(独裁国家の中にも言論の自由が存在する国もある)少なくとも反対派を殺したり、強制収容所に入れる様な独裁の誕生は許してはいけないと思います。
また、同じ独裁国家であっても中国や北朝鮮、もしくはエリトリアレベルの国民に一切の自由なんてないみたいな、とんでもレベルの独裁国家でなければ、独裁国家は異世界転移には生き残る事はできないと思います。ベラルーシ、エジプト、トルコ、アフリカ、南米にあるような、国民にデモやら暴動を起こすのを止められないレベルの独裁国家では、ただ単に国家体制が崩壊するか内戦まっしぐらなんじゃないかと思います。
そういった面で見れば中国や北朝鮮が世界にある独裁国家の中でもどれだけ異質な存在かがよく分かりますね。中国や北朝鮮、今回のエントリーカントリーには入ってないけどエリトリアとかからして見れば、その他大勢の独裁国家なんてたぶん独裁の赤ちゃんに見えるんじゃないでしょうか。それだけ、上位の独裁国家はレベルが違うという事ですね。
なお、エントリーカントリー以外の国々でも、アフリカ、南米、太平洋、インド洋の国など、探せば、異世界転移後に国家体制を存続できる可能性のある国はまだ多く存在していると思います。
ただし、エントリーカントリー以外の国々はほぼ間違いなく、獲得文明で見れば間違いなく後退を招くのではないかと思います。例えばIT機器とかがロストテクノロジーと化す国は多いと思います。ですので、現在の獲得文明のレベルを落とす国はかなりあると思われる訳です。
ただし、それで中世レベルにまで文明が後退するとか極端な後退が起きる国は殆ど無いでしょう。なぜなら、アフリカ、南米、東南アジアでは自家製銃や自家製自動車部品というのが問題になっています。
どういう事かと言いますと、なんと、一般の鍛冶屋が、銃や自動車の部品を大掛かりな専用の工作機器無しで自作で作って売ってしまう人達が存在するのです。
これの何がすごいかって、かつて日本にオウム真理教というテロ組織が存在しましたが、この組織は日本国内で自動小銃の密造をしようとしました。彼らは専用の大掛かりな工作機器を使い生産をしようとしたのです。しかし、出来上がったのは、連射のできないなんちゃって銃でした。一方でアフリカの違法に銃を生産している鍛冶屋は専用の大掛かりな工作機器を使わずに、日本のホームセンターに売ってるレベルのハンマーだとかの鍛治道具で、機関銃までもを自作で作れる職人が大勢いるのです。
この様な高いレベルの職人を持っている国がアフリカ、東南アジア、南米には沢山あります。ですので貧しい国でも獲得文明度が低下しても精々、下がっても全般的には第一次世界大戦から第二次世界大戦レベルの文明は維持できるのではないかと思います。
ただし、多くの国は一定の文明度は維持できても、対外的な要因や内政的な要因で崩壊したり侵略されて滅ぼされてしまう可能性もあるでしょう。エントリーカントリーの国に比べて多くの国は軍事力は少ないです。下手をすれば、軍事力が無い国もあります。異世界転移で生き残れる可能性を上げるには軍事力も重要なのです。
以上!読者提供企画でした!
企画を提供してくれた読者様、ありがとうございました!
え?なんで、ドイツが入って無いのかって?
俺たちのドイツはどこにいるのかだって?
え……だって、それは……。
だってドイツは間違いなく欧州で下から数えた方が早くなっちゃうから……総合評価はイギリス、フランス、ポーランドとかと似た様なものになるんだけど……如何せん軍が、ね……?評価付けるとしたら-DD。下手したら欧州最弱なんじゃないですかねぇ……。世界の軍事力ランキングって毎年発表されてドイツが常連で上位に入ってますけど、あれ、絶対に評価方法変えた方が良いと思うんですよ。マネーばかり使ってるだけで、その実体は壊滅的なのになんでドイツが軍事力ランキング上位に載ってるんでしょうかねぇ……。
みんなの憧れ強いドイツ軍は一体何処へ行ってしまったんですか……?(震え声)
私のドイツ軍かっけー!と思ってた頃の青春を返して下さい……(´;ω;`)
ドイツについて気になる方はニコニコ動画もしくは、Youtubeで『【ゆっくり解説】ドイツ陸軍、悲惨な現状』で検索してみて。めっちゃ面白いですよ。お勧めです。
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受信機ちゃんによる2020年夏企画!!
やぁ、みんな。
ちょっと準備が遅くなってすまない。
受信機ちゃんだよ。
今回の投稿に夏企画も合わせる予定だったから、こんなにずれこんでしまったんだ。
さて、今回はちょっと時期が涼しくなってしまったけど、夏企画として涼しくなる様な事をしようと思うよ。
実は、作者が何やら私に隠れてやっていたみたいでね。
今回はそれがちょうど夏にピッタリじゃないかという訳でこの企画を決定したんだ。
それじゃあ、さっそく2020年夏の企画を始めよう。
それでは、まずはこれを見てくれ。君には何に見えるかな?
ふふっ
これは作者が2017年にとある場所で、とある理由から撮影した写真なんだ。
その経緯を知ってもらう為にも、作者にその理由を語ってもらおうと思うよ。
それじゃあ、ボイジャー。君の話を始めてくれ。
クネクネ
体験者 ボイジャー
これは私が二〇一七年の夏に本当に体験した話です。
二〇一七年の夏、私は長期休暇で久しぶりに故郷の田舎へと帰省しました。
久しぶりの田舎は都会で疲れた私の心を癒すのには充分な環境でした。
ゲームをしたり、サイクリングをしたり、思う存分夜更かしをしたりしていました。
でも、そんな長期休暇も終わりが近づいた、そんなある日の事です。
私はふと夜中に散歩に行こうと思い至りました。
ただし、その様な事は今まで何度か思っていたのですが、明日、また明日でいいいやと日を延ばしていた為に実行されなかったのです。
ですが、私の長期休暇も終わりへと近づいたこの日。
ようやく私は、良し!今日こそは行こう!と思ったのです。
そう決断した私はすぐにそんな、ささやかな計画を実行に移すべく準備をしました。
祖父からLEDの懐中電灯を借りて用意し、デジタルカメラのバッテリーもフル充電をしました。
デジタルカメラを持っていくのは単純な理由からでした。
私は趣味でイラストを描いているのですが、夜の写真はもしかしたら、良い素材になるのでは?と思ったからです。
そして、深夜12時すぎの頃。
私は家族全員が寝静まった時を見計らって家を出ました。
懐中電灯を持ち、カメラを持ってサンダルを履いて家をこっそりと後にしました。
真っ暗な家の前の道を懐中電灯の明かり一つで歩いていきました。
すっかりと寝静まった町を私は歩き進めたのです。
当初、私は夜散歩の時間を少なく見積もっていました。
最初こそは面白いだろうが、さすがにすぐに飽きるだろうと。
ですが、夜の街は私には想定以上にとても魅力的でした。
空を見上げれば満点の星空。
町は街灯以外には建物の明かりは殆ど見えません。
日中は田舎といってもバスや車が二車線の大通りともなると引っ切り無しに通っていますし、一車線の道路でも度々車が走っているのです。
ですが、夜散歩の最中、私の前には車は殆どと言って良い程に通りませんでした。
本当に静かでした。
聞こえるのは蟲の鳴き声やカエルの鳴き声だけです。
人間の出す音は殆ど聞こえません。
そんな私の視界に映るものはオレンジ色や白色の街灯が照らす道路とその周辺だけです。
私はそんないつもとは違う景色にテンションを上げました。
私が知ってる街の日常とは違う非日常の景色が私の目の前には広がっていたのです。
私はデジタルカメラで夜景の写真を何枚も何枚も取りました。
それだけではありません。
車が居ない二車線の道路を何度も無意味に渡ったり、一瞬、道路の真ん中で止まったりして写真を撮ったりしました。
それだけ、車が全くといって良いほど居なかったのです。
私は最初は比較的に家の周辺を散策していたのですが、テンションが上がってきた私は家の周辺を越えて街を散策を開始しました。
街灯がなく真っ暗な道も途中には何箇所もありましたが、LEDの懐中電灯があればそんなのなんのその。
ヘッチャラです。
でもちょっとドキドキしながら懐中電灯で道を照らして散歩をしました。
気分はもう子供時代です。
大通りや一車線しかないような小道、夜の神社。
その全ては普段自分の知る日中の光景よりもどこか不気味で非日常的で神秘的ですら思うほどに刺激的でした。
夜散歩は想像以上に楽しい物だったのです。
それは、子供の頃に持っていた冒険心を蘇らせた様な感覚を私に与えてくれました。
しかし、そんな散歩はある場所で私を本物の非日常の世界へと誘ってしまったのです……。
私は夜散歩を満喫していました。
普段ならば体力がない私はすぐに疲れてしまうのに楽しさのあまり体力を忘れさせてくれました。
そんな時です。
私はふと、昔住んでいた家のある方へと行ってみようと思い当たりました。
というのも、実は私には実家が2つ存在しています。
一つは現在、私の父母弟祖父母が住んでいる家と、もう一つは私が中学3年生の時に家族全員で現在の家に引越しを行った古い家です。
つまり、私はこの時、古い方の家の方へと行こうと思ったのです。
私はそう思い当たるとすぐに、それを実行に移しました。
懐中電灯をもってカメラを構えて道中の景色の写真をとりながら進みます。
すると、私は、それと、出会ってしまったのです……。
私がその時居たのは十字路で、二車線の道路と一車線の道路が交差する道で、私はその十字路の二車線道路を挟んで一車線道路が見通せる場所にいました。
この一車線道路は街灯が多い為、数百メートル先の遠くまでを見渡す事ができる道路でした。
ですが、私はそこである事に気づいたのです。
私の立っている地点から60mか70mも離れていない場所で。
あれ?誰か居ると……。
実はここまでの夜散歩で私以外にも夜の街を歩いている人を片手で数えられるだけの人数を目撃しました。
その人たちは恐らく私と同じように散歩をしている人やこんな時間まで仕事をしていたのか小さな工場の前で作業着を着た人が車のエンジンをかけている様なそんな人たちでした。
夜の街では人が歩いてると、物凄く目立ちます。
街灯がスポットライトの様な役目を果たしているというのもありますが、何も動かない静かな夜の街では意外にも動いている物は非常に良く目立つのです。
これは個人的な見解ですが恐らく、夜の街では日中に比べて見えている色が少ないから目立つのだと思います。
その上で私は、二車線道路の反対側から、一車線の道路を見てました。
ただでさえ街灯の明かりで遠くまで見渡せるような道です。
私はそこでその存在に一瞬、なんだか分かりませんでしたが、黒い何かが道路上に居るのを目撃しました。
私はそれを見て咄嗟にそれを人だと思いました。
ただ、この時の私の感情は今まですれ違ったり見た他の人に対する感想とは違い驚愕にも驚きにも近い感情でした。
その時の私はこう思ったのです。
なぜ、子供がこんな時間に居るのかと。
というのも、この当りは私の良く知る土地であり昔から殆ど姿を変えていません。
ゆえにその謎の人物が居る所にコンクリートブロックがあったのですが、その高さは私の体の半分くらいの大きさしかないのを知っていたので、その人物の身長が感覚として大体、わかったのです。
それに、そのブロックが無くても、60メートル程度のそれくらいの距離に人が居ると自然と大人か子供かのサイズは分かります。
ですが、時刻は深夜2時過ぎです。
身長的には小学生くらい。
子供が出歩くのは余りにも遅すぎる時間帯です。
私は驚き自分の目を疑いつつも二車線道路を渡って一車線道路上に居るその小さな身長の人物を凝視しました。
ただ、街灯のおかげでその謎の人物の自体は見えているのですが、その詳細な姿は逆光なのか真っ黒に見えて良く分かりません。
私はその異様な光景に目を奪われていました。
ただ、私はすぐにさらにおかしい事に気がつきました。
その人物は動いていたのですが、その移動は道幅の端から端を行ったり来たり行ったり来たりしているのです。
さらに目を凝らします。
すると、その黒い影は異常にクネクネとした動きをしていた事に私は気がつきました。
その動きはまさに異常そのものでした。
右に直角、左に直角と動いていてその動きをしながら道の端から端に繰り返して動いていたのです。
私はその様子をずっと見ていました。
黒い影は何度も何度もそれを繰り返していました。
カメラでの撮影も試みましたが、デジタルカメラの精度が悪く、よく映りません。
それからどれほどの時間だったでしょうか。
5分……もしかしたら10分近くはその様子を見ていたかもしれません。
すると、その黒い影は突然、クネクネした動きをしながら通りの左側にある居酒屋に隣接した横道を通っていきました。
というのもこのあたりの道は碁盤の様に道が幾つもある通りで黒い影は私から見て一番手前側にある道へと入っていきました。居酒屋はその通りの曲がり角にあるのです。
私はすぐに黒い影を追いかけました。
私は黒い影の正体を知りたかったのです。
私はサンダルのつま先に力をこめて走れるようにすると全力で走って追いかけました。
もし、あの黒い影が居酒屋の酔っ払いなら、居酒屋はとっくに閉店している時間帯ではありますが、酔っ払いならば追いつけるはずです。
ちなみに居酒屋の閉店時間は10時です。
私は走りました。
そして、黒い影が入っていった通りを見ました。
その通りは街灯は少なく遠くまで見渡せるような道ではないのですが一直線に伸びる道です。
距離はそこまで遠いというわけでもないのですから、あの様なクネクネとした動きをしているのなら追いつけるはずでした。
しかし、私がその通りを見た時、黒い影は居ませんでした。
私は唖然としましたが、すぐに黒い影を探しました。
そして、私は再び黒い影を見つけたのです。
その黒い影は街灯の明かりで辛うじて見る事ができました。
その黒い影は同じ動きをしていました。
クネクネ動きながら道の端から端を先ほどと同じように動いています。
ですが、その黒い影が居た場所の距離は先ほど、私が眺めていたのと同じ距離の感覚だったのです。
つまりは全力で追いかけたにも関わらず黒い影と私との距離は全然縮まっていなかったのです。
私は意味が分かりませんでしたがこの時、ようやく私はこう思いました。
あの黒い影は何かヤバイ存在ではないのかと。
こう考えた私ですが、すでに爆発した好奇心は押さえ込めませんでした。
私はその黒い影の正体を見ようと追いかけたのです。
ですがいくら進んでも黒い影には追いつけません。
目を凝らしてみれば黒い影はずっと同じ動きをしています。
クネクネ、クネクネ、クネクネ……。
私はまるで虹でも追いかけているのかと思いました。
カメラを向けても写真を撮っても暗すぎて街灯の光しか見えません。
幾ら追いかけても追いつけないソレに私はどんどん好奇心よりも恐怖心の方が強くなっていきました。
そして段々、私はアレの後についていってはいけないのではないかと思うようになりました。
私はそれでも途中までは追いかけたのですが、この時、私は幸か不幸かサンダルで来ていた為に足が悲鳴を上げ始めました。
慣れない長距離の徒歩移動の上に全力疾走をした為に左足に豆ができていてそれが潰れてしまったのです。
痛みが私の足に走っていました。
私は家からかなりの距離を歩いてきています。
このままでは帰るのが大変ではないか?そう思ったのです。
それで結局、私は足が痛い事を理由にして黒い影に背を向けてそのまま諦めて帰路についたのです。
都合の良い理由かもしれませんが私はそれを理由にして逃げたのです。
その後はあの黒い影が自分を追ってきているのではないかという恐怖を覚えながらも、何事も無く家へと帰る事ができました。
私はその後の翌日、家でパソコンを開いて昨日の夜に見て撮った写真にあのクネクネした黒い影が映っていないかを写真編集ソフトのフォトショップを開いて明るさ調整などをしてクネクネを見ようとしました。
しかし、残念ながら写真にはクネクネは写っていませんでした。
その後、私はあの黒い影がなんだったのかも良く分からないまま半年もの時間を過ごしました。
そして二〇一八年のお盆の頃に衝撃的な話を耳にする機会があったのです。
お盆の時、私の家に親戚のおばさんが祖父、祖母の部屋でお茶を飲んでいました。
私もその中に混ざったのですが、その際、有名なホラードラマである本当にあった怖い話の話題になりました。
最初は幽霊は居るか居ないかの話だったのですが、その場で私は半年前に見たクネクネの話をしました。
すると、親戚のおばさんが突然、祖父に向かって「居酒屋の所って、うどん屋の所?」と聞いて祖父が「あぁ、うどん屋な」と話を始めるんです。
私は会話から取り残されたのでうどん屋って何?と聞きました。
すると祖父が私に教えてくれたのは、かなり衝撃的な話でした。
どうやら祖父いわく、昔、居酒屋があった場所には、うどん屋が在ったそうなのですが、その隣の家で男か女かは分かりませんが、その家の子供が両親を刃物で滅多刺しにして殺害する事件が在ったそうです。
祖父によると、当時はそのうどん屋と事件があった家の周りには畑しかなかったそうで、周囲の家の人たちは一時期、事件が事件なだけに気味悪がって周囲には人が寄り付かなかったそうです。
ですが、それから時が経ち、うどん屋は無くなり居酒屋となり、周囲も住宅街となり事件の事は皆忘れたようなのです。
現に私は今までそんな話は一度も聞いた事はありませんでした。
正直、自分の近所で、私が生まれる前とはいえ、そんな事件が起きていたのかと驚愕しました。
その話を聞いた上なのですが、結局、あの黒いクネクネの正体はなんだかは分かりません。
もしかしたら私が思っている様な怖い存在ではなく酔っ払いなのかも知れませんし、不審者だったのかも知れませんし、心霊現象的な存在だったのかも知れません。
ですが、これは現実に私が二〇一七の夏に体験した話です。
夜の街には何かが居る……そう感じます。
そして、冒頭の写真は、私が、クネクネを追いかけた先で、確かにカメラのレンズをクネクネに向けて撮影した写真なのです。
何か分かる人はいらっしゃいますか?恐らく撮影に失敗してしまっているとは思うのですが……もしかしたら何か分かる人がいらっしゃるかも……。
なんで、もっと性能の良いカメラを買わなかったんだと未だに後悔しているそんなお話です。
やぁ、みんな。
どうだったかな?夏の最後に相応しい話だったんじゃないかな?
それじゃあ、今日はもう2万字を超えた所だし、この辺でお開きとしようか。
それじゃあ皆。またいずれ会おう。




