領土紛争面
★上で話がちょっと出たからこれも。領土問題→まぁまぁ。
安全保障狂乱編で話がちょっと出たんで、今回は日本が抱える領土問題が異世界転移後にどうなるのかを考えていこうと思います。
日本が現在抱える厄介な領土問題地域は3つです。
尖閣諸島、竹島、北方領土。
尖閣諸島は中国と台湾が、竹島は韓国が、北方領土はロシアが領有権を主張しています。
これらの領土問題に関して、日本が異世界転移したらどうなるかを考えてみます。
まず、尖閣諸島ですが、これに関しては転移後は恐らくもう騒がなくなると思われます。
なぜかというと、まず、尖閣諸島の領有権を主張する国が存在しなくなる為です。
中国も台湾も、地球に残る訳ですから、これらの政府が領有権を主張する事は異世界へと旅立った日本に対してはできません。
また、転移後は恐らく、日本国内の中国大使館や台湾の連絡事務所が互いに臨時政府を設立すると思われますが、その立場は転移前とは比べ物にならない程弱いです。それは転移に例え自国軍が巻き込まれていても同じでしょう。お互い、転移に巻き込まれた自国民が生き残る為に日本政府から何らかの支援を取り付けようとはしても、本格的な対立をしようとなどは望まないと思われます。
その為、尖閣諸島の問題は転移後は完全に立ち消え状態になるのではないかと推測します。
もちろん、個人レベルや市民団体レベルの葛藤はあるかもしれませんが。
竹島に関しては恐らく転移後、長くとも1年以内には解決するものと思われます。
理由は、単純かつ明快で、竹島は前述した通り、人が住める島ではありません。
竹島は基本的に馬鹿でかい岩山みたいなもんです。韓国はそこに無理やり建物を建てて人員を常駐させています。ですが、その維持費は毎年相当なものでしょう。
人間が住むには電気、水、食料が必要な訳ですが、竹島はこれら全てを韓国本土に依存しています。韓国本土からはるばる船で運んできて、竹島の人員に渡している訳です。唯一自給ができるとしたら、魚介類程度でしょう。
日本と一緒に異世界転移したら、竹島は韓国本土からの支援を一切受けられなくなります。
孤立する訳です。
そうなると、竹島に居る韓国の人員は既存の物資を使い切ったらもう終しまいです。遅かれ早かれ、日本に助けを求める事態となるでしょう。
ですが、日本も馬鹿ではないので、ただで支援はしないでしょう。むしろ、日本政府としては奪還のチャンスと考える可能性が大です。
日本政府は人道支援として日本本土での韓国側竹島人員の受け入れを表明する可能性があります。この場合、日本政府は韓国の人員を日本本土で支援する代わりに竹島から韓国の人員が日本本土に移ってきたら、悠々と自衛隊なり海上保安庁を派遣するなりして、誰も居なくなった竹島を無血開城、無血奪還できる訳です。
韓国側としてはプライドから、日本ふざけんな!と、抵抗して、日本の支援を受けいれずに最初は独力で頑張ろうとしようとするかもしれませんが、補給手段が存在しない以上、その頑張りは長くは続かないでしょう。最後は日本の手が罠だと分かっていても、乗らなければならない事態となります。
一方で日本は竹島が干上がるまで眺めていれば良い訳です。
この奪還手段の場合、日本側が気をつけるべき事があるとすれば、日本本土側から韓国系の活動家らが漁船などを調達して竹島に物資を届けようとする可能性があるという事です。兵糧攻めをしてるのに兵糧を届けられたら意味がないので、海上保安庁は取り締まりを厳格にしなければなりません。
ただし、この場合、取締りの法的根拠をめぐって色々と揉める可能性はありますが……。
日本「じゃけん竹島返してもらいますねぇ~」
韓国「ざ、ざけんじゃねーぞ!てめー!」
日本「まぁ、いつまでその威勢が続くか見させてもらいますわ」
活動家「日本人のくせに生意気だぞ!独島は韓国の領土!せや!俺らが支援したろ!」
日本「させねぇよ!」
活動家「ワタシタチハ、日本ノ領土デアル竹島ニ、行コウトシテタダケデス。ナンデ、日本ノ領土ニ、行コウトシテタダケナノニ、捕マエルンデスカ?私達ハ、合法的ナ活動ヲシテイマス」
日本「ぐはっ!待ってろよ!今から、お前ら捕まえられる法的根拠用意するからな!」
みたいな?ま、いずれにせよ、竹島は日本に戻って来るでしょう。
頭を悩ます箇所は少しはあるかもしれませんが、全然戻って来る気配のない現実よりも、戻って来るだけ遥かにマシでしょう。
次に北方領土ですが、こっちは残念ながら異世界転移後もかなり絶望的です。
恐らく無理なのではないかと私は思います。
北方領土は他の係争地と違って、人が恒久的に住める環境が整っています。
豊かな自然と資源。プーチン政権下で進められた開発によってロシアの地方の町レベルにまで発展したインフラと市街地。最新鋭の装備を有する駐留部隊。
生きて行くには充分すぎる環境です。竹島の様に兵糧攻めでの奪還は不可能だし、日本側の支援を餌に奪還も恐らく不可能でしょう。また、日本が経済制裁等の強硬手段にうって出たとしても、ロシアが引き渡す可能性は低いです。
これにはいくつか理由があります。
まず、住める環境が整えられているというのもありますが、やはり一番は世論です。
北方領土に住んでいるロシア人の人口は民間人が凡そ3万人います。これらの人々は殆どが北方領土で生まれ育った人々で、日本に対して自分たちの住んでいる島を引き渡す事にかなりの拒否反応を示しています。北方領土では定期的に日本への引渡しの反対運動が起こっているほどです。
住民の意思が固まっており、かつ、生活環境が整っている事を考えれば、例え、日本がロシアとの貿易活動を止めるなどしても、住民は日本の圧力には屈しない可能性が高いです。それに彼ら彼女らにとっては北方領土が唯一残されたロシア領土な訳です。日本が幾らお金を積んでも難しいのではないかと思います。
軍事力での奪還も先にも言った通り、日本側が受けるダメージが多すぎます。ゴリ押しで奪還はできなくはありませんが、自衛隊が受ける被害は相当のものとなるでしょう。もしくは日本本土への深刻なダメージもあり得る。
私個人としては恐らく、日本政府は北方領土の問題に関しては棚上げをするのではないかと考えています。
なぜかと言えば、転移後の日本には余裕が無いからです。例えばですが、日本がロシアに北方領土の返還を要請してロシアがすんなり受け入れたとしましょう。そうなった場合、日本は転移に巻き込まれた大勢のロシア人の面倒を見なければならなくなるのです。
日本は転移の時点で少なくとも522万人以上の外国人を抱え、さらにその内、約半数の230万人は難民状態なのです。
この対応だけでも精一杯なのに、ここにさらに新たに面倒を見なければならない人々が増えるというのは、日本政府としては非常に頭の痛い問題へとなりかねません。
であるならば、領土問題を抱えているとはいえ、せっかくロシアの執政下の地域があるのですから、ロシア人の面倒は同じロシア人に任せた方が良いと考えるのは当然だと思います。そして、それを北方領土のロシア人達も望んでいる事でしょう。
また、領土問題が棚上げになった場合、日本とロシアの関係は転移後、比較的初期からその関係を強める事が予想されます。
なぜかと言えば、それは、北方領土の地下に眠る天然ガスの存在です。転移後、日本は主要な天然ガスの取引先を全て失う事になります。その為、明らかに日本の消費量に達していない国産の天然ガスを使って賄うか、異世界の土地から発見されるのを待つしかありません。ですが、北方領土にはある程度の天然ガス資源が存在している事が明らかとなっており、これに手をつけない理由はありません。
恐らく、転移後半年から遅くとも1年以内には日本政府は北方領土の天然ガス採掘に向けての交渉をロシアとするのではないかと考えられます。自国の領土なのに交渉しなければならないというのはおかしな話ですが、ロシアの軍事的影響下の地域の為、万が一の武力衝突を避けたいのであれば日本政府はきちんと交渉をせねばなりません。もしも日本が強硬的に採掘を始めたりなんかしたら、採掘船にミサイルを撃ってくるかも……いや、コスパ悪いし機銃掃射か砲撃か?それとも国境警備隊による接収か?採掘船を接収して自分たちで掘ろうとする展開も微粒子レベルで存在する?かも。まぁ、色々、考えられる。
ただし交渉すると言っても、日本がただで採掘の許可を得るだけのような簡単な交渉ではなく、ロシア側としても、ただで採掘をさせようとは思わないでしょうから、日本政府とロシア政府は天然ガスの採掘権であるとか、採掘料金であるとか、天然ガスの輸出料金だとか、経済支援だとか、日本との貿易だとかetcで、様々な議題で交渉という名のバトルが行われ、話をまとめるものだと考えられます。
恐らく天然ガスの採掘と輸出の取り決めと共に、ロシア製品(北方領土産)の日本への輸出とかも交渉で決められるのではないでしょうか。他には、日本からの経済支援とかもあり得るかもしれません。交渉全般は若干ロシア寄りの交渉結果になるのではないかと私は予測します。何故かと言うと、どうしても、天然ガスを巡る交渉は、日本の立場が弱くなってしまう事が予想されてしまうからです。天然ガスを喉から手が出る程ほしているのは日本側なのです。ロシアも経済事情やエネルギー事情は苦しいでしょうが、日本の方がもっと経済事情もエネルギー事情も苦しいのです。交渉は互いの足元を見てするものですから、立場的にはロシアは日本に提供する側。ロシアの方がテーブル上の立場は若干高いのです。
この様に北方領土問題は棚上げ状態となり一方で経済的な協力は進められる様になると考えられますので、ロシアの扱いは日本の中でも奇妙な位置づけと立ち位置に収まるものと推測します。
あと、これは私が勝手に思ってる事なので、ここから下は興味の無い人は流してもらって構わないのですが、私が考えるに、転移後、ロシアは北方領土に向けて、日本国内のエージェントを使って、転移の影響で倒産した日本企業の工作機械(産業用3Dプリンターだとか)を買って北方領土へと送るのではないかと予想しています。
と言うのも、北方領土の主力産業は漁業、水産加工業(缶詰製造業)、林業、木材加工業、畜産業といった第一次産業を主体としたものです。第二次産業は殆どありません。
その為、ロシア本国の力が得られない北方領土が国家としてやっていくには、第二次産業が必要なのです。
その点、異世界転移は機材を集めるという視点に立てば絶好の機会です。海外との取引が無くなった事によって日本国内の中小企業は多くが倒産するでしょう。国内には使わなくなった工場の設備が沢山売りに出されたりしている事が予想されます。中には処分に困ってただ同然で売る人も居るでしょう。そういった機材を安く仕入れて集めるのです。
特に産業用3Dプリンターをロシアは熱望しているのではないでしょうか。現在の産業用3Dプリンターは材料の粉や樹脂さえあれば本当に何でも作れます。人形から飛行機までどんとこいです。なんなら、医療用3Dプリンターなら生きた臓器だって作れます。家庭用の3Dプリンターでも拳銃や自動小銃なんていう代物が製造が可能です。これらが手に入れば、ロシアは新しい工業製品を生み出せますし、なんなら、ロシア本国から部品が手に入らなくなった兵器の部品も生産が可能となります。新たな兵器開発も可能となるかもしれません。
日本からしたら3Dプリンターを北方領土に送られるのは避けたいでしょうが、転移初期の混乱状態問題山積雨霰の状況下であれば、ロシアが本気を出したら、ほぼ確実に送られてしまうのではないでしょうか。そもそもこの動きを止められる様なら今頃日本はスパイ天国では無い筈だと思うのです。
また、転移後のロシアにとって軍事力の衰退だけはロシアにとっての最も避けるべき鬼門です。日本に北方領土の奪還を思い止まらせる一つの指標が北方領土に駐留するロシア軍の保有する最新鋭兵器だからです。兵器という物は整備が必要です。しなければ、老朽化し劣化し使えなくなってしまいます。それらを整備可能な設備は喉から手が出る程欲しいでしょう。
それと、もう一つだけ。
異世界転移後、ロシアは北方領土に日本からの移民を受けいれる可能性があるのではないかと思います。
というのも、転移後のロシアの人口です。北方領土を支配しているにも関わらず、その人口の規模は北方領土で約3万人、在留ロシア人が9109人、訪日観光客約1万人未満で、合計しても5万人に行くかどうかというレベルです。これは北方領土よりも小さい沖縄に145万人が居住しているのとでは対照的です。
異世界転移後もロシアが国家としてプレゼンスを保つには余りにも労働人口が不足しています。
もちろん世の中には人口が5万人未満の国とかも沢山ありますので国家運営ができない訳ではありませんが、日本と領土問題を抱えるロシアにとっては、土地を日本に奪われない様にするには、経済かもしくは軍事の面で一定のプレゼンスを保つ必要があります。
一応、ロシアは天然ガスで相当の収入は得られるでしょうが、もしも日本が異世界の土地で大規模な天然ガス田を発見すれば、そしてそれが開発可能ならば、そちらに迷わず移行する可能性があります。日本政府としては絶賛不法占拠中の勢力にお金を払うのは嫌でしょうから。そうなる事態も考えられるとなると、ロシア側としては天然ガスだけに頼る訳にはいかないのです。
資源輸出以外で経済を回すとなると、やはり第一次産業、第二次産業、第三次産業に焦点を当てるしかありません。ですが、北方領土の経済はすでに第一次産業を中心に構築されており、既存の人口では第二次産業や第三次産業に回すだけの人員が足りません。ようは、日本が失業者が溢れてかえって困っている中、ロシアさんは人手不足という逆に羨ましい悩みの状況な訳です。
もしも、この時にロシアが何もせずにプレゼンスを失い太平洋の島国並のパワーにまで力が落ちれば日本は将来的に北方領土を奪還できるでしょう。
ですが、ロシアがただ指をくわえて弱体化を甘んじて受け入れるとは思いません。そこで思ったのが移民の受け入れによる労働力の底上げです。
北方領土はその大半が開発されていない未開の土地です。つまりは移住者を受け入れ可能な土地が有り余っています。そこで、日本国内には失業した外国人が大勢溢れている事を考えると、こういった外国人に対して移住すれば土地を与える等とすれば、相当数の外国人が北方領土に移り住むのではないかと思います。なにせ土地も貰えて農業をする事もできるし職種によっては仕事もあるときます。ただ、ロシア側もいきなり自分達の人口を超える外国人の流入は避けたいはずなので、私の考えでは最大でもロシア人人口と同数程度まで受け入れるのではないかと考えます。
日本国内の外国人の失業状況を考えると外国人エンジニアから、農作業の人材まで、様々な人材の獲得が可能でしょう。こういった人材を獲得すれば、北方領土の経済は発展していくものと推測します。
そして、日本政府としては、ロシアのこの動きの真意は分かっても止めようとはしないでしょう。日本にとって転移後最大の問題の一つが国内の外国人難民問題なのですから。この難民の数が少しでも減るのであれば、むしろ大喜びで、袖を振ってロシアへの移住事業を積極的に支援する事もあるかもしれません。
まぁ、減るとは言っても最大で5万人未満なのですがね……。
5万人減っても225万人ですよ。難民の数は……ひえぇぇぇぇぇ。
よし、それじゃあ、大体話し終えたので、ここまでの話しを簡単にまとめます。
領土問題は3つ中2つ解決1つ未解決って感じですかね。
まぁまぁの結果なのではないでしょうか。
ただし、北方領土が返還される未来が現実以上に見えなくなるのが最大の問題ですがね……。
北方領土ロシア「やべぇよ……やべぇよ……異世界転移してロシアママと遮断されちまったよ……」
ロシア「息子よ……」
北方領土ロシア「あっ!地球にいるロシアママ!ママァ!本国と寸断されて僕たちはこれからどうすれば良いんですか!?どうやって生きていけば良いんですか!?」
ロシア「その答えは出ていますよ息子よ……」
北方領土ロシア「その答えは……」
ロシア「お前が!ロシア本国になるんだよッ!!」
北方領土ロシア「!!」
北方領土「やめてくれよ……」(絶望)
日本「返して……」(泣)




