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#65 特効薬

 皆で作戦を話し合った後、城側に連絡をするとすぐに迎えがやってきた。


「アイゼリア王女殿下! よくぞご無事で!」


 リアを迎えに来た魔道士は驚きと喜びを張り付けた顔で跪く。が……


(なんか胡散臭いな……)


 リアクションがオーバーに見えるのは俺だけだろうか。そして、その裏に何らかの企みがあるようにも……


「では殿下、陛下の容態は一刻を争います。こちらの魔道具を──」


「待って下さい。私の身の回りの世話をする者も連れていきたいのですが」


 リアがそう言うと魔道士は少し顔をしかめた。


「城にも女官はおりますが……」


「私も女です。父が危篤と聞いて動揺しています。平静を保つには助けが必要なのです」


 リアの沈痛な表情を見て、男もやむを得ないと思ったようだ。すぐに表情を戻して、猫なで声を出した。


「失礼しました。お二人までなら何とかしましょう。その代わり荷物をお運びするのは少し遅れますが、構いませんか?」


「構いません。感謝します」


 リアを支えるように女官が二人前へでる。すると、魔道士はリア達に飾りがついた紐のようなものを差し出した。


「これを持って下さい。二人連れて行くとなるとそれなりに魔力を吸われると思いますのでお気をつけ下さい」


「分かりました」


 リア達が魔道具を握ると魔道士が印を切る。すると、四人の姿がだんだんぼやけ始めて……


 シュン!


 突然ぼやけていた四人の姿がかき消えた!


「……行ったか」


「しばらくしたらリア様の荷物を取りに戻ってくるだろう。動くのはそれからだ」


 将軍達の声がする。荷物の中に潜んでいる俺は作戦通り身動きせずにじっとしていることに専念した……



 ガチャ……


 小一時間くらい経っただろうか。俺が潜んでいた荷物は無事リア達がいる部屋に運び込まれ、女官に変装したサラとクレアによって開封された。


「お疲れ様、シデン」

「ありがとう。上手く行ったな」


 部屋にいるのはサラだけだ。


「とりあえず簡単に状況を説明するね」


 サラによると、リアはクレアと共に父である国王に会いに言っているとのことだった。


(リアの護衛にはクレアがいたら大丈夫か)


 サラがここに残ったのは俺を待っていたのと万が一の時のサポートのためだろうな。


「〈お願いヘルプミー〉を持って貰ってるから何かあれば知らせがあるはず。それにそろそろ向こうの様子が分かると思うよ」


 サラの便利グッズ、〈お願いヘルプミー〉はピンチになると仲間だけに聞こえるお知らせを送るアイテムだ。さらに持っている人が望めば、常時画像や音を仲間と共有することも出来る。


 ジジジ……


 おっ……きたな!


「シデン、こっちに!」


 俺はサラが用意していた〈お願いヘルプミー〉の受信機の前へと移動する。これでリア達が見ている光景と聞いている会話を共有することが出来るのだ。


“お父様!”

”リア……なのか?“


 ベッドに伏せっているのが国王? 顔色は良さそうだけど……


“お父様、目が?”


”ああ。手足も動かぬ。特効薬が用意できるまでは安静にしろと言われていてな“


 ……何か聞いてた話と違うな。


(リアのお父さんは危篤だって聞いたが……)


 普通の状態じゃないのは確かだが……何だか妙だな。


(この症状、見たことあるな……)


 だが、俺が詳しく思い出す前に二人の話は続いていく。


“とにかく私のことは良い。それよりリア、城内が騒がしい。気をつけるんだぞ”


”……はい“


 ん、今……


(手を握りながら……リアに何かを渡した?)


 ごく自然な動作だから普通なら見落としたも知れない。が、魔物の僅かな動きを頼りに戦って来たんだ。大事なことは見落とさない。


“お父様──”


”リア様、王のお体に障ります。そろそろこちらへ“


 俺達をここまで連れてきた魔道士だ!


(まだリアとお父さんは全然喋ってないじゃないか!)


 けど、リアは何の不満も口にせず部屋を出る。リアも分かってるんだ。何かおかしいことに……


「こちらに。王の病状についてご説明致します」


 そう言って魔道士が案内した部屋には何故か完全武装した兵士達がズラリと並んでいる。おいおい、何で武器を持った兵士がいるんだ!


「リア様……」


 クレアだ。


「さて、リア様。王は今、命の危機にあります」


「どう言う意味でしょう?」


 静かにそう問い返すリアを見て魔道士は口元に笑みを浮かべた。


「おやおや、聡明な貴方らしくない。数週間前までお元気だった王が今は目が見えず、体も動かない。それが普通の状態だと思われますか?」


 確かに普通の状態ではないな。だが、そんな病気は聞いたことがないぞ!


「しかし幸いにも王の命は薬があればお救いすることが出来ます。私の長年の研究成果であるこの薬があれば」


「で、どうしろと言うのですか?」


 リアがそう言うと魔道士は口元に邪悪な笑みを浮かべた。

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