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#26 手順

(カートレット将軍視点)


「でね! シデンさんはズバッ!って──」


 今までのお話を聞き出してからと言うものの、リア様の話が止まらない。まあ、そのくらい色んな出来事があったんだし、当然といえば当然かも知れないが……


(しかし、あのシデンとか言う男の話ばかりではないか!)


 二言目には”シデンさんが“と言う始末……一体これはどうなっているんだ。


(三人の騎士を倒したことやマルボレク要塞で魔導具を破壊して突破したこと、違法な研究所でゴーレムと戦ったことなどは嘘ではないのだろうが……)


 だが、全て一人でやったというのは、流石にあり得ない。


(リア様は窮地に命を救われたことであのシデンとかいう男を過大評価しておられるようだな……)


 リア様は聡明な方だが、やっと成人されたばかり。さらに母君の死去や命を狙われるなどと言った異常事態に不安にならないはずがない。


(そんなリア様の不安につけ込むとは……許せん!)


 大体公衆の面前で女とイチャつくような不届き者がまともな人間のはずがないのだ。


(……しかし、リア様は年上に弱いな)


 話しながら軽く頬を染めるリアを見ながらそう思う。原因は分かってる、あいつのせいだ。


(リア様は小さい頃から”伯父様“と呼んで慕って居られたからな)


 かつての王国最強の騎士であり、我が国の騎士団長を束ねる存在だった勇者ペンドラゴン。リア様は小さい頃からあやつに夢中だった。


(あやつの影響で剣の訓練を始められたりと良い影響もあったから放っておいたが……)


 まあ、父である王との時間が殆ど無い寂しさもあったのだろう。だが、まさかこんな弊害が起きようとは……


(まあ良い。そのために儂がいるのだから)


 リア様は頭の良い方だ。あの男がどの程度のものか、現実を目の当たりにすれば目を覚まして下さるだろう。


(それに儂自身、あの男の価値を見極めんとな)


 碌でもない奴だが、何も出来ない訳ではないだろう。でなければここまで来られるはずはない。


(奴の実力を確かめる方法……あれしかないな)


 リア様のために一肌脱がねばなるまい。ふふふ……腕がなるな!


(シデン視点)


 サラと別れ、考えをまとめるために歩いていると、今度はクレアに出会った。


「シデンか。どうしたのじゃ」


「ちょっと考えをまとめたくてぶらぶらと」


「ふむ、なら似たようなものか」


 クレアは納得したように頷いた。


(クレアも考え事をしていたってことか……なんだろうな)


 クレアはどちらかと言うとあまり考──直感的に生きている印象なんだが。


「ところで、今は他に誰もおらんな?」


 ……?


「そうだな」


 意図が分からず内心首を傾げながらそう言うと、クレアは満足そうに頷いた。


「よし、なら……」


 クレアは瞬く間に上着を脱ぎ、ズボンに手をかけ──


「待て待て待て!」


 流石に俺が焦りまくって制止すると、クレアは不思議そうな顔をした。


「二人の時にするなら何も問題ないじゃろ?」


「だから何をする気だ、何を?」


「何ってそりゃ──」


 具体的には何をするつもりなのかを聞きたいわけじゃねーよ!


「いや、やっぱいい。そうじゃなくてとりあえず服を着てくれ」


 上着を脱いだことでクレアのボディラインが露わになり、正直目のやり場に困っているんだ。


「駄目か? 我ながら中々のものと思うのじゃが」


 クレアは自分の肢体に目を向ける。つられて俺も視線を向けてしまう。


(胸あるよな……って違う!)


 見てる場合か! ちなみに胸がある割にウエストはかなり細いため、ギャップが凄い。


「良いとか悪いとかじゃなくてな」


「良かったのじゃ。シデンが噂に聞く貧乳派だとどうしようもないとこじゃった」


 ……一体誰に習ったんだよ、そんなしょうもない言葉を。


「そういうことはその……色々手順が」


 言いつつ手順の問題でもないなと思う。結局何が問題だ? まあ全部問題だろ、うん。


「分かっとる。サラにも釘を差されたしの。しかし、どの位時間がかかるか分からんのじゃ。それに嫌な予感もする」


 ……なんの話だ?


「ん? シデンは竜騎士の伝説知らんのか?」


「竜騎士って馬じゃなく竜に乗って戦ってたっていうアレか?」


 子どもの頃に何かの物語で読んだことがある。


「何の準備もなくそんなことが出来ると思うか? 竜騎士は竜と心を同調させて初めてその背に乗って空を飛ぶことが出来るのじゃ」






いつも読んで頂きありがとうございます!

次話も頑張って書くのでよろしくお願いします! 

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