二周期と百三十六日
異世界から呼ばれしチートガールズが魔窟へと到達した。驚きの移動速度だ。魔導チートがあるからなぁ。
あれから街に寄る度、喰らうモノシリーズに喰われたエルフやら獣人族やらの話を耳にし、もはや聞く耳持たずと言った状態。
『あなたの仲間の敵は取ってあげるわ!』
『ボク達に任せとけば大丈夫だよ!』
『噂では囚われた人たちは生かされ、今も凌辱されていると噂されているわ。正に女の敵。絶対に許さない!』
と、魔窟を前にして熱く語っていらっしゃる。現在進行形で。凌辱云々はどこ情報だよ。まあ否定はしないが。周りの冒険者パーティ(男限定)は、ああまた犠牲者が・・・と言った表情で4人組を眺めている。通過儀礼の如く、周りの冒険者どもからエルフっ娘と猫耳っ娘を寄越せと突っかかるバカ共が大量発生したが、空の星となった。キーンと言う音と共に。幾分か魔窟周りが綺麗になった気がする。
一応、元同郷と言う事もあるので、チートガールズに対しては即死トラップを無効化する方向で処理しようと思う。消化液でドロドロになるシーンなんて見たくないしな。
意気揚々と魔窟へと進撃を開始する升娘達。流石物理チートと魔導チート。ネムリ茸の睡眠攻撃はあっさりと退けられる。と言うかまったく効いてない。俺の触道の中でも魔法・・・いや、魔導を行使できるとは流石チート。しかしだ。異常に魔導が切れるのが早いみたいだな。状態異常耐性を引き上げる魔導も20分もすると切れる様子。いきなりちびっ子たちが眠りだして驚いていた。
撫子の持つ魔力回復量が凄まじいので問題となっていないが、魔素吸収はしっかりと働いている。ガンガン俺の元に撫子が発した魔素が集まって来る。そしてソレを横から掻っ攫う精霊。今まででも控えめだったのかよ。もうちょっと自重してほしいんだが。
おや、触虫を倒して虫玉を放置していた撫子さんが虫玉に興味を持ったご様子。魔導を発動させたのか、目がうっすらと光輝いている。暫くすると顔つきが険しくなり、皆を集め話をし出した。
撫子曰く、虫玉は濃度は違うが妖精の出す体液と同じ成分で構成されていると判定されたらしい。エルフや獣人たちでは飽き足らず、妖精までも生け捕りになっていると怒りを露わに。妖精が囚われて居た話は伝わっていないらしい。
しかし魔導チートすげぇな。成分も分かるのか。で、その成分がどのような物なのか情報も引っ張り出せると。あれか、星霊様に問い合わせかけてる気がする。休眠しているらしいが、動けないだけか?
それはまあ横に置くとして、更にお怒りモードの升娘たち。確かに凌辱行為に似た事もしているが、あくまで本人の選択制だ。つまり合意。むしろお願いされている訳で、怒られる理由は全くない。たぶん、うん。きっと。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ネムリ、シビレ、幻覚ゾーンはあっさりと突破。効かないのだから仕方ないね。あとはトリモチ。魔導チートで引っ付かない様にガードしているが、ガードの周りにまとわりつくので結局除去が必要。かなり面倒そうである。
そして最後に腐れゾーン。とは言ってもまだ浅層なので軽いレベルでの腐れ度なのだが、これが意外にも効いている。体に影響は殆ど無いが、着ている衣服には大ダメージだ。防護魔法でガードしているが掛け直すタイミングを誤ると、とたんに端から腐れ始める。つまり気を抜けばスッポンポンへとご招待な訳だ。
ある程度着替えなども用意しているご様子。あれか、魔導チートによる異空間アイテムボックスがあるらしい。腐れる度に着替えているが、流石に服が尽きて来ている様だ。かなり升娘たちが焦っている。
なんと言う陰湿な自然トラップ。狙い通りである!
最悪なのが、この腐れロードは迷路になっており突破するのに時間がかかる。なのでどこかで休む必要がある訳だが、魔導チートを持つ撫子は延々と魔導を掛け直す必要がある。と思ったら結界の様な物を張りやがった。なんたる理不尽。なんたるチート!
だがそんな事では腐れロードを防ぐことは出来ない。なぜなら腐れロードの空気中には腐れ茸の胞子が舞っている。そしてその胞子は升娘たちの皮膚、衣服などにびっしりと付着済みだ。結界は外部からの侵入を遮断するのは得意だが、内部からの浸食には弱い。
寝静まって起きた時、そこには素っ裸の娘4人の出来上がり。と言う訳だ。ふははは!
よく考えると深層は原種の腐れ茸さんが居るんだよな。突破無理だろこれ。胞子が付いたところから腐れさせつつ菌糸を伸ばしていくから除去は不可能に近い。数分もすれば肉深くに菌糸が侵入する。腐れさんパネェっす。升娘たちが来た時は原種には休眠して貰おう。
升娘たちは起きたとたんキノコにびっしりと包まれている事に驚いていた。そして衣服は全滅。つまり素っ裸である。どうやら諦めた様で、このまま進む事を決めたらしい。最初は恥ずかしがっていたが、周りに他の者も居ない事もあってすぐに慣れた。
赤面した顔が見れないとは。羞恥心をなくした女って・・・終わってるよね。
なんかイリ達からも睨まれた。うむ、無くてもカワイければいいよな!
その後はチートにモノを言わせ、快進撃を続ける升娘たち。ヌルヌル三角木馬ロードでは上り坂で幾度となく足を踏み外し、股間を強打しつつそのまま滑ると言う事を繰り返す。ヌルヌル触手渡りゾーンでは触手綱を踏み外して落ちた先の触手たちに弄ばれ。触手ハンガーゾーンではヌルヌルの触手持ち手を掴めずにこれまた触手に以下略。
物理&魔導で飛んでいけばいいんじゃね?
と突っ込まれそうだが、そうすると次へ進む道が開かないと言う鬼畜仕様にしてます。ちゃんと立て看板も用意済みだ。
幾度となく触手に揉まれ、目のハイライトが消えてきた頃。最下層のボスフロアに到着。いくら即死トラップが無いからと言ってここまで来る根性に脱帽である。トリモチ粘液への潜水突破とかもはや魔導チートごり押しだったな。抜けた時には魔力切れギリギリで倒れてたが。
そして念願の喰らう者のボスとご対面。先の戦闘に備え、ドアの前で休息を取る4人組。真っ裸なのがもはやデフォルトと言った出で立ちである。
大きな肉扉を押し開けるとそこに鎮座するのは巨大な松茸。根元には清水を貯め込んだ半透明の巨大な玉が4つ囲むように配置されている。松茸は赤黒く輝き、頭頂部より粘液を垂れ流す。
ネオアームストロング砲をイメージしてみた。
言うなればマーラ様をリアルにして肉々しくしてみた感じだろうか。血管っぽいモノをたっぷりと張り巡らして、怒張感をアップ!
ドヤァとしていると魔導がすっ飛んできた。が、俺の分体・・・いやマーラ体には魔導は効かぬ!
とか余裕こいてたら5cmほどザックリと切れた。吹き出す体液もといローション。色は白。
ピギャァァアと悲鳴を出してみる。魂活女子の紅葉さんも臨戦態勢だ。しかし足元がヌタヌタのため踏ん張りが効かず躊躇している。ふふ。狙い通りである。
魔導が思いのほかヤバイ。まさか魔素吸収の防壁を貫いてくるとは。念のためクゥに防護を頼んでおいて良かった。さて、ここからは俺の腕・・・触手の見せ所だ。
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しばらく膠着したあと、徐にネオアームストロング砲を蠢かせ、その内部からあるモノを浮かび上がらせる。それは升娘たちからすれば保護対象のモノ。そう俺に囚われている妖精、エルフ、猫耳、犬耳などその他諸々の各種族の代表者たちだ。
ネオアーム・・・面倒だな。主砲の竿の部分から顔だけ浮かび上がらせてみた。その出で立ちはグロテスクの一言だろう。なんたってキノコから人の顔が浮かび上がって来たのだから。滴るローションが竿を伝って彼女たちの顔面を湿らせる。イリと青髪のエルフっ娘は頬を紅潮させて喜んでいる様だが、他は若干不快そうだ。まあこれが普通の反応だろう。
升娘たちの反応は顕著だった。攻撃対象に保護対象が取り込まれている。先ほど放った魔導が一歩間違えればどのような事態になったかを把握した様で、撫子の顔色は青い。そして、攻撃手段を失った升娘たちの表情はもはや絶望的だ。
日本人たる一般常識に縛られた升娘たちは囚われの彼女たちを傷つける事は出来ない。そう、詰んでいる訳だな。俺は準備していた触手で彼女たちを拘束するとボスフロアの空中に縛り、待機させる。
そして主砲の頭頂部に用意した口らしき穴を開く。歯などはない、ただの肉の穴だ。
まずは猫娘、君に決めたッ!
升娘は囚われた時点で魔導の発動は絶望的。また物理チートも柔らかく切れにくい触手に阻まれ力を出せず抵抗できない。
そんな状態で見せつけるように猫娘を足元からゆっくりと飲み込んでいく。チートもらって余裕ぶっこいてるからこうなるんだぜ?
怒り狂う升娘たちを横目に次はエルフっ娘の踊り食い。その後は升娘も同様に美味しく頂きましたぁ!
あっけなく升娘たちはマーラ体に捕食され、ゲームオーバー。イージーモードの魔窟攻略はこれにて終幕。
さあ遊びの後は溜まった疲れをたっぷりと触手によるマッサージで解消するがいい!
後は協力してくれた各種族の代表者たちにもお望みの褒美をご提供しました。
高い薬品やらを選ぶ者たちが殆どだったが、二名ほど特殊なマッサージを要望された。
一名は一週間の触手蹂躙コース。もはや尊厳も無い触手による饗宴。目のハイライトを一つたりとも残さない。このコースを選ぶ者が居るとは。いや予想はしてたけど本当に選ぶとは思わなくてね。
もう一人は一週間の最高級豊胸マッサージ。多数の貢物として提供された希少な薬草などを利用、一生に一度は受けたい夢のエステ。綺麗な体と、スタイルをご提供。ただし効果には個人差があります。
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升娘達へのデトックスマッサージの終わった後、代表者も交えて話し合いと相成った。まず升娘達の誤解を解いてもらい、俺が各種族を捕えているのではなく、庇護下に置いて保護している事を伝えてもらう。また本体のキノコも見てもらう。その余りの大きさに顎が外れんばかりに大きな口を開けていたので、俺が蜜玉を投入する一幕もあった。
升娘達に保護された猫耳とエルフっ娘が元々虐げられていた事もあり。また生活している各種族の街などを見てもらう事で誤解は解けた。
しかし触道で行った数々の蹂躙は別らしく、ボッコボコに殴られ切り刻まれた。山に響く打撃音。魔導が織り成す空気を割く音。それらは数時間鳴り響いた。すごく痛いデス。
生命力も本体のサイズ向上に伴い、増加。以前融合した巨大な魔核とちょっとでも俺の菌が残っていればそこから再生できるのでボコられようが大丈夫。また核はクゥが力を使って保護してくれているので、クゥ以上の存在でなければ傷すらつけられないだろう。空間と言うのはゴリ押しできる物では無いからな。
升娘たちは、元の世界に戻る事を望んでいる。保護されたチミっ娘たちは涙目。クゥ曰く、元の世界と繋ぐにはまだまだ力が足りないそうなので、升娘達にもご協力頂く事に。まあ魔素の提供な訳だ。
他の種族と同様にギブアンドテイクの関係となってもらう。あとチミっ娘たちもどうやら着いて行きたいとの事なので、その分の力も合わせて提供して貰うことになった。
元の世界から呼び寄せるのは、それほど力が要らないそうだが送り返すとなると別。かなりの力が必要だそうだ。正確にはクゥでも送り返すのは難しく、クゥより上位の存在へと依頼しないと難しいそうで。
まとめると戻るのは当分先になりそう、と言う事である。
他種族からも提供された力も充当するが全然足りない。より一層、魔素の搾取に尽力しなければいけない。そう、仕方ないのである!




